近畿日本鉄道株式会社(きんきにっぽんてつどう、
英称 Kintetsu Corporation)とは、
大阪府・
奈良県・
京都府・
三重県・
愛知県の2府3県にまたがる営業路線網を持つ
大手私鉄である。
JRグループを除く日本の
鉄道事業者(民営鉄道)の中では
最長の路線網を持つ。
一般的には略して
近鉄(きんてつ、
Kintetsu)と呼ばれている。かつては
近日(きんにち)と称した(略称・ロゴについても参照)。多数の企業を擁する
近鉄グループを抱え、様々な事業を行っている。
歴史
近畿日本鉄道の母体ともいえる
大阪電気軌道(大軌)は、1910年9月16日に
大阪と
奈良を結ぶ路線を敷設すべく奈良軌道として設立され、同年10月に大阪電気軌道へ改称した。そして
生駒トンネルを難工事の末に完成させ、1914年に最初の路線である上本町 - 奈良間を開業させた(現在の
近鉄奈良線)。
戦時中の
陸上交通事業調整法により周辺の鉄道会社と次々に合併し、さらに、大阪電気軌道は参宮急行電鉄・関西急行電鉄などと統合して、1940年に
関西急行鉄道(関急)へ再編され、1府4県に総延長437kmの路線を有する一大私鉄となった。1943年には現在の
近鉄南大阪線などを経営していて、既に関急の資本下におかれていた
大阪鉄道(大鉄)を合併し、この時点で現在の近畿日本鉄道の原型となる路線網が確立された。
1944年には国からの強い要請を受け、長い歴史を有する
南海鉄道(南海)と合併(双方が解散した上で新会社として設立)する形で今に至る
近畿日本鉄道(近鉄)が発足、資本金23,147万円、総延長約630kmの路線を有する日本最大の民営鉄道会社となった。この時点では上本町、名古屋、天王寺、難波の4営業局体制であった。
だが、こうして国からの要請に応える形で発足した近畿日本鉄道であるが、その天王寺営業局は元大阪鉄道の社員、難波営業局は元南海鉄道の社員をそのまま引き継いだような形となったため、いかにも無理矢理まとめたという印象が当初から強く、特に南海は歴史的にも社風が全く異なる会社を、強引に戦時体制の名でつないだようなものであり、戦後の労働運動の高まりとともに、難波営業局では分離運動が盛り上がった。なお大鉄は、昭和初期には既に大軌の傘下となっていて、大軌の路線との
直通運転もしていた。
その後、
奈良電気鉄道(奈良電)や
信貴生駒電鉄、三重電気鉄道(三重電・もともとは
三重交通の鉄道線を承継)などの合併により、1965年には現在の路線網がほぼ完成した。
太平洋戦争の終戦2年目に当たる1947年10月には、早くも上本町駅 - 近鉄名古屋駅間に有料
特急列車の運転を開始している。これは日本における有料特急列車の戦後初の復活であり、現在の
近鉄特急の元となった。
元伊勢電気鉄道・関西急行電鉄の路線により成立した名古屋線は軌間1,067mmの
狭軌であり、近畿日本鉄道の主流となる元大阪電気軌道・参宮急行電鉄によって建設された大阪線・山田線などといった路線群は軌間1,435mmの
標準軌であって線路幅が異なっていたため、名阪間の直通客は途中の
伊勢中川駅で乗り換えを強いられていた。この問題については、第2次世界大戦後に名古屋線の改軌が計画され、橋梁掛け替えに伴う線路移設などと併せて準備工事が徐々に進められていたが、1959年9月の
伊勢湾台風による被災を機に、当時の社長であった
佐伯勇の判断で改軌工事が復旧工事と同時進行で当初の計画を前倒しして実施されることになった。この復旧・改軌工事は、最も手間の掛かる枕木の交換作業などの準備が前もってかなりの規模で進められていて、かつ、架け替え工事が実施された揖斐・長良・木曽川の各橋梁がいずれも台風で致命的な被害を受けずに済んだ、という幸運も手伝って、被災からわずか2か月後の同年11月27日に名古屋線および鈴鹿線の工事が完了し、さらに同年12月には新造の10100系ビスタカーによる名阪間直通特急の運転が開始された。
1970年に大阪の千里丘陵で
日本万国博覧会(大阪万博)が開催されることになり、大阪万博来場者を
奈良や
伊勢志摩など沿線観光地へ誘致する計画を立て、孤立路線だった
志摩線の改良と
鳥羽線建設による直通化に取り組み、同年3月に完成させた。さらに同月には、
難波線も完成させ、1947年6月1日の南海分離以来となる悲願の
難波乗り入れを自力で果たした。
特急列車網も整備され、1958年には
2階建て車両付きの「
ビスタカー」、1988年には「
アーバンライナー」等といった、特色・個性あふれる車両を登場させている(その他の車両の登場年は年表参照)。
難波線は、2009年3月20日開業予定で難波まで延伸工事中の
阪神西大阪線(延伸開業時に阪神なんば線と改称)との相互乗り入れにより、
西宮・
神戸方面への直通が予定されている(当該路線の記事および他社線との直通運転も参照)。
年表
また、特急列車の歴史は
近鉄特急史を、各路線の歴史は各路線ごとの項目を参照のこと。公式サイトの
近鉄ストーリーも参照のこと。
路線網
総営業キロ程は、JRを除く日本の鉄道事業者中最長の508.2km(
第三種鉄道事業として施設を保有する伊賀線・養老線を含めると582.3km)におよび、続く2位463.3kmの路線網を擁する
東武鉄道、3位445.4kmの
名古屋鉄道とともに日本の大手私鉄
御三家に数えられる。
近畿日本鉄道の保有路線は、
線路の幅では
標準軌(1,435mm
軌間)と
狭軌(1,067mm軌間)、
特殊狭軌(762mm軌間)の3つに分けられる。しかし東武・名鉄・
西武のような離れ小島的な路線はない。
電化方式は基本的に1,500Vの
直流電化(
架空電車線方式)となっているが、特殊狭軌各線は
三重交通時代の流れを受け継いで750Vの架空電車線方式、けいはんな線は
大阪市営地下鉄と直通運転を行う関係で、750Vの
第三軌条方式となっている(ただし、けいはんな線に関しては、大阪市営地下鉄の大阪市外区間への延伸を
北大阪急行電鉄の例にならい、近鉄が担ったとみるべきものである)。
また、
関西・
中部エリアでは唯一、JR2社(JR西日本・JR東海)の在来線管内を直接結んでいる。
現有路線
標準軌 (1,435mm)
<
狭軌 (1,067mm)
特殊狭軌 (762mm)
ケーブルカー
ロープウェイ
-
葛城索道線(葛城山ロープウェイ) (葛城登山口駅 - 葛城山上駅)
(ただし、近畿日本鉄道では「鉄軌道事業」ではなく、「付帯事業」のうちの「その他の事業」に分類している)
廃線・譲渡・運営移管路線
近畿日本鉄道における廃止路線は、すべて他社を合併したことにより生まれた路線で、その廃止理由も既存路線と並行していることなどから、乗客・貨物が減少していたことによるものが大半である。なお、近畿日本鉄道の直系前身である大阪電気軌道(大軌)および関西急行鉄道(関急)時代に廃線になったものも含める。
-
長谷線(桜井駅 - 初瀬駅)- 1938年2月1日廃止
-
山上線(高安山駅 - 信貴山門駅) - 1944年1月7日休止、1957年3月21日廃止
- <!-- 田原本線(西田原本駅 - 桜井駅) - 1944年1月10日休止、1958年12月27日廃止
休廃線はいずれも前身となる
大和鉄道時代のものなので、とりあえずコメントアウト-->
南海電気鉄道への譲渡路線
路線切替区間
単なる高架化などは除く。
未成線
他社線との直通運転
現在実施しているもの
画像:Kyoto City 10 series EMU late type 002.JPG|京都市営地下鉄烏丸線・10系
画像:OsakaSubway20Series01.jpg|大阪市営地下鉄中央線・20系
将来実施予定のもの
画像:Hanshin-1000-kintetsuishikiri.JPG|近鉄との相互直通運転に使用される予定の阪神1000系
画像:Hanshin-9000-kintetsuishikiri.JPG|近鉄との相互直通運転に使用される予定の阪神9000系
画像:Kintetsu-1252-uozaki.JPG|阪神電鉄魚崎駅付近を走行する近鉄1252系
画像:Kintetsu-9020-hanshin-oishi.JPG|阪神電鉄大石駅付近を走行する近鉄9020系
過去の事例
-
名古屋鉄道 : 名鉄各線と近鉄名古屋線系統各線
-
京阪電気鉄道 : 京阪本線・宇治線と近鉄京都線
- 京都線は戦前、京阪と近鉄の前身である大軌が共同出資した奈良電気鉄道の運営であった。戦前は大軌との間でしか直通運転が実施されていなかったが、戦時中に京都における空襲対策の一環として、お互いのターミナル駅を相互に使えるようにすることが掲げられたため、奈良電線堀内駅(後に近鉄丹波橋駅として復活)と京阪線丹波橋駅を後者に統合する工事が実施され、終戦直後の1945年12月に完成し、当時京阪を統合していた京阪神急行(後に京阪が再分離)・奈良電・近鉄3社間での直通運転が開始された。1963年に奈良電が近鉄へ統合された後も、しばらく直通運転は継続され、1968年12月に廃止された。その理由は、丹波橋駅での線路容量不足と、近鉄京都線を京阪本線に先駆けて600Vから1,500Vに昇圧し、大型車投入も実施する予定があったためである。奈良電気鉄道#京阪電気鉄道との直通運転も参照のこと。
-
大阪港トランスポートシステム : テクノポート線と近鉄東大阪線(当時)
<
列車種別
]]
近鉄の路線には各駅に停車する
普通のほかに、速達を目的とした
列車種別が設定されている。
特急
特急は近鉄の列車種別のうちで一番の優等列車である。近鉄の看板列車であり、特に
近鉄特急と呼称される。特急は全車
座席指定席であり、利用には運賃とは別に特急料金が必要である。近鉄の特急料金には指定席の料金が含まれる。特急料金は
特別急行券の購入によって支払う。
近鉄の特急は走行路線・停車駅区別のための
列車愛称を持たない。よって例えば、
名古屋 -
大阪間を途中
ノンストップで運行する特急は「名阪ノンストップ特急」と系統の通称で呼ばれる。
特急以外の優等列車
詳しくは、各種別および各路線の記事を参照のこと。
近鉄は特急料金の必要な列車のほかに、運賃のみで利用可能な優等列車を以下の幹線に設定している。
設定される列車種別は次のとおりである。
なお、上記列車種別のほかに
鮮魚列車が上本町駅 - 宇治山田駅間に設定されているが、この列車は
魚介類行商人のための
団体専用列車であり、一般客の利用はできない。
列車種別の表示
通過標識灯の点灯パターンは以下のとおりである。
通過標識灯と種別表示器の例として、快速急行、区間快速、急行、区間準急、普通の写真を示す。
画像:Kintetsu1233Series01.jpg|快速急行
画像:Kintetsu1420Series01.jpg|区間快速
画像:Kintetsu1430Series01.jpg|急行
画像:Kintetsu1020Series01.jpg|区間準急
画像:Kintetsu1620Series01.jpg|普通
<
車両
)]]
近鉄の車両形式は、保有路線の多さや規格の相違などの理由により、多種多様に及ぶ。詳しくは
近畿日本鉄道の車両形式を参照のこと。
車両基地
検車区・車庫
-
東花園検車区
-
東花園車庫(奈良線)
-
東生駒車庫(けいはんな線)
-
登美ヶ丘車庫(けいはんな線)
-
西大寺検車区(奈良線、橿原線、京都線)
-
高安検車区(大阪線)
- 名張検車区(大阪線)
-
富吉検車区(名古屋線)
- 米野検車区(名古屋線)
-
白塚検車区(名古屋線)
-
明星検車区(大阪線、名古屋線、山田線、鳥羽線、志摩線)
-
古市検車区(南大阪線、吉野線)
検修車庫・検修センター
乗務員区所
列車区
- 東花園列車区(奈良線)
- 東生駒列車区(けいはんな線)
- 西大寺列車区(奈良線、橿原線、京都線、生駒線、田原本線、天理線)
- 新田辺列車区(奈良線〔西大寺 - 奈良のみ〕、橿原線、京都線、天理線)
- 高安列車区(大阪線〔名張以西・特急は伊勢中川以西〕、名古屋線〔乙特急で津以南と名阪甲特急車掌業務のみ〕、信貴線)
- 名張列車区(大阪線、山田線、名古屋線〔乙特急で津以南のみ〕)
- 明星列車区(大阪線〔名張以東・特急は八木以東〕、名古屋線〔白塚以南〕、山田線、鳥羽線、志摩線)
- 富吉列車区(名古屋線、山田線、鳥羽線、大阪線〔名阪甲特急車掌業務のみ〕)
- 塩浜列車区(名古屋線、山田線、鳥羽線、湯の山線、鈴鹿線)
- 白塚列車区(名古屋線、山田線、鳥羽線、大阪線〔乙特急で名張以東のみ〕)
- 古市列車区(南大阪線、吉野線、道明寺線、長野線、御所線)
- 六田列車区(南大阪線、吉野線、長野線、御所線)
駅管区
近鉄では駅業務を近鉄ステーションサービスに委託していた時代、業務円滑化・採算性向上のため全線を8管区に分割し管区支配人制を導入した。その後、近鉄ステーションサービスが近鉄に合併されてからも管区支配人制度は続けられており、現在では各輸送統括部担当課と駅長との間に位置するポストとされている。また、管区支配人は駅長と兼務している為、管区支配人を兼務している駅長駅には副駅長が配置されている。管轄は以下の通り。
- 大阪北管区(支配人は上本町駅長が兼務)
- 近鉄難波-石切間
- 布施-大阪教育大前間
- 河内山本-高安山間
- 大阪南管区(支配人は大阪阿部野橋駅長が兼務)
- 大阪阿部野橋-浮孔間
- 柏原-道明寺間
- 古市-河内長野間
- 尺土-近鉄御所間
- 京都管区(支配人は京都駅長が兼務)
- 奈良北管区(支配人は大和西大寺駅長が兼務)
- 生駒-近鉄奈良間
- 高の原-笠縫間
- 生駒-王寺間
- 西田原本-新王寺間
- 長田-学研奈良登美ヶ丘間
- 奈良南管区(支配人は橿原神宮前駅長が兼務)
- 関屋-西青山間
- 新ノ口-橿原神宮前間
- 坊城-吉野間
- 分離独立前の伊賀線(現・伊賀鉄道)も管内であった。
- 名古屋管区(支配人は近鉄名古屋駅長が兼務)
- 三重北管区(支配人は近鉄四日市駅長が兼務)
- 川原町-桃園間
- 近鉄四日市-湯の山温泉間
- 近鉄四日市-内部間
- 日永-西日野間
- 伊勢若松-平田町間
- 三重南管区(支配人は宇治山田駅長が兼務)
運賃
大人普通旅客運賃(小児半額・10円未満切り上げ)。2007年10月1日現在。
吉野線、志摩線、湯の山線、内部線、八王子線の各線内またはこれらの路線と他の路線にまたがる区間の場合は、これらの路線の乗車キロ数の合計に応じて下表の金額を加算する。
伊勢市 - 宇治山田間を通って鳥羽線にまたがる区間の場合は、鳥羽線内の乗車キロ数に応じて下表の金額を加算する(鳥羽線内だけまたは鳥羽線の駅 - 志摩線の駅間だけを乗車する場合は下表の金額を加算しない)。
けいはんな線内または同線と他の路線をまたがる区間の場合は、けいはんな線内の乗車キロに応じて下表の金額を加算する。
鋼索線普通運賃
- 生駒鋼索線
- 宝山寺線(鳥居前 - 宝山寺)のみ 280円
- 山上線(宝山寺 - 生駒山上)のみ 280円
- 宝山寺線・山上線をまたがる場合 350円
- 西信貴鋼索線 540円
運賃計算の特例
運賃は、乗車経路通りキロ程を計算し算出するのが原則であるが、近鉄には以下のような特例が存在する。
- 定期券・回数券・普通乗車券に適用
- 田原本と西田原本間、王寺と新王寺間を徒歩連絡で乗車する場合は、キロ程を通算して運賃を算出する。
- 例:大和八木-箸尾間を「大和八木-田原本(徒歩連絡)西田原本-箸尾」と乗車する場合
- 定期券のみ適用
- 安堂と柏原南口間、堅下と柏原間を徒歩連絡で乗車する場合は、キロ程を通算して運賃を算出する。
- 例:五位堂-道明寺間を「五位堂-安堂(徒歩連絡)柏原南口-道明寺」と乗車する場合
- 鶴橋と大阪阿部野橋(天王寺)間をJR(大阪環状線)をはさみ前後で近鉄線を利用する場合、近鉄線のキロ程を通算することができる。定期運賃は、先のキロ程を通算して算出した近鉄運賃に、JR運賃を合算した額となる。
- 例:河内小阪-河内天美間を「河内小阪-鶴橋(JR:大阪環状線)天王寺(徒歩連絡)大阪阿部野橋-河内天美」と乗車する場合
- 奈良線河内永和以東と大阪線俊徳道以東の各駅を布施を通過する列車を利用し、鶴橋または上本町で折り返す場合、発駅-鶴橋もしくは上本町-着駅のキロ程を通算することができる。
- 例:奈良線生駒駅-大阪線弥刀駅間を「生駒-(快速急行)-鶴橋-(普通)-弥刀」と乗車する場合、本来であれば生駒-鶴橋(布施)と布施(鶴橋)-弥刀という2枚の定期券が必要であるが、上記特例により生駒-鶴橋・鶴橋-弥刀間のキロ程を通算して算出した運賃で定期券を購入できる。この場合、定期券の発着駅名は「生駒-弥刀」で経由地に「鶴橋」と記載される。また、布施-鶴橋間での途中下車も可能
- 回数券・普通乗車券のみ適用
- 布施 - (奈良線) - 大和西大寺 - (橿原線) - 大和八木 - (大阪線) - 布施間の環状経路の一部を通る場合は、遠回りの経路でも乗車でき、指定がなければ最短経路で運賃が計算される。
- 例:桜井-石切間を乗車する場合、大和西大寺を経由しても布施を経由しても最短経路の大和西大寺経由で計算した運賃で乗車できる。ただし、田原本線・生駒線を経由する「桜井-大和八木-田原本(徒歩)西田原本-新王寺(徒歩)王寺-生駒-石切」という経路の乗車は選択できない。
途中下車制度
現在の近鉄には定期券と生駒鋼索線(
宝山寺駅でのみ可能)のみ途中下車制度が存在するが、
2001年2月までは鉄道線でも途中下車指定駅(上本町・布施・生駒・大和西大寺・田原本・大和八木・橿原神宮前・伊勢中川・近鉄四日市・桑名)や長距離乗車券(制度廃止時点では片道運賃が1400円を超える区間の乗車券)で途中下車が可能であった。上本町・布施・生駒・大和西大寺・大和八木・近鉄四日市は近鉄百貨店利用者などに好評だったが、
スルッとKANSAI導入に伴い廃止された。なお長距離乗車券は当時は有効期間が片道2日であったが、途中下車制度廃止時に1日に統一されている。
乗車カード・主な企画乗車券
以下の各項目を参照。
このほかに
天理教信者の参拝向けに販売する普通割引切符がある。天理教教会及び天理教本部限定販売である。
駅設備
自動改札
自動改札の導入開始はきわめて早く、現在主流の磁気乗車券方式のものは1969年に試験導入が始まっており、これが本格実用化のきっかけとなった。その後1971年4月より、
大阪阿部野橋駅など19の駅で
サイバネ規格対応の自動改札機の本格導入が開始された。また、それ以前にも光学読み取り式自動改札の試験が大阪阿部野橋駅(他に
東京急行電鉄東横線の
元住吉駅)で行われている。
しかしながら、近鉄には奈良や三重を中心にローカル駅や無人駅が多いという実情から、40年近く経った2008年現在でも全線全駅での自動改札の導入は行われていない。また
スルッとKANSAIの導入も遅れ、結局は青山町以西の一部支線を除いたエリアでの導入となっている。さらに、東海エリアの駅に関してはつい最近まで主要駅を除いて自動改札が存在していなかったが、2007年4月の
ICカード「
PiTaPa」導入を機にこれらの駅の大半でも自動改札の導入が実施され、これらの駅では2枚対応改札(赤い改札)が導入された。またICカードに限れば、すべての特急停車駅と、
志摩線中之郷駅以北の一部支線を除く全駅で利用が可能となった。
ICカードの対応
ICカードを用いた乗降(改札通過処理)については前述の通りだが、精算や
チャージについてはすべての駅では対応しておらず、都市近郊の駅でも一部の駅でこれらの処理ができず、閑散区間に至っては主に主要駅でしか扱っていない。そのため、十分な残額が無いままで無人駅などへ乗車した場合、その駅での降車ができないケースがある。
精算機についてはPiTaPa導入開始以降、都心部や近郊区間の駅を中心にICカード対応のタイプへの置き換えが進んでおり、この機械ではICカードの精算やチャージが可能となっている。チャージに関してはこのほかにも、改札内のICカードチャージ機、改札外のICカード対応切符券売機で対応している。なお志摩線中之郷駅以南の利用可能駅では入出場から精算・チャージまですべて窓口対応のみとなっている。
列車発着案内機器
ホームに設置されているタイプに関しては2008年秋現在も
ソラリー(パタパタ)式が主流である。しかし一部の主要駅では
LCDや
LEDタイプのものに交換され、さらに奈良線系統においては2009年3月の阪神なんば線開通を控え、主に表示する情報量が格段に増えることなどから液晶テレビ式のものへの交換が急ピッチで進んでいる。なお都心部やその近郊区間での下位種別しか停車しない駅などではほとんどが列車の通過到着を知らせるだけのLED一段タイプのものであるほか、閑散区間の駅や支線の駅に至っては全く設置されていない場合がほとんどである。このほか、生駒ケーブルでは昔ながらの行灯式が現在でも使用されている。
また、近鉄特有のものとして、主にターミナル駅のホーム階段付近やコンコース、改札などに設置されている各方面別の発車案内を表示する"テレビ"が存在する。早い所では1970年代から設置されていたもので、長らくブラウン管タイプが使用されていたが最近になって大半が液晶式に交換されている。
バリアフリー対応
バリアフリー対応のため、特急停車駅など主要駅、都心部や近郊区間の駅ではエレベーターやエスカレーター、スロープ、障害者対応トイレなどの設置が逐次進められている。しかし前述の通り所有駅数が多いという実情から、閑散駅ではなかなか対応が進まないのが現状である。
トイレの設置
大半の駅で設置されている。水洗式や障害者対応トイレの整備が進められている一方で、利用者が比較的多いにも関わらず未だに汲み取り方式を採用している駅が多数残存する。また閑散区間の駅(主に三重県内)に至っては、駅員配置駅だったものが無人駅化される際に清掃・維持費用の観点からトイレそのものを撤去したケースも複数存在する。
トイレットペーパーの設置に関しては関西エリアと東海エリアで対応が異なっており、関西エリアでは紙の備え付けはせず、別途入口付近の自販機で購入する方式を採っているが、東海エリアではローカル駅においてもロール式が備え付けられている。
特急券・定期券の販売
特急停車駅においては
特急券は何らかの形(有人窓口、自動券売機など)で常時発売されている。これらの駅では定期券も発売されている場合が多いが、観光地の駅や山間部の駅等では必ずしもその限りでは無い。また本線格の路線においては優等種別の停車駅や特に利用客の多い駅、学生利用の多い駅等に有人の定期券・特急券発売窓口を設置している。また
定期券についてはローカル駅などで事前予約による販売のみを行なう駅も存在する。
最近では「定期券・特急券自動発売機」の設置が進められている。この機械の導入により、これまでの有人窓口と比べて販売時間が大幅に拡大した(基本的に早朝から深夜まで購入可能)ものの、新規の通学定期券やバス連絡定期券、各種割引きっぷが買えなくなるデメリットも発生している。特急停車駅ではない駅の中にはこの機械の設置に替えて有人窓口の営業時間を大幅縮小、または廃止、臨時営業とする駅も出てきている(機械の代替設置を行わず、特急券・定期券類が完全に買えなくなった駅も存在する)。また、2008年10月には自動発売機の整備と有人窓口の廃止縮小を軸とした販売窓口の一斉整理が全線で行われている。
構内店舗・売店
大半の特急停車駅やある程度の乗降客がある駅にはコンコース・ホーム上などに駅売店「Pocket Plat」を、ターミナル駅等にはコンビニタイプの売店「K Plat」が営業している。かつては「365」というブランドで展開しており、現在でも一部の駅の自動販売機コーナーなどにその名残がある。また最近ではターミナル駅での
エキナカ事業の拡充に取り組んでおり、大和西大寺駅や京都駅、近鉄難波駅等では様々な業種の店舗が立ち並ぶようになっている。しかしその一方では乗降客の減少した駅での店舗廃止も進めている。
テレビモニター
奈良県内では近鉄グループのケーブルテレビ局、「
近鉄ケーブルネットワーク(KCN)」がケーブルテレビ・インターネット事業を行っており、それの宣伝を兼ねる目的で、奈良県内の主要駅やスタジオにもっとも近い東生駒駅には多数のテレビを壁状に配置し、様々なチャンネルを同時に視聴できるようにしたテレビモニターが設置されている。基本的に音は出ないが、大和西大寺駅などに設置されているものは中央に大型のハイビジョンテレビが据えられ(主に
NHK奈良総合が放映されている)、これのみスピーカーから音声が発信されている。特徴的な設置物であるがゆえに待ち合わせに利用されるケースも見受けられる。
その他
奈良県・三重県における近鉄
近鉄が多く路線を保有する
奈良県および
三重県においては、近鉄は
JRよりはるかに運転速度・規格・本数などで勝っている面が多い。また同県のある地区に、JRと近鉄の2社の代表駅がそれぞれ別の場所に設けられている場合、JRの駅前はさびれているのに対して、近鉄の駅前は賑やかというのが一般的である(
四日市駅と
近鉄四日市駅、
畝傍駅と
大和八木駅、
奈良駅と
近鉄奈良駅など)。旧
国鉄の時代から国有鉄道の意義が低く、近鉄の意義が高かったからである。
これは、同地区の国鉄線を建設したのが元々
関西鉄道・
参宮鉄道などといった私鉄であり、
鉄道国有法に基いてそれを国有化した後は一地方路線扱いとしてほとんど投資がなされなかったため、国鉄時代には近鉄と並行する
関西本線・
奈良線などは都市近郊路線にもかかわらず、
非電化・
単線の時代が長く続いているといった状況となったからである。これに対して、近鉄の元となる
大阪電気軌道・参宮急行電鉄は、始めから高規格の高速運転を行う路線として主要路線を建設し、さらに買収路線(
伊勢電気鉄道を買収した
名古屋線、
奈良電気鉄道を買収した
京都線など)を含めて複線化・線形改良等を何度も行い、速達列車を多く設定したため、輸送において国鉄よりはるかに優位に立つことができた。
そのため、奈良県・三重県において
近鉄グループは
鉄道・
バスなどの交通面において強い影響力を持ち、現在の両県は近鉄なしでは語れない状況にあるといえる。一例として、古くから皇室関係の奈良・三重方面への移動には京都・近鉄名古屋から近鉄を利用する事が多く、この事から
お召し列車の運行実績も他私鉄に比べ豊富である。また毎年1月4日の
内閣総理大臣の
伊勢神宮参拝に関しても慣例的に近鉄特急が利用される。
また交通面以外でも
南都銀行、
奈良テレビ、柿の葉寿司本舗たなかなどのように近鉄色の強い企業も非常に多い。
その一方で、近鉄は大軌子会社の参急発足のころから、それまでの関西私鉄の多くが対抗意識から国鉄の駅との連絡に消極的であったのに対し、積極的な連絡を図ろうとした。その名残で特に三重県には、
津駅・
松阪駅・
伊勢市駅などといったように、JRと近鉄が同じ構内を共同で管理する駅が多く存在する。さらに名古屋線などの前身である伊勢電気鉄道、南大阪線などの前身である
大阪鉄道、吉野線の前身である吉野鉄道などといった会社も、元は「国鉄と貨物の連携輸送を行うこと」を目的に設立されたことから、それらの会社が建設した路線にも
桑名駅や
柏原駅・
吉野口駅など、国鉄駅への乗り入れを図る駅がいくつか存在している。一方で近年は
桜井駅や
京都駅のようにJRと改札が分離された事例もある。また前述したとおり、スルッとKANSAIの導入には最初は消極的であったり、またJR西日本専用の「Jスルーカード」が近鉄線でも利用可能になっている。
ストライキ
小田急電鉄・
京浜急行電鉄・
西武鉄道などと同様に、原則
労働組合は列車運行の
ストライキを行わない方針を採っている(集改札ストライキはあり)。
1980年代後半当時の
テレビニュースやストライキ情報では、ストライキを予定していた近鉄が集改札ストに変更すると「戦術ダウン」と報道されることもあった。ただし、名阪ノンストップ特急の利用者が低迷した時代は、それに関してのみ例外として運休とされていたことがあった。
略称・ロゴについて
- 近畿日本鉄道が発足した直後は「近鉄」と呼ばず「近畿日本」や「近日」と称し、社名を冠した駅名も1944年6月の発足後1970年2月までは「近鉄○○」でなく「近畿日本○○」となっていた(1970年3月以降に開設された近鉄難波駅、近鉄日本橋駅、近鉄宮津駅を除く。近鉄丹波橋駅も、1968年12月から1970年2月までの短期間ながら「近畿日本丹波橋駅」と名乗っていた)。これは、元々滋賀県の近江鉄道が「近鉄」(おうてつ)の略称を使用していたため、誤解を防ぐ観点から使用しにくかったからではないかといわれている。しかし「近鉄」の愛称が早くから使われるようになったためか、1948年には「近畿日本鉄道百貨店」を「近鉄百貨店」と改称し、1949年に発足した近畿日本鉄道出資の球団は「近鉄パールズ」を名乗った。なお傍系の旅行会社近畿日本ツーリストには、「近畿日本」の名が残っている。また、近畿ニッポンレンタカーという会社もグループに存在する。
- 近鉄本社(当時は大阪阿部野橋駅)や近鉄百貨店などに書かれていた「近鉄」の文字は、1967年3月まで「鉄」を「金」編に「失」でなく「矢」にした物(鉃、元は「鏃」を表す字)にしていた。「金を失う」が「金が矢のように集まる」になるという縁起担ぎが理由であったが、後にその看板を見た小学生が「鉄」の字を間違って覚えてしまうと沿線住民などから指摘され、正式な表記に直している。またほぼ同時期に本社を再度上本町に戻している。なお、現在のJR四国を除いたJR各社も同じような理由により、ロゴでは「鉄」の字を「鉃」にしている。
- 英文社名は以前は“Kinki Nippon Railway Co., Ltd.”であったが、2003年6月28日から“Kintetsu Corporation”に変更している。また同時期に略称の「近鉄」ロゴのデザインが変わったほか、正式社名用の書体デザインも登場している。
旧国名・会社略称を冠した駅名の扱い
国鉄との
連絡運輸や近傍の他事業者の駅との区別のために、
旧国名や会社名(「近鉄」、前述のとおり
1970年以前は「近畿日本」)を冠称とした駅名が複数存在するが、
伊賀神戸駅や
伊勢若松駅などごく一部の例外を除いて長らく
路線図や
方向板・
方向幕・
案内放送では一切省略されてきた(ただし、南大阪線・吉野線などの旧・天王寺営業局管内の駅の旧国名については、路線図では記載されていた。
河内松原駅・
大和上市駅など)。これについて、路線図は
2004年3月以降、旧国名や会社名を含む正式な駅名に変更され、続いて案内放送などは2004年
6月1日以降、河内長野・伊賀神戸・伊賀上野を除き以下のように変更された。
- 案内放送 … 旧国名のみ冠して放送する。ただし、2度繰り返す場合は、2度目の旧国名は省略できる。会社名は省略して放送する。
- 例「次は、大和西大寺、西大寺です。」「次は、河内長野、河内長野です。」
- 方向幕 … 旧国名のみ小さく表記したものに順次置き換わっているが、旧来の省略したままのものも多く見られる。会社名は省略する。
- 例「普通|大和西大寺」「準急|河内長野」「快速急行|難波」
- 駅名標、運賃表 … 旧国名、会社名とも小さく表記する。
なお、大阪阿部野橋の「大阪」についても、旧国名と同様の扱いとなっている。
「近鉄時刻表」の行先表示欄の駅名は、省略された従来の表記のままである(2008年版現在)。
名古屋鉄道との関係
名古屋鉄道(名鉄)とは、一時期激しく対立したことがあった。戦前では、伊勢電を巡る争いが最も大きなものであったが、戦後では
石川県における
北陸鉄道支援を名鉄が行った際に、近鉄では北陸鉄道に対抗するバス路線の敷設を目論んで北陸日本交通という会社を設立しようとしたり(これは後に、同社を合併して近鉄の子会社化した北日本観光自動車のバス路線網拡大へ方針転換するが、国の方針で却下)、近鉄が大垣から岐阜・羽島への新線敷設を計画した(
養老鉄道養老線を参照)のに対抗して、名鉄が岐阜から養老・羽島に至る
モノレール建設を発表(後に
羽島線の建設へ変更した)したという事例がある。伊勢湾にフェリー航路を新設するに当たっては、営業免許を巡って両社共激しく競合したが(当時の新聞紙上では「伊勢湾海戦」と揶揄された)、これも国の仲裁により、
伊勢湾フェリーが両社折半で設立された。これらの対立が解消して協力関係に入ったのは、
1980年代のことだった。
プロ野球球団
近鉄のプロ野球事業は、公式には1949年結成の「近鉄パールス(後の近鉄バファローズ→
大阪近鉄バファローズ、現:
オリックス・バファローズ)」からとされているが、既述のとおり1944年の発足から1947年までは旧・南海鉄道を合併していたため、南海軍(1938年発足)を改めた「近畿日本軍」が近鉄の球団経営史の嚆矢となる。戦後、近畿日本軍は社章「大いなる和」にちなみ「グレートリング」と改称。南海分離発足後、同球団は南海の社章「羽車」にちなみ、「南海ホークス(現:
福岡ソフトバンクホークス)」と改称した。現行の野球協約上同一会社で複数の球団は持てないので、近鉄と南海が分離しなかったら、パールズは誕生できなかった。しかしグレートリングを所有したことが、後にパールズを発足させるきっかけになった。
乗務員と運転業務
- 近鉄全線では、乗務員同士の停車駅確認合図を義務付けており、原則として場内信号機・出発信号機(ただし、進行現示が定位の駅を除く)がない駅の停車時に、車掌が運転士に対して電鈴1打の合図を送り(南大阪線系統ではその後「各停」「停車」「ブレーキ」いずれかを通告)、それを聞いた運転士は、運転台正面の座に設置されている運転士支援システムを指差し確認し(運転士によっては指差し喚呼)、車掌に対し無線で「○○停車」と伝え、停車する。なお、駅によっては無線で伝えた後、電鈴1打の合図を車掌に対して行う。近鉄奈良線においては近鉄日本橋、上本町、鶴橋、布施、石切、生駒、学園前、大和西大寺の各駅で行う。
- 優等列車の通過待ちの時、待避する列車の乗務員は必ずホームに立ち列車監視を行う。その時運転士はブレーキハンドルを常用ブレーキ最大位置にセットし、リバースハンドル(主幹制御器に取り付ける前進・後進の切り替えハンドル)を所持してホームに立つ。なお、固定式ツーハンドル列車の場合、リバースハンドルの代わりにマスコンキー(固定式ハンドルを動かすために使う鍵)を所持する。
- 近鉄では、電車の駅進入時に運転士と駅員との敬礼を行わない。ただし、運転士と運転士、車掌と車掌、車掌と駅員、運転士と車掌の間ではそれぞれ行う。
- 乗客の乗降終了後、閉扉時には運転士も窓から後方を確認する。必要に応じ車掌に電鈴1打で合図を送る。乗降扉が右側の場合であっても、運転士は運転席を離れ、窓から顔を出し後方を確認する。
-
終着駅到着後、車掌が降車側の扉を開ける。その後運転士は車掌スイッチの切り換えを行い、車掌に対して電鈴2打で合図を送る。合図を受けた車掌は車掌スイッチが作動しないことを確認した後、電鈴2打で合図を送る。そして降車側扉は全乗客が降りた後運転士によって閉扉され、その運転士によって乗車側の扉が開けられる。
- 赤信号で電車が停止する際、大方の鉄道事業者では車内放送で「信号待ちです。しばらくお待ちください。」と放送するが、近鉄では「停止信号です。しばらくお待ちください。」と放送する。
- 列車の案内放送は基本的に「行き先・種別」の順である。また、普通列車は大阪輸送統括部管内のみ「各駅停車」と案内される。
- 難波行き、上本町行きの場合は大阪輸送統括部の管轄路線では「大阪」の冠名を用いることはほとんどないが、名古屋輸送統括部(大阪線の西青山以東)は「大阪」を強調する意味で用いられている。阿部野橋行きは、正式駅名が「大阪阿部野橋」のため、すべての場合において「大阪阿部野橋行き」と案内される。なお、近鉄難波、上本町については2009年3月20日の阪神なんば線開通に伴い、正式駅名がそれぞれ「大阪難波」「大阪上本町」に変更される事が決定している。
- 終着駅(折り返し駅含む)に着く際は「終点」ではなく「この電車はこの駅まで」とアナウンスされる。
- 運転士は乗務の際にブレーキハンドルとリバースハンドルを入れた「ハンドル袋」を必ず携行する。これは、ダイヤの一部に多層建て列車があるためで、例えば2+2+4の8両組成だと、3ユニットとなるので、ハンドル袋を3つ携行する。特に大阪線では、名古屋運輸統括部まで長距離乗務を行うため必ず携行する。
- 列車の運転取りやめは「運休」ではなく、「取り消し」と称する。
- GPSを使用した列車位置検知システムを2008年3月17日より採用した。これはJR貨物に次いで2例目である。
- 担当乗務員以外の係員(列車区助役・運輸係員・保線作業員など)が乗務員室に入る場合、必ず「立入証」と書かれた腕章を着用する。なお、駅助役が添乗する場合のみ、職帽で判別出来るため「立入証」の携帯は省略される。
ダイヤ
- JRを除く関西の私鉄ではダイヤ改正(変更)の頻度が高い部類で、毎年3月に規模の大小関係なしにダイヤ改正が実施される(時刻表も同時期に刊行される)。なお、近鉄では「ダイヤ改正」ではなく「ダイヤ変更」という言い方を使用しているが、2007年3月に実施したものには「ダイヤ改正」という言葉を用いた。同年7月に伊賀線が再度ダイヤを変えた時から従来どおり「ダイヤ変更」となった。
- 大晦日から正月にかけて毎年終夜運転(越年ダイヤ)が実施される。特に大阪線や名古屋線に関しては宇治山田駅(一部五十鈴川駅・鳥羽駅・賢島駅)発着の特急が大幅に増発される。また、南大阪線に関しても大阪阿部野橋 - 橿原神宮前駅間の特急が大幅に増発される。これらを総じて「越年特急」とPRしていることが多い。特急の本数が圧倒的に多くなるために、通常ダイヤでは停車しない駅(桜井駅、古市駅など)でも特別停車を行う。
ワンマン運転
- 近鉄は近畿・東海地方に広大な路線を保有しているが、その中には不採算路線も保有している。このため、大手私鉄の中では比較的早くからワンマン運転を行って経費削減を図ってきた。1990年代ごろから長期不況による乗客の減少が目立ち、支線のほとんどがワンマン化されたほか、南大阪線や山田線のような幹線でも、普通列車に関しては輸送量が少なく2両編成の列車も多いため、ワンマン運転が行われつつある。このような現象は近鉄に限らず、近年の大手私鉄や神戸電鉄といった大都市近郊の私鉄にも共通して見られるものである。特に採算性の厳しい路線(伊賀線や養老線)においては、上下分離方式(経営は子会社=伊賀鉄道・養老鉄道、施設は近鉄)の形式を採っている。
- ワンマン運転を行う路線のうち、名古屋線 - 山田線 - 鳥羽線 - 志摩線の系統のみは、無人駅においてドアカット(1両目後乗り・前降り)を実施した上で、運転士が運賃精算を行う(駅員配置駅のみすべてのドアが開く)。それ以外の路線では、無人駅においてもすべてのドアを開けており、運転士は運賃精算等に一切関知しない(完全に利用者の良心に任せる姿勢である)。
イベント
業務提携ほか
近鉄に関連する人物
近鉄に関連する企業
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近畿車輛 - 戦後一時期を除き、すべての近鉄車両を納入。かつては、自動券売機・自動精算機・データ集計機も納入していた。
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日立製作所 - すべての幹線で使用する車両の制御装置を納入。
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三菱電機 - 特急用や大阪・名古屋線系を中心に標準軌線で使用する車両の制御装置や主電動機を納入。
- 三菱グループ - 近鉄では三菱東京UFJ銀行がメーンバンクであることや(旧三菱銀行からの流れ)、三菱電機製の電装品が使われていたり、近畿車輛と三菱重工業が技術提携しているなど幅広く関係している。
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東芝 - 特急券券売機(過去には定期券窓口用端末機)や奈良・京都線系の自動改札機や補助電源装置と阪神用列車種別選定装置を納入。
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東洋電機製造 - すべての車両のパンタグラフを納入。
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オムロン - 大阪・南大阪・難波線系の自動改札機やタッチパネル式券売機や精算機を納入。
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日本信号 - 保安システムやICカード用入金機・名古屋線系の自動改札機を納入。
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沖電気 - 定期券や特急券窓口用端末機・定期券特急券券売機を納入。
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日本ユニシス - ASKAシステム(座席予約システム)用ホストコンピュータやサーバーを納入。
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朝日放送 - ANNの系列局。設立当初からの大株主で繋がりが深く、バファローズ戦のテレビ・ラジオ中継を多く放映した。かつては朝日新聞グループ・関係者に次ぐ株主であったが、現在は上位10位以内には入っておらず、子会社の近鉄バスが第10位の株主となっている。
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毎日放送 - JNN系列局。「近鉄パールクイズ」(ラジオ)、「真珠の小箱」(テレビ)の提供を務めたことを機に繋がりが深くなり、後に上位第18位の株主となっている。
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イビデン - 養老線の前身。
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南海電気鉄道 - 戦時中統合していた旧・南海鉄道の路線を継承した会社。
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阪急阪神ホールディングス・阪急阪神東宝グループ - 傘下の阪神電鉄と近鉄との間で相互直通運転予定。
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三岐鉄道 - 2003年に近鉄から北勢線を譲受けた会社。
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養老鉄道・伊賀鉄道 - 2007年10月1日に近鉄からそれぞれ養老線・伊賀線の運営を移管した会社。ただし近鉄は以後も両線の施設等を保有している。
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日野自動車 - バス事業において関係が深い。近鉄のトップ(元職含む)が監査役に入っている。
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テレビ大阪 - TXN系列局。近鉄が主要株主。
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奈良テレビ放送 - 独立U局。近鉄が主要株主。
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三重テレビ放送 - 独立U局。近鉄が主要株主。
提供番組
関連項目
脚注
外部リンク
社きんきにつほんてつとう
社きんきにつほんてつとう
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