連邦準備制度(れんぽうじゅんびせいど、
Federal Reserve System,
FRS)は
アメリカ合衆国の
中央銀行で、ワシントンD.C.にある
連邦準備制度理事会 (Board of Governors of the Federal Reserve System または
Federal
Reserve
Board,
FRB) が全国の主要都市に散在する
連邦準備銀行 (Federal Reserve Banks, FRB) を統括する組織形態を特徴とする。英語では主に
the Fed と略称する。
日本での略称は FRS だが、実際には連邦準備制度と同理事会はあまり区別されずに両者とも FRB と呼ばれることが多い。また、連邦準備制度理事会の長 (Chairman of the Federal Reserve Board) は理事長ではなく
議長と呼ばれる。
2006年2月1日からは
ベン・バーナンキ議長。
歴史
1776年の建国以来、アメリカ合衆国には中央銀行はなく、
ニューヨーク、
シカゴなど全国12の連邦準備銀行がそれぞれ、民間銀行の預金準備と紙幣の発券などを行っていた。しかし、
1907年にロンドンでの米銀の
手形割引拒否に端を発する
恐慌が起き、アメリカ合衆国内の決済システムが混乱した。その対策として、
J.P.モルガンやポール・ウォーバーグ、
ジョン・ロックフェラーの後ろ盾の下に、
1913年に、
ウッドロー・ウィルソン大統領がオーウェン・グラス法に署名し、
同年多くの上院議員が休暇中の
12月23日に、
ワシントンD.C.に駐在する連邦準備制度理事会と12地区に分割された連邦準備銀行により構成される連邦準備制度が成立した。発足当時は政府の強い影響を受け、金融政策の独立性は保証されなかったとされるが、
ノーベル経済学賞受賞の経済学者
ミルトン・フリードマンをはじめとして、「
世界恐慌にまで発展した1920年代のアメリカの金融バブル崩壊に際して、連邦準備制度が明白な不作為によって事態を深刻化させた」と指摘している論者がいる。
第二次世界大戦後、
ブレトンウッズ体制がスタートし、FRBと
財務省が協定を締結し、金融政策の独自性を持つようになったとされる。
主要業務
組織
連邦準備制度理事会
連邦準備制度理事会 (Federal Reserve Board) は連邦準備制度の統括機関。中央銀行に相当。14年任期の理事7人によって構成され、理事の中から議長・副議長が4年の任期で任命される。議長・副議長・理事は
大統領が
上院の助言と同意に基づいて任命する。
金融政策の策定と実施を任務としており、また連邦準備制度の活動の最終責任を負う。
連邦公開市場委員会
連邦公開市場委員会 (
Federal
Open
Market
Committee,
FOMC) は、FRBが定期的に開く会合で、FRB理事7人と連邦準備銀行総裁5人(ニューヨーク連銀総裁と、持ち回りで選ばれる他地区連銀の総裁4人。それ以外の地区連銀総裁も議論には参加するが議決権はない)で構成されるアメリカの金融政策決定機関である。議長はFRB議長、副議長はニューヨーク連銀総裁が担当する。
FOMC定期的会合は年間8回開かれ、
フェデラル・ファンド金利の誘導目標、及び
公定歩合が決定されるが、市場の急変などでは臨時会議が開かれ、暫定的に公定歩合などが決定される(例:2000年末の株価大暴落時や、
エンロンショック、2007年8月17日の0.5%引き下げ等)。
連邦準備銀行
連邦準備銀行 (Federal Reserve Banks) は市中銀行の監督と規制など、公開市場操作以外の連邦準備制度の業務を行い、また
連邦準備券(
ドル紙幣)の発行を行う。
連邦銀行(連銀)と呼ばれることもある。以下の12地区に分割されている。
- 第1地区 ボストン連邦準備銀行
- 第2地区 ニューヨーク連邦準備銀行
- 第3地区 フィラデルフィア連邦準備銀行
- 第4地区 クリーブランド連邦準備銀行
- 第5地区 リッチモンド連邦準備銀行
- 第6地区 アトランタ連邦準備銀行
- 第7地区 シカゴ連邦準備銀行
- 第8地区 セントルイス連邦準備銀行
- 第9地区 ミネアポリス連邦準備銀行
- 第10地区 カンザスシティ連邦準備銀行
- 第11地区 ダラス連邦準備銀行
- 第12地区 サンフランシスコ連邦準備銀行
このうち第2地区のニューヨーク連邦準備銀行が全体の要となる。
連邦準備銀行の株主
各管轄の銀行は連邦準備銀行に出資する義務があるので「100%国際金融資本が所有」とする説は誤りである。
アメリカよりもヨーロッパの資本家の比率が高いとされる。正式には公的機関ではなく民間銀行である。アメリカの
電話帳では民間企業に分類されている。
アメリカの
退役軍人で政治記者、著述家のユースタス・マリンズ(Eustace Mullins)は、上記のような連邦準備制度設立の背景について、次のように主張している。
- 1895年から国際金融業者は欧州で戦争を欲していた。しかし、欧州の中央銀行は破産しかけていたので、戦費を捻出することが出来なかった。
- 無傷で資金を持っていたのがアメリカである。その資金を得る為に国際金融業者は、米国に中央銀行を設立しなければならなかった。
大統領に、議長・副議長・理事の任命権があるが、議長は任命後の任期4年間は罷免されることがない。大統領は、議長の任期満了時には、議長を再任するか罷免するかを決定することができる。
マリンズらは、1914年におけるニューヨーク連銀の株主であった金融機関は次の通りと主張している。
- ロスチャイルド銀行・ロンドン
- ロスチャイルド銀行・ベルリン
- ラザール・フレール・パリ
- イスラエル・モーゼス・シフ銀行・イタリア
- ウォーバーグ銀行・アムステルダム
- ウォーバーグ銀行・ハンブルク
- リーマン・ブラザーズ・ニューヨーク
- クーン・ローブ銀行・ニューヨーク
- ゴールドマン・サックス・ニューヨーク
- チェース・マンハッタン銀行・ニューヨーク
歴代議長
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1914年
8月10日 - 1916年8月9日 チャールズ・S・ハムリン(Charles S. Hamlin)
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1916年
8月10日 - 1922年8月9日 ウィリアム・P・G・ハーディング(William P. G. Harding)
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1923年
5月1日 - 1927年9月15日 ダニエル・R・クリシンジャー(Daniel R. Crissinger)
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1927年
10月4日 - 1930年8月31日 ロイ・A・ヤング(Roy A. Young)
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1930年
9月16日 - 1933年5月10日 ユージン・メイアー(Eugene Meyer)
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1933年
5月19日 - 1934年8月15日 ユージン・R・ブラック(Eugene R. Black)
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1934年
9月15日 - 1948年1月31日 マリネア・S・エクルズ(Marriner S. Eccles)
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1948年
4月15日 - 1951年3月31日 トマス・B・マッカーベ(Thomas B. McCabe)
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1951年
4月2日 - 1970年1月31日 ウィリアム・マチェスニー・マーティンJr.(William McChesney Martin, Jr.)
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1970年
2月1日 - 1978年1月31日 アーサー・F・バーンズ(Arthur F. Burns)
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1978年
3月8日 - 1979年8月6日 G・ウィリアム・ミラー(G. William Miller)
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1979年
8月6日 - 1987年8月11日 ポール・A・ボルカー(Paul A. Volcker)
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1987年
8月11日 - 2006年1月31日 アラン・グリーンスパン(Alan Greenspan)
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2006年
2月1日 - ベン・S・バーナンキ(Ben S. Bernanke)
参考文献
外部リンク
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