法人税 [被リンク数: 68]

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法人税(ほうじんぜい、英語:Corporation Tax)とは、法人の所得金額などを課税標準として課される税金国税で、直接税、広義の所得税の一種。
日本の法人税は主に法人税法(昭和40年法律第34号)に規定されているが、租税特別措置法や震災特例法などの特別法によって、修正を受ける。

根拠

法人税の課税根拠については、私法上の議論を踏まえて、次の二つの考え方に分かれる。
  1. 法人擬制説:法人は、単に法的に擬制された存在であって、所得は株主や出資者のものであり、法人税はこれらの者に対する所得税の前取りである。したがって、法人税は、個人所得税の源泉徴収と同一視でき、経済的二重課税は個人において排除すれば足りることから、税率も平均税率でよいこととなる。
  2. 法人実在説:法人は、個人から別個独立した権利能力を有する法的主体であるから、課税面においても法人自らが納税主体になりうる。したがって、法人には個人と同様に担税力に差異があることから、税率は累進税率を適用すべきである。さらに、法人所得税と個人所得税の間には経済的二重課税は生じず、その排除措置を講ずる必要はないこととなる。なお、この説は法人独立説と呼ばれることもある。

日本の法人税

日本の法人税は、当初は法人に対する所得税の一種として導入され、1899年所得税法改正により新設された第一種所得(法人所得税)に由来する。1940年に法人に対する所得税が分離する形(法人税法の制定)によって成立した。かつての高度経済成長時代における基幹税の役割を果たしていたが、近年の経済の低迷により、次第にその地位を下げつつあり、2006年現在の国税の税収に占める割合は、所得税に次ぎ第2位である。
また、2002年度からは連結納税制度が導入され、グループ企業が連結での業績で法人税を納税できる制度ができ、企業グループによっては節税できるようになった。また、IT投資促進税制(IT投資減税、2005年度まで)、研究開発促進税制(研究開発減税)が整備され、企業のIT投資、研究開発へのインセンティブとなっている。
一方、経団連をはじめとする企業側は、日本の法人税率の高さが生産の海外移転につながっていると主張し、米国と同等であるが、(EU統合を契機に法人税引き下げ競争の起こった)欧州と比べると高い日本の法人税率引き下げを求めている。ただし、国際的な法人税率引き下げ競争は、実質的な輸出補助金であるとみなされ、WTO上は原則違法であり、報復関税の対象となる。国際的な税率引き下げ競争に対しては、WTOなどの国際社会における枠組みの中でかかる競争を制限することが理想である。

納税義務者

  1. 内国法人は、その全世界所得について納税義務を負う。ただし、内国法人のうち、公益法人等人格のない社団等については、収益事業を営む場合又は退職年金業務等を営む場合にのみ納税義務を負う(法人税法4条1項)。
  2. 外国法人は、国内源泉所得があるとき又は退職年金業務等を行うときには、納税義務を負う。ただし、外国法人のうち、公益法人等または人格のない社団等については、国内源泉所得で収益事業から生じるものがある場合にのみ納税義務を負う(法人税法4条2項)。
  3. 公共法人には、上記1、2にかかわらず、納税義務がない(法人税法4条3項)。

課税の範囲

法人税が課税される対象は、次の4つに区分される。
  1. 各事業年度の所得に対する法人税
  2. 各連結事業年度の連結所得に対する法人税
  3. 退職年金等積立金に対する法人税
  4. 清算所得に対する法人税

申告、納付

  • 確定申告
  • 中間申告
  • 期限後申告
  • 納付
  • 更正の請求

法人税率の推移

  • 1988年 42.0%
  • 1989年 40.0%
  • 1990年 37.5%
  • 1998年 34.5%
  • 1999年以降 30.0%
    • 上記税率は国税法人税のみ。法人地方税・法人事業税を含めた法定実効税率は現在多くの企業においておよそ40%。

税収の推移

財務省の統計を参照(法人減税と不景気で1988年以前に比べ毎年10兆円の減収)
  • 1988年 約19兆円(税率42%)
  • 1989年 約18兆4000億円(税率40%)
  • 1997年 13兆4754億2600万円(税率37.5%)
  • 1998年 11兆4231億9400万円(税率34.5%)
  • 1999年 10兆7959億8500万円(税率30.0%)
  • 2000年 11兆7471億9400万円
  • 2001年 10兆2577億9100万円
  • 2002年 9兆5234億3800万円
  • 2003年 10兆1151億9400万円
  • 2004年 11兆4436億9100万円
  • 2005年 13兆2735億6700万円
  • 2006年 14兆9178億7700万円

法人税対策の問題

国税庁報道発表資料によると、黒字申告割合(≒法人税納税率)は例年30%前後で、ここ10年間横ばいが続いている。 これは、日本の法人数約300万のうち、法人税納付企業が3分の1に満たないということを示しており、国家歳入を考える上で大きな問題となっている。
06年、日本を代表する6大銀行が揃って過去最高益を計上しながら法人税を納めていないことが新聞等で大きく報道され、社会的に大きな注目を集めた。 これは、純利益を銀行が抱える不良債権が相殺したため、見かけ上赤字決算となって納税が免除されたためである。 法人税は、原則として黒字企業のみが納め、赤字の場合は赤字が解消されるまで最大7年間納税を免除される(欠損金額の繰越控除)。さらに免除期間中に新たな赤字が発生するとさらに繰越期間を延長できる。
大銀行に限らず一般の法人でも、役員報酬引上や生保の法人契約(損金計上)、実態のない子会社設立(連結納税の悪用)、益金の国外移転など、法人税対策と称する脱法的な「見かけの赤字化」が日常的に行われている。
さらに、このような操作による赤字化や収益矮小化は、現行法では取り締まりがきわめて困難であり、国家財政の建て直しのために法人税政の抜本改革が望まれるが、大企業と政界の癒着弊害などのため、小粒な改正にとどまっている。 また、現在の法人税率は事業規模をほとんど顧慮していないため、体力のない中小企業が生き残るため、このような脱法的手法を用いざるを得ない事情も無視できない。全国中小企業団体中央会や東京税理士会は、中小企業保護育成の観点から法人税政改革を求めている。

関連項目

ほうしんせい ほうしんせい

外部リンク

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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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