電通 [Dentsu] [被リンク数: 428]

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株式会社電通(でんつう、Dentsu Inc.)は、東京都港区東新橋、「汐留シオサイト」に本社を置く、日本の広告代理店代表取締役社長は高嶋達佳。会長は俣木盾夫。電通の最高顧問及び電通グループの会長は成田豊

概要

1901年光永星郎によって設立された「日本広告」を前身とする。1907年、やはり光永によって設立されたニュース通信社「日本電報通信社」と合併。1936年、国策によりニュース通信部門を同盟通信社に譲渡し、広告代理店専業となる。1947年吉田秀雄が第4代社長に就任し、広告取引システムの近代化に努めた。軍隊的な社則「鬼十則」を作るなど、電通発展の礎を築いた。1984年ロサンゼルスオリンピックよりスポーツイベントに本格参入。以降、スポーツイベントでの業務拡大が続く。2001年11月30日に株式を上場した。
広告代理店として単体では世界で最大(グループとしては5位)の売り上げ規模であり、連結売上高は2兆円を超える(2008年3月期決算による)。国内2位の博報堂の売上高の約2倍、3位のADKの売上高の約4倍と、名実ともに日本最大の広告代理店であり、「広告界のガリバー」の異名を持つ。その圧倒的なシェアゆえ、市場の寡占化が問題視され、2005年に公正取引委員会による広告業界についての調査がなされた。
しかし、海外展開は欧米の大手広告グループと比べると非常に弱く、海外での認知度も低い。その為に、近年は欧米の広告グループとの提携に力を入れており、2000年には、アメリカ合衆国の「レオ・バーネット」などと共に、広告会社グループ「bcom3」を結成。2002年以降は、レオ・バーネットを買収したフランスに本拠を置く世界有数の規模を持つ広告代理店「パブリシス」グループと資本提携関係にある。
1987年に制定された「CED」の5番目の社章は「Communications Excellence DENTSU -卓越したコミュニケーション活動を」を表しており、2002年12月まで使用された。現在使用されている「dentsu」の社章は2002年12月の汐留移転を機に制定された6代目である。

企業体質

  • 同社に勤める者(とくに営業担当者)は「電通マン」と呼ばれ、過酷な労働環境で知られ、高給取りだと思われている(そのほとんどは残業から発生しているので、単純に高給取りとは言えないが、業種に起因する交際費の多さからそう思われている)。
  • 婦女暴行で社会的問題になったイベントサークル「スーパーフリー」の出身者が入社していることで、一時期ネットで実名が流出する騒ぎがあった。また2008年には、子会社の電通テックの社員が婦女暴行容疑で逮捕されている。
  • 平成3年過労死自殺した社員の親族が「社員の安全配慮義務を怠った」として、電通を相手に損害賠償を請求する裁判を起こし、最高裁まで争い原告の主張を全面的に認める和解をしている(最高裁判決平成12年3月24日第二小法廷)。当時破格の億単位の賠償金が話題となった。
  • 財務状況は極めて秀逸で、社員が3年間働かなくても給料を払えるとまで言われる。しかし、それはあくまでも建前であって、近年のキャンペーンの失策などによる損失やネット普及による広告展開の縮小なども影響し、財務に関しては楽観視できない状況であるともいわれる。
  • 一般的な企業では、業務区分として××部という呼び方をするが、電通では××局という呼び方をするのが特徴である。
  • 第二次世界大戦前より「富士登山」が恒例行事とされる(「電通通信社史」による)。
  • 社員に政財界・芸能界等の有力者子弟が多いことから、就職活動の場では、コネ通と揶揄されている。
  • いわゆる「やらせ」が発覚した内閣府主催のタウンミーティングを2001年、2002年、2003年に請け負っていた。
  • 自民党の広報活動にかかわっていることでも有名である。
  • 報道におけるタブー#広告代理店タブーは企業としてのメディアの公正な行動を妨害しており、電通が直接関与する不祥事が起こってもメディアに取り上げられることはなく、公益にかなう社会的自浄作用が失われているという批判がある。
  • 2005年、公正取引委員会が調査を開始し、調査報告書において電通の広告業界における寡占化の進行の事実を指摘した上で「公平性、透明性の確保が必要」と結論づけた。(『増補版 電通の正体 マスコミ最大のタブー』)

鬼十則

4代目社長吉田秀雄により1951年につくられた、電通社員の行動規範。来日したGE社長に英文版を贈ったとも言われる。
  1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
  2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
  3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
  4. 難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
  5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
  6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
  7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
  8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
  9. 頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
  10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
英文版 「Dentsu’s 10 Working Guideline」
  1. Initiate projects on your own instead of waiting for work to be assigned.
  2. Take an active role in all your endeavors, not a passive one.
  3. Search for large and complex challenges.
  4. Welcome difficult assignments. Progress lies in accomplishing difficult work.
  5. Once you begin a task, complete it. Never give up.
  6. Lead and set an example for your fellow workers.
  7. Set goals for yourself to ensure constant sense of purpose.
  8. Move with confidence. It gives your work force and substance.
  9. At all times, challenge yourself to think creatively and find new solutions.
  10. When confrontation is necessary, don't shy away from it.Confrontation is often necessary to achieve progress.

責任三カ条

4代目社長吉田秀雄によりつくられた。現在は使われていない。
  1. 命令・復命・連絡・報告は、その結果を確認しその効果を把握するまではこれをなした者の責任である。その限度内に於ける責任は断じて回避出来ない。
  2. 一を聞いて十を知り、これを行う叡智と才能がないならば、一を聞いて一を完全に行う注意力と責任感を持たねばならぬ。一を聞いて十を誤る如き者は百害あって一利ない。正に組織活動の癌である。削除せらるべきである。
  3. 我々にとっては、形式的な責任論はもはや一片の価値もない。我々の仕事は突けば血を噴くのだ。我々はその日その日に生命をかけている。

戦略十訓

1970年代電通PRが以下の戦略十訓を提唱していた。この十訓は現在では使われなくなっている。 元のアイデアはヴァンス・パッカード著『浪費をつくり出す人々』(1960年)といわれる。
  1. もっと使わせろ
  2. 捨てさせろ
  3. 無駄使いさせろ
  4. 季節を忘れさせろ
  5. 贈り物をさせろ
  6. 組み合わせで買わせろ
  7. きっかけを投じろ
  8. 流行遅れにさせろ
  9. 気安く買わせろ
  10. 混乱をつくり出せ

営業所

電通の地域子会社

電通グループの主な企業

電通の出資比率が高い放送局

  • 東京放送[TBS](協力会社。もともと電通はTBSの創立母体の1つ)
  • テレビ西日本

電通出身の著名人

プロデュースに関わったプロジェクト・イベント

製作に関わっている映画作品

製作に関わっているアニメ・特撮作品

アニメ製作は従来アサツー ディ・ケイ読売広告社が強く、電通はあまり力を入れてこなかったが、21世紀に入り、パイオニアLDC(現ジェネオンエンタテインメント)を買収するなど積極的になってきている。

コピーライトに「電通」(またはdentsu)が表記されているもの

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コピーライトに表記されていないが関わっているもの

※上記のうち、ガンダムシリーズ4作品は、本来競合会社でもある創通エージェンシーとの相乗り状態であるためと考えられる(両社とも「制作協力」としてのクレジットで、共同制作社ではない)

過去にオンエアしたアニメ・特撮番組

関連書籍

  • 石井清司 『スポーツ・マフィア―電通の時代』 講談社、1989年、ISBN 4062047233
  • 植田正也 『電通「鬼十則」―広告の鬼・吉田秀雄からのメッセージ』 日新報道、2001年、ISBN 4817405023
  • 大下英治 『小説電通』 ぶんか社、2003年、ISBN 4821108372
  • 塩沢茂 『電通のイベント戦略―現代を仕掛ける頭脳集団』 PHP研究所、1984年、ISBN 4569514162
  • 田原総一朗 『電通』 朝日新聞社、1981年、ISBN 4022549092(文庫版:1984年、ISBN 4022602619)
  • 日向夏平、川手浩次 『電通』 世界文化社、1988年、ISBN 4418881034
  • 藤井剛彦 『電通の成功・失敗・弱点―1兆円企業になれた秘密と巨大ゆえの弱さと脆さ』 エール出版社、1989年、ISBN 475390928X
  • 舟越健之輔 『われ広告の鬼とならん―電通を世界企業にした男・吉田秀雄の生涯』 ポプラ社、2004年、ISBN 4591079082
  • 週刊金曜日2月11号増刊 『電通の正体 マスコミ最大のタブー』 金曜日、2005年、ISBN 4910229360259

関連項目

外部リンク

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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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