LHA(エルエイチエー)とは、
ファイルの圧縮と
アーカイブを行う
ソフトウェアのひとつ。また、圧縮ファイルの形式はその拡張子から
LZHと呼ばれる。ここではLZH形式についても述べる。
LHAプログラム
登場当時は
LHarc(エルエイチアーク)というプログラムであったが、
1990年頃に全面的に作り直され、
LHAに改称された。また、初期バージョンではLHAを「
ラー」と発音すると作者による説明があったが、後期バージョンではその説明はない。また、
RARと混同することからも、「
エルエイチエー」「
ルハー」「
エルハ」等と発音するユーザーが大勢である。
LZH形式
LZH形式の圧縮アルゴリズムは、
LZSS法で圧縮したデータをさらに
ハフマン法を用いて圧縮するLZHUFアルゴリズムを用いる。LZHUFは奥村晴彦のLZARI(LZSS +
算術符号)の効率を向上するために吉崎栄泰が考案したものである。
LZSS法ではスライド窓や最大一致長を大きく取るほどに圧縮率の向上が見込めるが、一方でむやみに大きくすると最長一致列の探索に時間がかかり、また多くのメモリも必要になる。このため初期の版ではスライド窓や最大一致長の大きさは小さくとられていたが、探索アルゴリズムの改良や
コンピュータの性能向上などにより、次第に大きな値が採用されるようになった。
LZH圧縮形式は大きくlh0、lh1、lh4/5/6/7に分けられる。
圧縮率を高めたlh6/7方式が公開されているが、開発途中ということで同形式を使ったファイルの配布は推奨されていない。
lh0形式
lh0形式は一切の圧縮を行わない。
可逆圧縮では圧縮前よりも圧縮後のデータの方がサイズが大きくなる場合があり、lh0形式はそれを避けるために使用される。ユーザーが意図してこの形式を使う場合は、ファイルの破損のチェックに使ったり、複数のファイルをまとめるだけの
アーカイバとして利用される。
lh1形式
lh1形式のスライド窓の大きさは4Kバイト、最大一致長は60バイト。文字と一致長は動的ハフマン法で符号化されるが、一致位置はハフマン法を用いずに符号化される。LHarc 1.xではこの形式。
lh4/5/6/7形式
各形式はスライド窓の大きさのみが異なり、それぞれ4K/8K/32K/64Kバイトである。最大一致長は256バイト。
圧縮データの展開速度の向上を目的として、符号化がlh1形式の動的ハフマン法から静的ハフマン法に変更されている。また、一致位置も(文字、一致長とは別に)ハフマン法で符号化される。
MacLHA形式
「
MacLHA」は
Macintoshのファイルシステム上のファイルを、LHA形式で圧縮するフリーソフトとして、石崎一明によって開発され配布された
フリーウェア。基本圧縮アルゴリズムはMS-DOS用のLHAと同じだが、Macintoshのファイルシステムで使用される
リソースフォークを含んだ状態で圧縮する為に
MacBinary形式にエンコードするという機能が加えられている。この為、MacLHAの圧縮ファイルはMS-DOS(
Windowsを含む)上のLHA及び互換ソフトでは正常に展開する事ができない。また、ソフトウェア次第ではMacで解凍してもMacBinary形式のファイルが出てくるという事態も起こる。実際、
StuffIt Expanderで解凍を行った場合はMacBinaryをデコードしないため混乱したユーザは多い。この場合、出てきたファイルを再度StuffIt Expanderに通せばMacBinaryがデコードされる。
この回避策としてMacBinaryに変換せずに圧縮するオプションが付随しているが、この方法で圧縮した場合、逆に解凍時に
Mac OS(Classic Mac OS)ではファイル識別が出来ない状態になる。それが実行ファイルであった場合、正常に起動できなくなる場合もある。これを防ぐため、バージョンによっては、このオプションを有効にしてリソースフォークを含むファイルを追加しようとすると、MacBinaryで保存するか、データフォークのみ保存するか(リソースフォークとFinder情報は失われる)、処理を中止するかの選択を促すダイアログが表示される。
MacLHAは
Mac OS Xにネイティブ対応していないことと、
Finderがzip圧縮に対応したため、ユーザは他のソフトウェアに移行している。Mac OS Xで万一このファイルに出会った場合はMacBinaryデコーダを用意するか
HappyLHAというソフトウェアを使用すると良い。
経緯
LHAとLZH形式は、1988年の登場以来、
パソコン通信や
フロッピーディスクでの
データやり取りが主流の時代に重宝されて、MS-DOSのみならず各種のOSに移植されて発展を続けた。
ZIP形式を扱うPKZIPが有料の
シェアウェアだったこともあり、
日本国内はもとより海外でも広く使われるようになった。
1990年代に
ハードディスクや
インターネットが広く普及する時代となっても、
日本国内では事実上のデータ圧縮の標準的な形式として浸透していた。
ただし、かつて作成されたLZHのアーカイブを展開する需要は非常に多いことが確認された。それを受けて
マイクロソフト社はLZH展開アドオンを正式に配布している。
日本においては圧縮データを展開(伸張)することを「解凍」と呼ぶことが多いが、これはLHAのマニュアルで使われていた用語が一般化したものである(マニュアルでは圧縮を「凍結」と呼ぶ)。また、LZHのアーカイブは「書庫」と呼ばれる。これはLHA/LHarc以前のアーカイバLArc(前述のLZARIを採用、圧縮形式lzs/lz4/lz5、拡張子.lzs)がファイルを「本」、アーカイブを「書庫」になぞらえたことに因む。
.lzh / .lha
日本においては.lzhのみが用いられるが、日本国外では.lhaなどが用いられることもある。
application/x-lzh-compressed
上記のMIME-Typeは
IANAに登録されておらず、LZH書庫として認識できるブラウザは今のところない。実装の際は注意が必要。
脚注
関連項目
参考文献
- 奥村晴彦・吉崎栄泰「圧縮アルゴリズム入門」『C MAGAZINE』1991年1月号、ソフトバンク、44-68頁、1991年。
外部リンク
LHA
LHA
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