SOHC(エスオーエイチシー、
Single OverHead Camshaft)とは、
レシプロエンジンの一形態で、1本の
カムシャフトが
シリンダーヘッドに置かれたエンジンの事を言う。かつて
DOHCが広く普及する以前は単に
OHCとも呼ばれていたがより明確な区別をするためにこのような呼ばれ方をするようになった。
また、
直列式シリンダーのSOHCエンジンに限り「シングルOHC」や「1カム(ワンカム
One Cam)OHC」と呼ばれる場合もある。
構造
製・
D15A型4気筒SOHC12バルブエンジンのシリンダヘッド(海外向け)]]
バルブの位置は
OHVや
DOHCなどと同じく燃焼室の上である。カムシャフトはシリンダヘッドに直列エンジンの場合には1本が置かれている。カムシャフトは、
チェーン・
ギア・
ベルトなどでクランクシャフトとつながれており、回転する。(一般的な設計では)カムシャフトと
バルブは、シーソーのような動きをするロッカーアームという機能部品で結ばれており、動きを伝える(ただし一部のSOHCエンジンには
ガソリンエンジン、
ディーゼルエンジンに関わらず一般的なDOHCエンジンのようにロッカーアームの無い直押し式バルブ機構のSOHCエンジンも存在する。【例:
トヨタ・「
5L」「
1C」「2C」「3C」「1N」「1ND-TV」型、
スバル・「EA82」型、
ダイハツ・「
EF-SE」型、
スズキ・「G10」型等】必然的にバルブ配置がカウンターフローもしくはS字型クロスフローとなる)。
OHVでは、カムシャフト→プッシュロッド→ロッカーアームと、バルブを開閉する動きが伝えられるが、そのうちプッシュロッドが不要になる。
DOHCとの違いはカムシャフトの本数で、DOHCでは吸気バルブ・排気バルブをそれぞれ専用のカムシャフトで駆動させるが、SOHCでは共用のカムシャフトで駆動する。
歴史
特徴
OHVと比較した場合、バルブまわりの慣性質量を減らしやすくなるため、結果としてバルブの開閉タイミング管理が容易になり、DOHC程ではないがそれなりに高回転・高出力を得やすい。
部品点数がOHVやDOHCより少なくなるので軽量小型で安価になり、整備性もよい。
DOHCと比較した場合、カムシャフトが1本少ない分駆動抵抗が少なくなり、燃費のいいエンジンにしやすく、エンジンの重心を低くすることができる。
…などのメリットがある。
逆に、
DOHCに比べ、1本のカムシャフトでロッカーアームを介してバルブを駆動させるという構造から、給排気バルブの数を増やしにくいため、高回転型のエンジンを作りにくい。
1本のカムシャフトで給排気両方のバルブを開閉するため、バルブのレイアウトの許容範囲が狭い。
また同様の理由で、ロッカーアームもわずかではあるがバルブを開閉する際の緩衝材的な役割をするため、高回転になるほどバルブ開閉の精度が落ちバルブサージングが発生する。
…などのデメリットがある。
一般的に、SOHCはDOHCより性能が劣っていると見られがちだが、必ずしもそうではない。出力はカムシャフトの数よりも燃焼室の形状や
カムの形・大きさと言ったものの方が性能を決める際のウエイトは高く、SOHCではなくDOHCにする意味は、その自由度を高めるための手段であって、DOHCだから必ずしも高回転・高出力なエンジンになるわけではない。
また、変わったところでは
スズキが20年以上にわたって使用し続けたF型では、燃焼室構造をハート型に近づける事で燃焼効率を向上させていた。F型には4バルブDOHCや4バルブSOHCも存在するが、バルブ配置の関係の為この設計は崩れている。
シリンダーあたりのバルブ数は吸気×1、排気×1の2バルブが基本であるが、給排気効率を高めるために増やすことも可能であり、吸気×2、排気×1の3バルブや、吸気×2、排気×2の4バルブの
マルチバルブエンジンも存在する。
また、燃料の完全燃焼を促す為に、ツインプラグ方式をSOHCエンジンで実現するものもある(
日産・Z型(Z18、Z20等)エンジンおよび
CA型(SOHCヘッドのみ。DOHCヘッドはディストリビューターレスのシングルプラグ方式)エンジン、
ホンダ・i-DSI(
L型及び
P型))。
関連項目
SOHC
SOHC