携帯電話(けいたいでんわ)は、有線電話系通信事業者による電話機を携帯する形の
移動体通信システム、
電気通信役務である。端末を
携帯あるいは
ケータイとの略称することがある。
定義
携帯電話は、移動しながらの通話が可能な電話サービスである。
日本では、先行して登場した移動体通信システムである
自動車電話からの流れで「携帯・自動車電話」という表現が行政サイドでなされていたが、現在は「携帯電話」になっている。
歴史
携帯電話端末1機種、他は
ノキアの歴代携帯電話端末]]
第二次世界大戦中に
アメリカ軍が使用した
モトローラ製の「
Walkie Talkie」が、前身といわれる。
しかしこれは、回線を使用していない、トランシーバーである。
携帯電話の構想は、電話機が考案されて間もない頃からあった。電波を使用して無線で通信でき、かつ人間同士が音声にて会話することが夢として描かれていた。
モールス符号を用いる無線電信機は携帯電話の元になる技術であったが、実用化されても爆発的に普及するようになるものだとはこの時点では考えられていなかった。
また、携帯できる電話の開発する具体的な研究は古くから行われてきたが、電波の
ノイズの問題や
バッテリーの問題、また通信速度などの多くの問題により電話機が非常に大型になってしまうため、実現が困難であった。
1960年代になると、両手で持ちながら会話できる程度の大きさまで小さくすることが可能となった。しかし、まだ重く、短時間の通話でも疲れてしまうものであった。
1970年代になると頑張れば片手で持てる程度の大きさまで縮小することができた。これは
1970年に
大阪で開催された
日本万国博覧会に
ワイアレスホンとして出展された。これは、今で言うコードレスフォンである。
1980年代になると事業として成立するようになり、一部の
先進国で車載電話機(
自動車電話)として携帯電話機の販売、及びサービスが開始された。この頃は
固定電話機と比較すると導入価格、通信費用は共に数十倍であり、また通信エリアも都市部に限られていたため、よほどの理由が無ければ導入できなかった。
1978年、“AT&T”と「モトローラ」に実用化実験許可がおりる。
1979年、
日本において世界で初めて実用化される。
1981年、
バーレーンと
スカンディナヴィアで実用化。遅れをとった
アメリカも
レーガン大統領へのモトローラからの直訴により1981年、実用化がなされた。
2000年代に入ると
第三世代携帯電話が登場し、
テレビ電話が可能となったほか、
パソコンと接続して高速なデータ通信が行えるようになった。また
発展途上国でも爆発的に普及し始め、英調査会社、“Informa Telecoms & Media”の2007年11月29日(英国時間)の発表によれば、世界全体での普及率が5割に達したとされる。
携帯電話端末
端末本体は、一般社会や日常生活では単に「
携帯(けいたい)」と呼ばれることが多く、「携帯」の語は携帯電話の端末を総称するような言葉のように使われており、完全に定着している。また通称として「
ケータイ」「
ケイタイ」と表記されることも多い。「
NTTドコモ」や「
電電ファミリー」の制作した技術文書では
移動機(いどうき)と書かれることもしばしばある。
なお、日本の携帯電話端末は、世界的にみて極めて独自性が強い。日本における携帯電話を参照。
構成部位
携帯電話の端末には、
アンテナ、
スピーカー、
マイクと、これらを制御する
電子回路と、入力のためのボタン(ボタンは暗い場所でも見やすいよう大体光るようになっており、色は緑、オレンジ、赤、白、青などがある。また、
輝度を変えることができるものもある)と、電源から成っているが、機能の増加からパーツは増える傾向にある。最近の端末では
ディスプレイを搭載しており、
液晶や
無機EL、
有機EL、
発光ダイオードなどさまざまな素材が利用されている。初期型の製品にはアンテナがほとんど露出していたが、2000年代中頃に内蔵の機種が増え、現在のアンテナはほとんどが内蔵型である。
電源
また電源も初期には
一次電池が使われていたが、
二次電池の発達により1990年代には
ニカド電池および
ニッケル・水素蓄電池が、2000年代は
リチウムイオン電池が主流と成っている。携帯電話端末本体が
充電器の役割も兼ねており、二次電池の充電回路を搭載している。そのため外部電源を接続することで本体から電池を取り出さなくとも充電が可能である。機種によっては専用の充電用簡易スタンドが付属する場合があり、その場合は外部電源との接続が容易である。
外部電源としては
ACアダプタによる
直流送電が用いられる。家庭用電源から電源を取得し、リチウムイオン電池の定格電圧である3.7
Vよりも高い、5V程度に落として供給される。
演算・記憶装置
端末のデジタル化により、通信処理を司るベースバンドLSIを利用してコンピュータ化が進み、電話帳機能や発着信履歴の保存のために
フラッシュメモリによる不揮発記憶装置による補助記憶領域も備え付けられるようになった。このことで着信音にバリエーションを持たせることが可能となった。
さらに携帯電話で
モバイルブラウザを動かしたり、画像や音楽といった
マルチメディアデータを扱うようになると、ベースバンドLSIとは独立した
CPUが搭載されるようになった。補助記憶装置の必要性は更に増し、内蔵の補助記憶装置のみでは容量不足となった。そのため2000年代に入ると外部に
メモリーカードの
スロットを設け、外部メモリへの記録も可能とした。初期では
SDカードや
メモリースティックが用いられていたが、端末に占める容積が大きかったためminiSDカードやmicroSDカード、
メモリースティックDuoなどの、携帯電話に特化したメモリーカードが開発された。
このような外部メモリのスロットは主に端末の下部や側面部などに設けられていたが、近年発売されているmicroSD対応端末においては頻繁な交換を想定せず、バッテリスペースの内部に設けられている機種もある。
機能
日本では、高機能(高価)な機種でも
インセンティブ(販売報奨金)により安価に流通可能なビジネスモデルのため、高機能機種が広く普及している。また
韓国の携帯電話も高機能機種が多いことで知られる。その他の国では、契約と端末の分離により端末の価格が機能に比例することや、
コンテンツサービスが発展途上であり必ずしも高機能な端末が必要とされないことなどから、安価で基本的な機能の端末にも根強い人気がある。
カメラ付き携帯電話が登場し、
カメラ機能を利用した画像解析機能により
QRコードや
JANコードが読み取れるようになった。特にQRコードは大容量の文字データを格納することができるため爆発的に普及した。
他、携帯機器 : デジタルツールとしての携帯端末の多機能化なども参照。
デザイン
]]
携帯電話は、その発展の歴史において、初期には小型化・軽量化に主眼が置かれていた。しかし、ある程度手軽な形状が実現するに至って、
カメラや
WWW閲覧、
おサイフケータイといった付加機能が製品差別化の要素となっていった。
携帯電話業界の競争激化と共に、ユーザーへの大きな吸引力となる端末のデザイン・機能開発について各メーカーがしのぎを削っている。しかし、手に持つ・
テンキーで電話をかける、といった機能を維持する共通条件においてその差別化は容易ではなく、
タッチパネルや
ジャイロセンサーの採用など現代最先端のテクノロジーをも織り込んだ
プロダクトデザインとなっている。
現代の携帯電話は、概ね「ストレート式」「折りたたみ式」「スライド式」の3種に大別できる。日本では
パステルカラーの携帯電話が多く見られるが、海外ではシルバーや黒といった地味な色の物が多い。
- ストレート式
- 携帯電話の基本形。操作部と表示画面がひとかたまりの延べ棒状になっている。操作部と表示画面がそのまま外面に露出しているためこれらが傷つきやすい。また、表示画面の大型化に伴って平面形も肥大化しつつあり、コンパクト化が難しい。しかし近年では、タッチパネルを採用することで表示画面も操作部も一体としたコンパクトな製品も登場している。
- 派生型として、操作部分をカバーで覆い、使用時にはカバーを開けるフリップ式と呼ばれるタイプもあるが、近年はそうした製品は少ない。
- 折り畳み式
- 携帯電話が多機能化するに従い表示画面が大型化し、ストレート式では平面形も大きくなりがちであること、また、操作部と表示画面を未使用時に保護する観点から、本体中ほどにヒンジを設け二つ折りにできるようにしたものである。近年は技術革新により、二つ折りになっても非常に薄い製品が登場している。
- スライド式
- 本体が上層部と下層部の二層に分かれており、上層部を横にスライドさせることで下層部の内側にある操作部を露出させる。スライド方法はレールによるものと回転軸によるものの2種類がある。折り畳み式と違い表示部が表面に露出しており、基本機能はスライドしなくても使えるものが多い。
ソフトウェア
携帯電話は限られたメモリ空間である一方で、多くの機能を搭載する高性能な電子デバイスであることから、専用のソフトウェアが開発され、それが搭載される。
OS
各メーカーがOS-9やiTRONなどのRTOSから、Symbian OSやLinuxなど携帯電話向け汎用OSの採用に動いているのは、3Gの到来とともに、その開発
コストが高騰しているからである。端末の高機能化が進み、ソフトウェア規模が巨大化してきているため、限られたハードウェアで動作させる組み込み用途を想定したRTOSでは、開発環境、ミドルウェア調達など、コスト面で不利な点が多くなってきている。
端末製造メーカー
国際的に端末を供給しているのは以下の企業である。括弧内は本社所在地となっており、2007年の端末出荷台数順に並べてある(米国調査会社IDC調べ)。2007年の世界合計出荷台数は11億4410万台であり、上位5社で約82%のシェアを握っている。
-
ノキア
4億3710万台
-
サムスン電子
1億6110万台
-
モトローラ
1億5900万台
-
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ
1億340万台ソニーとエリクソン両社の携帯電話端末部門の合弁による、イギリスのソニーグループに入る会社である。
-
LG電子
8050万台
携帯電話端末は開発コストが大きく、大量に販売してはじめて儲けが出るので、メーカーのグローバル化により国際的に販売してシェアを獲得しようとする傾向にある。
サービス
通常は、屋外で高速移動中でも安定した通話・通信が可能。基地局を整備することにより、広いサービスエリアにおいて利用可能。
第三世代携帯電話は、高速
パケット通信と高い周波数利用効率が特長。なお、高速な
無線アクセスとしても利用可能であるが、利用形態によっては高額な課金となり、この現象が俗に
パケ死と呼ばれる。また、電話機端末単体による通話・通信の総トラフィック(データ量)に占める割合が高い傾向にある。また、デジタルツールとしての多機能化も関係している。
通話
携帯電話での音声伝送方式は、当初はアナログ方式を採用しており途中からデジタル方式へと切り替えられた。当初サービスが開始された時点でのアナログ方式での通信は、
暗号化されずにそのまま送信されていたため、ノイズが乗りやすいだけでなく、傍受が容易に行えるという欠点があった。そのため、強固な暗号化が可能なデジタル化が行われた。
国によってはその頃、
固定電話網もアナログ方式からデジタル方式(
ISDN)への切り替えが進んでいたが、固定電話網のデジタル方式は
パルス符号変調(PCM)であるのに対し、携帯電話網の方はより圧縮度の高い音声
コーデックを使用している。両電話網の相互接続通話の際には、アナログ方式同士ならば単純だが、デジタル方式では(アナログ・デジタル併存の時期を含め)コーデック変換が、網関門交換機において必要である。
また、音声コーデックの方式は携帯電話事業者やサービス種別によって異なるため、事業者相互・方式相互の音声コーデック変換も必要となる。このため、コーデックの組み合わせによっては変換ロスにより、音声の品質が劣化してしまう。基本的には、同一事業者・同一方式の携帯電話同士の通話では変換によるロスは起こらないため、本来の通話品質を発揮できる。
通信
当初は通話機能だけであった携帯電話だが、音声通話のデジタル化により端末全体がデジタル化し、これによりパケット通信によるデジタルネットワークへの接続が可能となった。デジタルネットワークの中でも、世界的に普及しているインターネットへの接続が早くから行われ、携帯電話でインターネット網にアクセス出来るようになった。
クライアント化である。
これにより携帯電話を対象にした
ウェブページが携帯電話会社から
公式サイトとして設立されたり、また個人でインターネット上に携帯電話を対象にした
勝手サイトと呼ばれるサイトが開設されるようになる。さらに携帯電話の高速通信化により、通信機能を利用して携帯電話で金銭の管理を行う
モバイルバンキングや
オンライントレードも行えるようになっただけでなく、
動画コンテンツの閲覧も可能となった。
従来、携帯電話ではそれのみを対象にして作られた簡素な
HTMLによるウェブページしか表示できなかったが、近年では
ブラウザを搭載した端末も実現し、パソコン向けに作成されたコンテンツの閲覧が可能となった。
通信規格
携帯電話の通信規格(方式)はおおむね以下のようになっている。
第二世代携帯電話(以下2G)はGSM方式が世界的に主流となっている。日本と韓国では、GSMは採用されていない。日本では
PDC(Personal Digital Cellular)という独自の方式が主流であったため、独自の端末やサービスが普及する一方、海外端末メーカーの参入や国際
ローミングサービスが進まず「
鎖国」的状態にあった。韓国では、アメリカの
クアルコム(Qualcomm)社のcdmaOne(IS-95)という方式を全面的に採用し、
サムスン電子や
LG電子などが国際的に飛躍する基となった。北米は
EUとは異なり、政府は携帯電話事業者に技術の選択について強制せず、各社の選択に委ねた。結果として、GSMとcdmaOneがほぼ拮抗しているのが現状である。
第三世代携帯電話(以下3G)は、2Gが各国・各地域で独自の方式、異なる周波数を採用し、全世界での同一方式の利用が出来なかった反省を踏まえ、第三世代携帯電話の規格、
IMT-2000の決定においては、携帯電話を全世界で利用できるようにするための指標が立てられた。しかしながら、規格策定の過程で、
W-CDMAと
CDMA2000が並行採用という形となり、GSM陣営は
W-CDMAへ、cdmaOne陣営は
CDMA2000へ移行することとなった(南北アメリカ・
アジア地域の一部)。
中国政府は、自己技術育成の観点から独自のTD-SCDMAを導入しようとしている。また3G技術の
特許代に関し、「クアルコム」の
ライセンス価格が高すぎるとして、Qualcommとハンドセット(送受話器)ベンダー(販売会社)、
チップセットベンダー数社の間で、現在係争中である。
先進国やcdmaOne陣営のほとんどは3Gの導入が済んでいるが、GSM陣営では、ユーザーがより安価なGSM端末を好む傾向もあるため、コストがかかるW-CDMAへの移行はスムーズとは言えない。安価なGSM端末は、高価なW-CDMA端末より人気がある。スマートフォンなどの高価なGSM端末でも、電池の軽量化を図って消費電力の多いW-CDMAやCDMA2000などの3Gには対応しない端末もある。またGSMでも
EDGEや
EDGE Evolutionを用いて3G並みの高速なデータ通信ができる。
このため、GSMのサービスの停止時期を打ち出しているGSM事業者は2008年現在、存在しない。
発展途上国では、固定電話網の未整備を補完し、低価格でデータ通信網込みで広域エリア化するために、最初からCDMA2000技術を400MHz帯に使ったCDMA450による3Gネットワークの導入なども行われている。
2006年の世界携帯電話販売台数における比率は、GSMがおおよそ7割弱、CDMA(cdmaOne + CDMA2000)がおおよそ2割強、W-CDMAは1割弱であった。
料金形態
料金は基本的に、音声通話の場合は通話時間、データ通信の場合は通信時間またはデータ量で算出されるのは国際的に共通であるが、通信事業者が複数ある分だけ、選択肢は多い。
プリペイド(前払い)、ネットワークを自前で持たない
仮想移動体通信事業者(MVNO)によるサービスもある。
プリペイドの場合、基本料金はないが、最後に入金してからの経過日数によって有効期限が定められているため、使用頻度が低くても定期的に入金する必要はある。EUは、全般にプリペイド比率が極端に高い。
アメリカなどでは、音声通話は一定時間まで定額であるのが一般的である。また、夜9時以降および週末の通話は無料になる契約が多い。その反面、一般的に、掛けた側だけでなく、受けた側も通話料が発生する。
ビジネスモデル
2007年現在、世界の携帯電話で使用される通信方式は
GSMが約7割を占めている。GSMでは、音声通話サービスはもとより、データ通信サービスの仕様までもが、ほぼ共通化されている。また、技術的には、
SIMカードを交換することにより、通信事業者を変えることが可能である。このため、端末メーカは最初に世界共通モデルを開発して、必要な場合にだけ、小規模の特定事業者向けのカスタマイズをするのが主流である。
海外ではひとつの機種でもメーカーの出す業界標準の機能のみを搭載している「スタンダードバージョン」とキャリア独自のサービスを付加したものの2種類販売されている。前者はSIMロックがかかってないため通信方式が同じなら世界中どこでも利用できる。後者はインセンティブ制度のもと、SIMロックがついて販売されている。この辺の事情は日本と同じであるが、インセンティブの額は、日本は突出して大きい。
マーケット規模の巨大なGSM携帯電話は、世界規模での大量販売による価格競争の様相を呈しつつあり、同一機種が世界各地で販売されており膨大な出荷台数の獲得に貢献している。
2007年6月に、
アップルが、
スマートフォン、iPhoneにより新規参入した。これまで、全ての端末ベンダーは、端末の販売だけの商売であったが、アップルの場合は、端末代金以外にデータ通信料金の一定額を受け取っていたと言われている。日本では、iPhoneは販売の目処は立っていなかったが、2008年7月11日に3G版iPhoneは
ソフトバンクモバイルによって販売開始された。しかし販売店ではiPhoneを販売する前に、「iPhone3G ご契約に際してご注意項目」を説明し、内容を確認した旨のサインを求めている。その内容が「いかなる状況においてもキャンセルできない」と記されているということから、
民法や
消費者契約法に抵触していると、
消費者センターなどから指摘をうけ、問題となっている。
文化
携帯電話を持ち歩くことでいつでも電話に出ることが可能であることや、携帯電話に搭載された文字メール機能はリアルタイムに着信を通知させることから、日々の
文化にも変貌をもたらした。
携帯電話のメール機能では、
テンキーを中心にせざるを得ない制約のある文字入力
インターフェースと、瞬時に着信が分かることからよりリアルタイムなコミュニケーションが求められることから、いかに少ない文字数で表現できるかというものが携帯電話特有の文化として登場した。
また、携帯電話の高機能化に伴い写真や動画を撮影できる機種が増え、何らかの事件・事故発生の際にその場に居合わせた者がその状況を撮影するといった速報メディア的な側面も持ち合わせつつある。秋葉原通り魔事件では、現場映像を撮影しようとする者が列をなすなど、草の根メディアにおける倫理のあり方が問題にもなった。
近年携帯電話の普及が著しい
アイルランドでは、
土葬する際に故人が愛用していた品々を棺に入れておくという意味に加え、「
早すぎた埋葬」対策として、万が一棺の中で蘇生した時に携帯電話で助けを呼べるよう携帯電話を
棺に入れる事例が急増している。
マナー
携帯電話は電源が入っている状態であると常時電波を外部へ放つため、電波による機器の誤作動や精度の誤差を誘発することがある。そのためこういった誤動作があってはならない場所である
病院や
航空機の中、また
心臓ペースメーカーの近く(
電車や
路線バスの車内など)では電源を切ることが
マナーとなっているところがある。ただ、実際には携帯電話が心臓ペースメーカーに対して誤動作を引き起こしたという事故が報告された事例は世界中でこれまで認められない。しかしながら、上記の誤作動を誘発する可能性を完全には排除できない以上、混雑時に電源をオフとすることはマナーとして定着させるべきだという意見が大勢を占めている。日本以外の地域では携帯電話使用による心臓ペースメーカーの誤作動の可能性はほとんど問題にされていないため、公共交通機関での電源オフの呼びかけを実施している地域は世界でも日本のみ、もしくは極めて稀である(ただし、日本は諸外国に比してラッシュ時の混雑がすさまじいため、満員電車内では後述の22cmのガイドラインを守れない場合が多く、公共交通機関での電源オフが必要である面もある)。なお、日本においては心臓ペースメーカーと携帯電話の干渉問題に関しては政府などによってガイドラインが定められており、携帯電話のマニュアルならびにペースメーカー利用者向け注意双方において携帯電話はペースメーカーより22cm以上(車載型の場合は30cm)離して使用するように書かれている(このガイドラインはペースメーカー利用者が携帯電話を使うときのためのものである。なお、ペースメーカー装着者の中にも携帯電話利用者がいるのである)。基本的には、心臓ペースメーカーから22cm以上携帯電話を離せないような状況下だけ、電源をオフにすればよいと考えて差し支えはない。つまり、優先座席など心臓ペースメーカー装着者が利用する可能性が高い区画を利用する際は携帯電話利用者側がすすんで電源を切ることが求められているのである。
航空機の機内で利用することにより、航法機器への悪影響を与える可能性もあり、搭乗デッキや機内では、携帯通信端末の電源を切るまたは
オフライン(一切の電波を出さない)モードにすることが求められている。これに反すると、各国の
法律に基づく処罰がなされる場合もある。また、時と場合、場所によっては着信時の音が周囲に迷惑を掛けるということや、
自動車の運転中の通話は交通事故に繋がる恐れが高いということから、着信時にスピーカーより音を発しない
マナーモードと呼ばれる設定が設けられている。日本では2004年(平成16年)11月1日の「
道路交通法」の改正により、自動車を運転中に携帯電話を使用した場合、危険を生じさせたか否かに関わらず罰金が課せられるようになった。
文化作品
携帯電話の出現により、
フィクションジャンルの作品は、その描写に大きな変化を余儀なくされた。例えば本格
推理小説や
サスペンスなどにおいて、雪の山荘、 嵐の孤島といった外界から遮断された状況の惨劇を描写することが少なくなかったが、手元に携帯電話があれば、どこにいても外部と連絡を取る事ができるからである(通話のための電気と電波が確保出来ていればの話ではあるが)。
それとは逆に、「離れている恋人や家族同士が、日常の様々な場所から互いを確かめ合い(時にはすれ違い)語り合うための道具」として携帯電話が登場するシーンは、現在では
小説・
漫画・
映画・
ドラマ・
流行歌といったジャンルを問わず、すでに当り前のものとして広く受け入れられている。その反動として、「携帯電話が普及していない程度」に時代を遡った恋愛劇が作られることもある。
また、携帯電話で執筆しネット上で発表、その作品も携帯電話で閲覧することを念頭に置いた
ケータイ小説が見受けられるようになったほか、新たなツールが世に登場した時は常にそうであったように、近年では携帯電話にまつわる新たな
ホラー・
怪談といったものも登場している。
外装交換
コストダウンの進む携帯電話筐体は、契約(縛り)の長期化に反して通常の使用方法でも1年を待たずして塗装が剥げるなど脆弱さなどが目立つが、それをカバーするため各社は有償(5000円程度)の外装交換に応じており、2008年現在の外装交換は"修理"というよりもユーザーにとっての"お手入れ"の範疇に入りつつある。
脚注
関連項目
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