内閣不信任決議(ないかくふしんにんけつぎ)は
国会における議決の一つである。
概説
- 第69条
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内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない
仮に同決議が衆議院において可決した場合、当該
内閣は10日以内(可決当日算入)に不信任を突きつけた
衆議院を解散するか、
内閣総辞職をすることが憲法上義務付けられており、政権と対抗する
野党にとっては最後にして最大の武器である。この絶大な効力こそ、まさに「
伝家の宝刀」と言われる由縁である。
しかし、慣例として認められる
一事不再議原則により同一会期中に1度しか提出できない上、
議院内閣制の下では
与党が議席の過半数を占めている事例が多く、可決した事例は4例と少ない。しかし、政権与党と対決色を示したい野党から国会会期末に提出されることが度々ある。また、不信任決議案の提出後に採決に掛ける前に内閣の方から解散をした事例、不信任決議案を提出されたら可決されるのが確実な政局において内閣総辞職をした事例もある。多くは、内閣が解散を実行することが確実になった段階で、野党が呼応して内閣不信任決議案を提出し、その直後に解散を宣言したものである。
一般的に採決方法は記名投票であるが、あまりにも大差であることが判明している場合は起立採決が行われる。
1975年7月3日の三木内閣不信任決議案及び
1982年8月18日の鈴木内閣不信任決議案の2例(いずれも起立少数で否決)がある。
また、内閣提出の
予算の否決や大きな修正も、内閣は施政方針で示した政策を遂行することが不可能になるので、事実上の不信任とみなされ、内閣は総辞職または衆議院の解散をするのが慣例とされている。
参議院では、法的拘束力のない
問責決議が行われることがあるが、こちらは合議体の内閣に対してでなく
内閣総理大臣など個別の大臣に対するものとなっている。
内閣信任決議
内閣不信任案決議と正反対のものとして、内閣信任決議がある。こちらが否決された場合は、内閣不信任決議が可決された場合と同じ効力がある。しかし、議院内閣制での下では与党が過半数を占めている事例が多く、あえて政府が信任案を提出して決議する必要がないこと、さらに日本の場合は、国会で投票により
総理大臣を指名するため、これが内閣信任決議と同じ意味をもつことから、あえて信任を決議する必要がなく、提出されることは極めて稀である。
内閣信任決議案が提出されるのは、内閣信任決議案が内閣不信任決議案に優先して審議される慣例であるため、野党から内閣不信任決議案が提出されそうなときに、与党が対抗のために提出するケースがほとんどである。あるいは国会において野党が
議事妨害のひとつとして、議事の引き延ばしのために、個別の閣僚に対して不信任案を乱発することがある。その場合、閣僚の数だけ不信任案の採決を行うことが可能であるため、議事運営は引き延ばされることとなる。これに対する与党側の対抗策として、内閣信任決議を行う事がある。一事不再議原則によって信任決議可決と不信任決議案否決は同等の意味を持つため、信任決議を可決してしまえば、その会期中はもう不信任決議案を出せなくなるからである。
日本国憲法下での採決例
現在までに以下の2例のみ採決されている。
内閣不信任上奏
大日本帝国憲法においては、内閣総理大臣及び国務大臣の任免権は
天皇が有していたため、
帝国議会衆議院には直接内閣不信任を決議する事は出来なかった。このため、天皇に対して現在の政府を信任していない旨について
上奏を行う決議を行って天皇に善処を求めた。
上奏に法的な強制力は無かったが、帝国議会両院の上奏権が
大日本帝国憲法第49条によって保障されている以上、何らかの対応を採る必要があり、結果的に時の内閣は総辞職か衆議院解散、もしくは天皇の
詔勅による仲裁(事実上の政府側の譲歩)などの措置を取ることになった。
内閣不信任決議案・内閣信任決議案が本会議に提出された事例
太字は、可決された内閣不信任決議案。
*1 内閣不信任決議案が国会に提出されたが、衆議院が解散 (
7条解散) されたため、本会議での採決に至らなかったもの。日付は解散日とした。
*2 内閣不信任決議案が国会に提出されたが、内閣が総辞職したため、本会議へは上程されなかったもの。日付は便宜上、総辞職日とした。
*3 内閣不信任決議案が国会に提出されたが、本会議上程前に会期終了となり廃案となったもの。日付は会期終了日とした。
*4 本会議に上程して採決するには至らなかったが、もしされていたら可決が必至だったもの。
その他
ドイツのように下院が内閣信任決議を否決するか内閣不信任決議を可決しないと下院を解散できない場合、与党が内閣信任決議を否決して解散総選挙を行う例がある。またドイツでは内閣不信任決議を提出する際には必ず後継首相も同時に明示しなければならない(建設的不信任制)。
記録
- 内閣不信任決議が未採決である内閣の最長記録 - 海部内閣 818日間
- 組閣から内閣不信任決議採決までの期間が最短の内閣 - 第2次吉田内閣 67日後(1948年10月15日組閣・12月23日採決)
関連項目