短期大学(たんきだいがく)とは、
修業年限(
卒業までに最低限
在学する年数)を2年または3年とする
大学のことである。
短大(たんだい)と略されることが多い。
概要
短期大学は、深く専門の学芸を教授研究し、
職業又は実際生活に必要な能力を育成することをおもな目的としている(学校教育法第108条第1項)。
法的には、大学の一種とされている。法令文においては、「学校教育法第百八条第三項の大学」が短期大学を指す
語であり、それ以外の通常の大学の修業年限は、4年(ただし、特別の専門事項を教授研究する学部、および、夜間において授業を行う学部については4年を超える場合も認められ、医学を履修する課程、歯学を履修する課程、薬学を履修する課程のうち臨床に関係する実践的な能力を培うことを主な目的とするもの、または、獣医学を履修する課程についての修業年限は6年)としている。
通常の大学に併設されている短期大学については、その校名に短期大学部(たんきだいがくぶ)という名称が使われることがある。ただし、法令上において「短期大学」と「短期大学部」は、同一に扱われ、両者とも1つの独立した学校として扱われる。
短期大学は、通常の大学(4年制大学; 法令上は、「大学(短期大学を除く。)」と表記され、法には「4年制大学」という用語はない。)と同一である事項も多いが、異なる事項もある。修業年限は、2年または3年である。修業年限が3年の短期大学には、看護短期大学、衛生技術短期大学などがある。また、通常の大学には
学部が置かれるのに対して、短期大学には
学科が置かれる。
短期大学制度の発足当初から置かれている主要な学科は、
英文学、
日本文学、保育学、
教養などに関する学科を中心とし、勤労者向けに、夜間に教育を行う
経済学、
工学などに関する学科もあった。1990年代から、
看護学に関する学科を置く短期大学、昼間に教育を行う工学、
福祉学に関する学科を置く短期大学も増えてきた。
置かれている学科の専攻分野の性質もあり、短期大学は女子の
進学先というイメージが強く、現在も依然として女子学生の比率が高い。しかし、1990年代後半から男子の学生も、わずかではあるが増えつつある。男子短期大学としては
東洋食品工業短期大学包装食品工学科が
兵庫県川西市にあるが、2008年度より男女共学化された。なお、過去には
関西大学短期大学部商工経営科I部・II部(募集は1950~1955年度まで)のように男子学生のみの短期大学もあったといわれる。
なお、短期大学の卒業者には、
2005年度よりこれまでの
準学士の
称号から、
短期大学士の
学位が授与されている。また、各省庁の
養成施設の認定を受け、免許等を取得する試験の全て、あるいは一部免除のカリキュラムを設けているところも少なくない。
歴史
第二次世界大戦前
第二次世界大戦降伏直後
学校教育法の施行(6・3・3制導入)直後
学校教育法が施行されて、それまでの分岐型の教育システムから6・3・3制の単線型
学校体系に統一された。
1950年には、短期大学が開学し、女性は20代半ばまでに結婚するのが一般的であった上に女性向けの学科が多かったのも背景にあり、女性の進学先として短期大学は定着した。女性の
高等教育への進学機会を与え、地域の
家庭科や
英語科、
国語科の
教員を輩出した。
昭和時代後期
女性は25歳までに結婚し、男性を支えるという前提で雇用体系が組まれていたため、女性の仕事には、男性の補佐的な仕事が多く、短期大学でない通常の
大学に進学しても就職先が少なかった。(当時の男性中心の考え方において25を過ぎると価値が無くなる事を揶揄して、25歳までの結婚を
クリスマスケーキと呼称することもあった。)そのため、教員職を除き、女性が民間企業に就職する場合は、短期大学を卒業するのが一般的であった。
1985年に
男女雇用機会均等法が制定され、「
一般職」と「
総合職」という2つの形態の職種が生まれると、女子大学や短期大学は、女子の役職である一般職に就職しやすいために
バブル期には、女子の進学先の定番となり、平成6年には在学者数がピークを迎えた。
平成時代
バブル景気が終わり
平成不況によって経費削減を迫られた上に、
1996年に法改正によって
派遣社員が増加したため、
大企業を中心に男女区別なく
総合職のみに限定して採用を行う企業や、
事務のみの
一般職を廃止して地域内での移転に留めるのみで仕事を行う
地域総合職が、
銀行や
証券会社を中心に設けられたため、短期大学の人気が低迷した。
また、女性の高学歴志向やキャリア志向、結婚退社の考えがなくなって晩婚化が進み、女性が通常の大学を卒業して、総合職や地域総合職に就くことが一般化した。その上、少子化や大学の増設(その大部分は短大の4年制大学への改組)によって、現在では女性も通常の大学に進学することが一般的になっている。
その結果、短期大学の数は平成に入って以降、激減している。但しその大部分は4年制大学への改組である。女子短大であれば共学化も共に行うケースが多い。純粋に短期大学の閉学となる場合は同一学校法人に4年制大学が既に存在する場合がほとんどである。大学全入時代が到来しているのに大学の開設が相次ぐのはかかる短大からの改組が多いからである。4年制大学への改組に当たっては校名も共に変更することが多く、一般人には単なる大学の新増設としか写っていないだけなのである。
今後の短期大学
学生数の減少で、高等教育においては、
大学崩壊、大学
倒産などが警戒され始め、短期大学ではその懸念が特に強い。日本の短期大学を今後どのように発展させるかが、
文部科学省の
中央教育審議会の大学部会などでも話題になり始めている。
アメリカ合衆国の
コミュニティ・カレッジが、現行の日本の短期大学にその性質がよく似ているので、それに類した、
教養や
資格取得のための短期の
一般教育や
専門教育を行い、卒業者の大学への
編入学枠を広げるという方向性についてなどが検討されている。<また短大自体においても
1992年に
大学評価・学位授与機構による「認定
専攻科」制度が開始されてからは専攻科を修了し機構の審査に合格することにより、大学編入学をすることなく学士の学位の取得が可能となり短大の可能性が拡大された。
なお、
1990年代に増加した、
看護学、
工学の学科を置く短期大学は、
看護師取得に必要な要件の変更や工場技術者の資質向上へのニーズから、通常の
大学への改組が相次いでいる。
また、娘を持つ親は自分の子供を都市部の大学に出したくない傾向にあることと、共学化や工学系の学科が増えたことから、地方の短期大学の中には志願者が微増したところもみられるが、全体的には、短期大学の志願者は減っている。
また、かつては国立の短期大学である
筑波技術短期大学があったが、四年制大学に昇格し、
筑波技術大学となった。そのほか、国公立の短期大学が併合や合併、四年制大学大学に昇格した場合も過去に多く存在する(
新制大学参照)。また、医療技術の高度化による教育の拡張により、国立大学附属の
医療技術短期大学が医学部の
保健学科などに改編する場合や、四年制大学として昇格する場合が目立つ。
一方で、大阪府内の歯科技工士専門学校が短期大学に移行される計画が持ち上がっていたようだが、依然延期されている状態である。滋賀医療技術専門学校は、2007年度を目途に短期大学への移行計画が持ち上がっていたが、2008年度を目途に通常の大学への改組に変更された。
大学に併設される短期大学部の募集停止の場合は、四年制
大学への改組や新設学部となる場合が多い。(ただし、家政系の学科などは継承されずに消滅するケースも目立つ)他方、私立で短期大学単独の学校の場合には、閉校は事実上の倒産を意味するなど、近年、短期大学には大きな変化が訪れている。また、中国人労働者の違法入国斡旋機関となっていた
酒田短期大学(
山形県酒田市)には、
設置者である
学校法人に解散命令が出された。
ほか、
小学校教諭免許状が取得できる課程が新設される例もある。前世紀では、近年の
少子化による児童数の減少で教員採用も少なくなったことから、その課程が消滅する一方だったものの、2003年に
山梨学院短期大学で復活している。2004年には東京田中短期大学、2005年には
三重中京大学短期大学部、2006年には
國學院短期大学、2007年には東京福祉大学短期大学部・
徳島文理大学短期大学部、2008年には純真短期大学にてそれが成されている。2009年には有明教育芸術短期大学でも設置される予定となっている。
制度発足年開設状況
短期大学の制度発足の
1950年に開学した
短期大学の一覧は以下の通りである。短期大学名は開学当初の名前で表記している。各短期大学の概要については各リンクを参照のこと。
公立短期大学
私立短期大学
2001年度以降、募集停止となった短期大学
近年、廃止になった短期大学には、下記のようなものがある。
- 2001年度
- 2002年度
- 2003年度
- 2004年度
- 2005年度
- 2006年度
- 2007年度
- 2008年度
など
開学にいたらなかった短期大学
- ほか初めから、四年制大学として設置することが決まったため短期大学としての開学はなくなったところもある。例:沖縄県立看護大学(同大学が未だ看護学校だった当時、将来大学または短期大学として発展改組する構想があった)
関連項目
参考文献
- 『全国学校総覧』
- 『全国短期大学高等専門学校一覧』(文部省高等教育局技術教育課監修)
- 『全国短期大学受験要覧』(廣潤社)
- 『全国短期大学案内』(教学社)
- 『全国短期大学受験案内』(晶文社)
- 『全国短期大学案内』(梧桐書院)
- 『短大蛍雪』
- 『全国公立短期大学協会三十年誌』(全国公立短期大学協会。1980年)
- 概ね、各都道府県の大手公共図書館に所蔵されている場合が多い。
その他
- 全国における一部の大手公共図書館で、過去の短期大学入学案内小冊子が閲覧できる場合がある。例えば、山形県立図書館では、廃止になった山形県立保健医療短期大学の入学案内冊子が所蔵されているというケースもある。
脚注
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