帝都高速度交通営団(ていとこうそくどこうつうえいだん)は、主として
東京都区内(東京23区)の
地下鉄を運営するためにかつて存在していた
特殊法人(
鉄道事業者)である。
概要
帝都高速度交通営団は
第二次世界大戦(
日中戦争)中に
国家による統制管理のために設置された
経営財団、いわゆる「
営団」の一つである。略称は
交通営団(こうつうえいだん)または
営団(えいだん)。同法人が運営する地下鉄路線を
営団地下鉄と
通称していたため、「営団地下鉄」という企業名称であると思われることもあり、後に帝都高速度交通営団が発行する
プリペイドカード等には「営団地下鉄」の通称が表記されていた。
戦後、
連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ) の指令により同法人以外の営団が
解散もしくは
公団へ移行したため、同法人の解散まで単に「営団」と言えば「帝都高速度交通営団」を指すことが殆どであり、営団線と言えば、その地下鉄路線全体を指していた(公式には使用されないものの、現在でも使われることがある)。
駅の
ロゴ表記は「
地下鉄 SUBWAY」であった。このため、東京で単に「地下鉄」という場合は営団地下鉄~東京メトロの路線を指す場合も多く、「営団○○線」や「地下鉄○○線」といった呼称が多用された(後者は現在も使用されている)。これに関連し、
東京都交通局が運営する
都営地下鉄は、現在に至っても「都営線」「都営○○線」という呼称が使用されることが多い。なお、
英語表記は
Teito Rapid Transit Authorityで、
TRTAという略称もあった。
なお、法人名の中にある「
帝都」とはかつての
大日本帝国の首都、すなわち東京のこと、「
高速度」とは
新幹線のような
高速鉄道の意味ではなく、かつて市内交通の主役であった
路面電車に対して高速という意味である。
4S
営団の団章(シンボルマーク)はSを図案化したものとなっていて、地下鉄 SubwayのSの他に以下の4つのSのつく語(4S)を意味している。
-
Speed スピード
-
Safety 安全
-
Security 正確
-
Service サービス
営団発足から
1960年までは、丸に
トンネルの断面と
レールを配したものが団章として使われていた。Sを図案化したマークは営団初の開業路線である
丸ノ内線のシンボルマークとして同線開業前年の
1953年に初めて登場し、1960年に正式に団章となった。
東京地下鉄への移行の際に、この「4S」の団章を継続して欲しいという意見が多数あったが、結局メトロ(METRO)のMを抽象・図案化した「ハートM」のシンボルマークを採用した。ただし、この団章の
商標権は現在も東京地下鉄が保有している。
営団地下鉄が保有し運営していた路線
(2004年3月31日時点・初区間の開業順)
営団地下鉄が保有していた車両
既に営業運行を終了した車両も含む。
- 銀座線
- 丸ノ内線
- 日比谷線
- 東西線
- 千代田線
- 5000系(北綾瀬支線用・東京メトロが継続保有)
- 6000系(東京メトロが継続保有)
- 06系(東京メトロが継続保有)
- 有楽町線・新線
- 7000系(東京メトロが継続保有)
- 07系(東京メトロが継続保有。その後一部が東西線に転属)
- 半蔵門線
- 8000系(東京メトロが継続保有)
- 08系(東京メトロが継続保有。営団としては最後の新製車両)
- 南北線
営団地下鉄が原因となった事故
営団地下鉄が原因となった事故で、旅客の死亡を生じたのは後にも先にもこの一度のみである。
営団地下鉄が舞台となった重大事件
1963年
9月5日、一連の「
草加次郎事件」中、最も重大な事件となった「地下鉄銀座線爆破事件」が発生した。銀座線
京橋駅に到着直後の列車最前部座席下(車両最前部まで座席を持つ、半室
運転台構造の戦前型車であった)に仕掛けられた手製の
時限爆弾が爆発。乗客13名が重軽傷を負った。翌日
女優の
吉永小百合宛に、草加次郎名で100万円を要求する脅迫状が送付されるが、未遂に終わり、以後行方をくらました。犯人は検挙されないまま
1978年9月5日に
時効が成立した。
営団地下鉄から東京地下鉄(東京メトロ)へ
帝都高速度交通営団(以下、営団)の
民営化については、
1995年の
閣議で
南北線もしくは
半蔵門線が完成した頃を目途に、第一段階として
特殊会社化する方針を閣議決定した。その後、
2001年12月に当時の
小泉内閣が約160あまりの特殊法人・
認可法人を対象とした特殊法人改革基本法を閣議決定し、その中で営団を半蔵門線延長開業後の翌年である2004年春に特殊会社化することを決定した。このような民営化は
国鉄民営化と比較されることがあるが、国鉄民営化の場合は巨額の
債務によって実質的に
経営破綻を起こしていたのに対し、営団は
国の
行政改革の一環として特殊法人改革を行っていたことに由来する。そのため経営には問題はなく、また地下鉄建設の必要性が残っており民営化には反対意見が多かったが、営団も例外とせず民営化の対象とした。同法案作成時に新会社名を「東京地下鉄株式会社」と定めたことから新会社名もこの段階で事実上決定した。
新会社では、新株発行・代表取締役選定など重要な事項に関しては行政機関との協議・
認可が必要であるが、事業計画・
決算は国(
国土交通大臣)への報告のみとなる。またそれ以外の関連事業・
社債募集などは営団時代では国の認可が必要であったが、新会社ではこれが不要となる。その他、発足段階では国と東京都が新会社へ
出資(出資率は国が53.4%、都が46.6%)しているが、将来的には全
株式を
上場させ、完全民営化させる計画になっている。
ちなみに
メトロとは
フランス語で
地下鉄と言う意味。
出典
関連項目・人物
ていとこうそくとこうつうえいたん
ていとこうそくとこうつうえいたん
歴