グラファイト [Graphite] [被リンク数: 52]

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グラファイト(graphite、石墨黒鉛)は、炭素から成る元素鉱物。六方晶系(結晶対称性は、P63/mmc)、六角板状結晶。構造は、状の層状物質で層毎の面内は、強い共有結合(sp2的)で炭素間が繋がっているが、層と層の間(面間)は、弱いファンデルワールス力で結合している。それゆえ層状にはがれる(へき開完全)。電子状態は、半金属的である。
グラファイトが剥がれて厚さが原子一個分しかない単一層となったものはグラフェンと呼ばれ、金属と半導体の両方の性質を持つことから現在研究が進んでいる。

別名

硬筆に使われることから石墨の和名を持ち、鉱物名として使われることが多い。
元素分析以前にはを含むと思われており、ラテン語で鉛を意味するplumbumに由来するplumbagoと呼ばれていた。このため、英語でblack lead、日本語でもこれを直訳し黒鉛とも呼ぶ。ただし、実際には鉛はまったく含まれていない。グラファイトという名は、それが判明したのち、plumbagoという名が不適切だとして提案されたものである。

構造

構造上α黒鉛とβ黒鉛が存在し、両者の違いは黒鉛層構造の重なり具合の違いである。通常見られる黒鉛は殆どがα黒鉛である。
常温常圧ではダイヤモンドより、このグラファイトの方が安定な(Phase)である。しかしながら、ダイヤモンドとの間には、乗り越えるべきエネルギー差が非常に大きいため、普通の状態ではダイヤモンドからグラファイトになる(構造相転移)ことはない。

用途

軽水には劣るが中性子を減速することができ、中性子の吸収も少ないので、世界最初の原子炉「シカゴ・パイル1号」で減速材として使用された。現在でも黒鉛炉の減速材として使用されている。

層間化合物

黒鉛層間の空隙に電子供与体あるいは電子受容体元素が侵入(インターカレーション)した層間化合物(そうかんかごうぶつ、intercalational compound)が知られており、これは成層化合物(せいそうかごうぶつ、lamellar compound)とも呼ばれる。
1926年に最初の層間化合物KC8が発見され、KC24KC36なども知られている。他には黒鉛と、アルカリ金属元素、Br2、金属酸化物、典型元素の酸化物や硫化物とから形成される層間化合物も知られている。
KC8は300℃で黒鉛にカリウム蒸気を作用させて製造し、外見はブロンズをしている。黒鉛に比してKC8の方が金属的性質が強く、これは還元試薬としても利用されている。
LiC6はリチウムイオン電池の負極として用いられている。

脚注

関連項目

参考文献

  • 荻野博 『典型元素の化合物』 岩波書店〈岩波講座現代化学への入門〉、2004年、ISBN 4-00-011041-1。
  • 松原聰 『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』 学習研究社、2003年、ISBN 4-05-402013-5。
  • 国立天文台編 『理科年表 平成19年』 丸善、2006年、ISBN 4-621-07763-5。

外部リンク

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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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