日産・VQエンジン [Nissan VQ engine] [被リンク数: 24]

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VQエンジンとは、日産自動車V型6気筒 DOHC マルチバルブガソリンエンジン。バンク角は60度。

概要

日産のV6エンジンは以前からVG型VE型があったが、それらに代わる新世代エンジンとして、1994年より生産を開始した。2007年現在でも日産車の中級・上級ラインナップにおける主力エンジンとなっている。また、現在では、一部が事実上の親会社ルノーの上級車種にも使われている。
単に性能が優れているだけでなく、良好な生産性と広い汎用性をも兼ね備えた完成度の高いエンジンで、量産型エンジンとしての大きな成功を収めてきた。評価の一例であるが、アメリカのWard's AutoWorld magazine社が毎年選出する10 best engineには、14年連続で選出されている。この記録は選出回数、連続記録ともに世界一の快挙である。
最初に搭載された車種は2代目セフィーロで、それ以降日産の上級車種に採用されているほか、現在ではRB系エンジンの後継も兼ねる形となっている。2,000ccから4,000ccまでの幅広いラインナップを用意し、全タイプDOHC仕様。通常型インジェクション仕様のほか、直噴仕様(NEO-Di)の設定もある。前者は日産のエンジン型式ルールにより「E」、後者は「D」がつく。基本的にプレミアムガソリン仕様であるが、3代目セフィーロ最終型(2001年以降)のVQ20DEと、VQ23DE、エルグランド、2代目ティアナに搭載されているVQ25DEは中級車の下位レンジに搭載されるという事情から、経済性を配慮してレギュラーガソリン仕様となっている。
日産はVQエンジンの生産に当たって、福島県いわき市にVQエンジン専用の新工場を建設した。
なお、12代目スカイラインに搭載するにあたって設計を改めたものは「VQHRエンジン」として区別される。
対抗するクラスのエンジンとしてトヨタGRエンジンホンダJ型エンジンがある。

バリエーション

VQエンジン

VQ20DE

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ
  • 排気量:1.995L
  • ボア×ストローク:76.0×73.3
  • 圧縮比:9.5 - 10.0
出力・トルク
  • (1) 114kW (155PS) /6,400rpm 186N·m (19.0kg·m) /4,400rpm
  • (2) 117kW (160PS) /6,400rpm 196N·m (20.0kg·m) /4,400rpm
  • (3) 110kW (150PS) /6,400rpm 186N·m (19.0kg·m) /4,400rpm
主な搭載車種
VQ20DEは、セフィーロのみに搭載され、販売比率の多くを占めた。1994年デビューの2代目では当時のライバルトヨタ・マークIIを凌ぐ(1)の出力・トルクを発揮。1998年登場の3代目では、燃費性能の向上を狙い、リーンバーン化し、出力・トルクも(2)となったが、2001年の改良後の最終型では排ガス規制に対応するため、リーンバーンをやめ、経済性を重視したレギュラーガソリン仕様となり、出力・トルクは(3)となった。

VQ23DE

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ CVTC
  • 排気量:2.349L
  • ボア×ストローク:85.0×69.0
  • 圧縮比:9.8
出力・トルク
  • (1) 127kW (173PS) /6,000rpm 225N·m (22.9kg·m) /4,400rpm
主な搭載車種
2003年より2008年までティアナのみに搭載されていたエンジン。もともと同車はローレルとセフィーロの統合車種として誕生した経緯から、メインの2.5Lだけではなく、販売の多くを占めていた2.0Lユーザーも無視できない観点から、2.0Lと2.5Lの中間的な排気量とし、経済性の高いレギュラーガソリン仕様とすることで、2.0Lと2.5Lユーザーの双方を囲い込むことを狙った。

VQ25DE

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ CVTC
  • 排気量:2.495L
  • ボア×ストローク:85.0×73.3
  • 圧縮比:9.8 - 10.3
出力・トルク
  • (1) 140kW (190PS) /6,400rpm 235N·m (24.0kg·m) /4,000rpm
  • (2) 154kW (210PS) /6,400rpm 265N·m (27.0kg·m) /4,400rpm
  • (3) 136kW (186PS) /6,000rpm 232N·m (23.7kg·m) /3,200rpm
  • (4) 136kW (185PS) /6,000rpm 232N·m (23.7kg·m) /4,400rpm
主な搭載車種
1994年に2代目セフィーロに初搭載。当時の出力・トルクは (1) であった。このエンジンはその後、セドリック、グロリア、レパードなどのFR系にも同スペックのものが搭載されていたが、直噴仕様の登場により、1999年以降一時的に姿を消す。しかし、直噴+リーンバーン化はカタログ数値の燃費は良くなるが、実用面では低回転域のトルクが細い傾向にあり、結果的に燃費はそれほど向上せず、また厳しくなる排ガス規制に適合させるのも多額の費用がかかるため、2004年より再度このエンジンが起用されている。フーガで復活搭載した際の出力・トルクは (2) となっているが、エルグランドに搭載されているものは、ライバルのトヨタ・アルファード2.4Lの好調な販売に押され追加したもので、経済性を重視したレギュラーガソリン仕様としているため、出力・トルクは (3) となっている。FF車用はJ32ティアナで10年ぶりに復活し、出力・トルクは (4) となっている。

VQ25DD

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ eVTC (NEO-Di)
  • 排気量:2.495L
  • ボア×ストローク:85.0×73.3
  • 圧縮比:11.0 - 11.3
出力・トルク
  • (1) 154kW (210PS) /6,400rpm 265N·m (27.0kg·m) /4,400rpm
  • (2) 158kW (215PS) /6,400rpm 270N·m (27.5kg·m) /4,400rpm
主な搭載車種
VQ25DDは、1998年登場の3代目セフィーロで初登場。当時の直噴エンジン流行の流れに乗り、高出力・低燃費を売りにデビューした。出力・トルクは (1) であったが、2001にデビューしたV35スカイライン、M35ステージアには、(2) の出力・トルクを発揮する仕様を設定している。

VQ25DET

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ CVTC インタークーラーターボ
  • 排気量:2.495L
  • ボア×ストローク:85.0×73.3
  • 圧縮比:8.5
出力・トルク
  • 206kW (280PS) /6,400rpm 406N·m (41.5kg·m) /3,200rpm
主な搭載車種
2001年登場の2代目ステージアでデビューを果たした2.5Lのターボ仕様。近年では珍しく急激に加給が始まる、いわゆる「ドッカンターボ」型。ただ、搭載車種が1車種だけだったため台数が出なかったことや、先述のターボの性格による良好とは言い難い燃費や、排ガス規制等といった環境性能に気を遣う時代の趨勢などにより、わずか3年間でカタログ落ちしてしまった。

VQ30DE

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ
  • 排気量:2.987L
  • ボア×ストローク:93.0×73.3
  • 圧縮比:10.0
出力・トルク
  • (1) 162kW (220PS) /6,400rpm 280N·m (28.5kg·m) /4,400rpm
  • (2) 142kW (193PS)
  • (3) 166kW (226PS)
主な搭載車種
1994年にセフィーロで初登場したVQ30DEは多くの車種に搭載された。しかし、直噴仕様の登場や徐々に3.5Lへ移行していったために出力・トルクは(1)のまま、最終型のプレサージュ、バサラ(2002年)まで変更はなかった。

VQ30DD

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ eVTC (NEO-Di)
  • 排気量:2.987L
  • ボア×ストローク:93.0×73.3
  • 圧縮比:11.0
出力・トルク
  • (1) 169kW (230PS) /6,400rpm 294N·m (30.0kg·m) /4,000rpm(非eVTC)
  • (2) 177kW (240PS) /6,400rpm 309N·m (31.5kg·m) /3,600rpm
  • (3) 191kW (260PS) /6,400rpm 324N·m (33.0kg·m) /4,800rpm
主な搭載車種
1997年に日産初の直噴エンジンとしてY33レパードに初搭載。その時の出力・トルクは (1) であったが、その後、セドリック、グロリアに搭載されたときには (2) に向上。2001年に登場したV35スカイラインでは、さらにパワーアップされ、(3) の出力・トルクを発揮するに至り、国内最強のスペックを誇った。現在は排気ガス規制等の関係で3.5Lに移行し、生産は終了している。

VQ30DET

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ インタークーラーターボ
  • 排気量:2.987L
  • ボア×ストローク:93.0×73.3
  • 圧縮比:9.0
出力・トルク
  • (1) 199kW (270PS) /6,000rpm 368N·m (37.5kg·m) /3,600rpm
  • (2) 206kW (280PS) /6,000rpm 387N·m (39.5kg·m) /3,600rpm
主な搭載車種
VQ30DEをベースに、インタークーラーターボチャージャーを採用したエンジン。大排気量エンジンを思わせるセッティングにより、ターボは意外にもマイルドな印象。VQ25DETに比べると、かなり紳士的なターボエンジンといえる。Y33系のセドリック、グロリアで登場。当時の出力・トルクは (1) だったが、Y34系で (2) に向上した。シーマに搭載されていたが、平成17年排出ガス規制に適合しないため生産を終了。最後まで生産されたターボ仕様である。

VQ35DE

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ CVTC
  • 排気量:3.498L
  • ボア×ストローク:95.5×81.4
  • 圧縮比:10.0 - 10.3
出力・トルク
  • 国内仕様
    • (1) 177kW (240PS) /6,000rpm 353N·m (36.0kg·m) /3,200rpm
    • (2) 200kW (272PS) /6,000rpm 353N·m (36.0kg·m) /4,800rpm
    • (3) 206kW (280PS) /6,200rpm 363N·m (37.0kg·m) /4,800rpm
    • (4) 216kW (294PS) /6,400rpm 350N·m (35.7kg·m) /4,800rpm
    • (5) 170kW (231PS) /5,600rpm 333N·m (34.0kg·m) /2,800rpm
    • (6) 185kW (252PS) /6,000rpm 335N·m (34.2kg·m) /4,400rpm
    • (7) 200kW (272PS)
    • (8) 232kW (315PS)
    • (9) 191kW (260PS)
  • 海外仕様
    • 275PS/6,200rpm 37.0kg·m/4,800rpm
主な搭載車種
2000年にエルグランドに初搭載された3.5Lエンジン。大排気量らしい豊かなトルクと、素性のよさで定評があり、日産の中心的なエンジンとして国内外の幅広い車種に採用されている。ただ、日本国内においては3.5Lという排気量は大きく、3.0Lの復活を望む声も聞かれる。出力・トルクは (1) がエルグランド、高規格救急車のもの。(2) がスカイライン、ステージアに搭載されているもの、(3) がスカイラインクーペ、フーガ、フェアレディZ (5AT) に搭載されているもの、(4) がフェアレディZ (6MT) 専用、(5) がFF向けでティアナ(現行型は (6) )、ムラーノ(現行型は (9) )、プレサージュに搭載されているものである。

VQ40DE

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ CVTC
  • 排気量:3.954L
  • ボア×ストローク:95.5×92.0
  • 圧縮比:9.7
出力・トルク
  • (1) 201kW (273PS) /5,600rpm 395N·m (40.3kg·m) /4,000rpm
主な搭載車種
北米向けの大型SUVに搭載されるVQエンジン最大の排気量を持つエンジン。日本国内では搭載車種は販売されていない。

VQ30DETT

レース用エンジン
  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ インタークーラーツインターボ
  • 排気量:2.987L
  • ボア×ストローク:93.0×73.3
2002年度全日本GT選手権(現在のSUPER GT)にて当時GT500に参戦中のスカイラインGT-Rを車両全体をより低重心にさせ、運動性能の上昇を図る為、ベースとなるエンジンのVQ30DEを改良し、競技用エンジンとして中盤に投入された。それ以降2007年第2戦までGT500にてVQ30DETTが使用された。

VQHRエンジン

VQ25HR

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ eVTC
  • 排気量:2.495L
  • ボア×ストローク:85.0×73.3
  • 圧縮比:10.3
出力・トルク
  • (1) 165kW (225PS) /6,800rpm 263N·m (26.8kg·m) /4,800rpm
  • (2) 164kW (223PS) /6,800rpm 263N·m (26.8kg·m) /4,800rpm
主な搭載車種

VQ35HR

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ eVTC
  • 排気量:3.498L
  • ボア×ストローク:95.5×81.4
  • 圧縮比:10.6
出力・トルク
  • (1) 232kW (315PS) /6,800rpm 358N·m(36.5kg·m) /4,800rpm
  • (2) 230kW (313PS) /6,800rpm 358N·m(36.5kg·m) /4,800rpm
  • (3) 306PS
  • (4) 297PS
  • (5) 303PS
主な搭載車種
  • 2006 - 2008 日産・スカイライン V36
  • 2006 - インフィニティ・G35セダン (3)
  • 2007 - 日産・フェアレディZ
  • 2007 - 日産・フーガ
  • 2007 - インフィニティ・EX35 (4)
  • 2008 - インフィニティ・FX35 (5)
  • 2008 - インフィニティ・M35 (5)
2006年にデビューのV36スカイラインでデビューした新世代VQエンジン。VQ型と名乗っているものの、ブロックデッキの高さを延長する等の変更がなされており80%以上を新設計した事実上の新開発エンジンであり、「HR」とはハイレスポンス、ハイレボリューションを意味する。これまでのVQ35DEでは高回転域で吸気が追いつかなくなる欠点の見直しと、ブロックデッキ寸法の変更でコンロッドを長くし、連桿比の改善によりピストン横圧の低減を図った。従来型比で1,200回転のレブリミットの引き上げとなり、高回転まで胸のすくふけ上がりを実現した。出力・トルクだけでなく、環境性能や燃費性能も大幅に向上している。なお,出力・トルクは (1) がV36 スカイラインのもの。(2) がフェアレディZ、フーガに搭載されているものである。

VQ37VHR

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ eVTC VVEL
  • 排気量:3.696L
  • ボア×ストローク:95.5×86.0
  • 圧縮比:10.6
出力・トルク
  • (1) 245kW (333PS) /7,000rpm 363N·m (37.0kg·m) /5,200rpm
  • (2) 243kW (330PS) /7,000rpm 361N·m (36.8kg·m) /5,200rpm
  • (3) 247kW (336PS) /7,000rpm 365N·m (37.2kg·m) /5,200rpm
  • (4) 320PS
  • (5) 328PS
主な搭載車種
  • 2007 - 日産・スカイラインクーペ V36 (1)
  • 2008 - 日産・フェアレディZ Z34 (3)
  • 2008 - 日産・スカイラインセダン V36 (2)
  • 2007 - インフィニティ・G37クーペ(北米 (2) / 欧州 (4) )
  • 2008 - インフィニティ・G37セダン(北米 (5) / 欧州 (4) )
  • 2008 - インフィニティ・EX37 (4)
  • 2008 - インフィニティ・FX37 (4)

VQ35HR(3.8L改仕様)

  • タイプ:V型6気筒 DOHC 24バルブ eVTC
  • 排気量:3.798L
  • ボア×ストローク:95.5×88.4
  • 圧縮比:12.4
出力・トルク(国内仕様)
257kW (350PS) /7,200rpm 397N·m (40.5kg·m) /4,800rpm
主な搭載車種
  • 2007 - 日産・フェアレディZ Version NISMO Type 380RS

関連項目

  • 日産のエンジン型式一覧

外部リンク

につさんVQえんしん VQえんしん
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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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