佐賀県(さがけん)は、
日本の
都道府県のひとつで、
九州地方の北西部に位置する
県。
日本海と
有明海の二つの海に接する。県西部には
陶磁器の産地として古くから有名な
唐津・
伊万里・
有田などがある。<古代には「肥前」、中世には「佐嘉」とされたが、
明治維新の時に「佐賀」と改められた。この「佐嘉」の名は、
日本武尊が今の佐賀を訪れた時、楠が大きく茂っている様子を見て「この国は『栄の国』と呼ぶがよかろう」と述べた、という
肥前国風土記の記述に由来するといわれている。
地理
佐賀県本土は、九州に含まれる。北東部は
脊振山地が福岡県との県境をなし、南東部は
福岡県側まで続く
筑紫平野(
佐賀平野)が大部分を占める。
東松浦半島から
多良岳山系にかけての県西部は溶岩台地と緩やかな丘陵地により構成されている。
森林面積の3割強を占める
自然林・二次林はほとんどが
常緑広葉樹林で、
玄界灘沿岸部には
照葉樹林も見られる。残りの7割弱は
スギと
ヒノキを中心とする人工林で、人工林率(66%、2002年)は日本の都道府県の中で最も高い。
北東部の
脊振山地は
スギが大半を占める人工林で
林業が主要産業となっている。現在の唐津市南部や多久市周辺の
丘陵地帯では
石炭採掘がかつて盛んであったが、今では跡が残るだけである。南東部の
佐賀平野は稲作を中心とした穀倉地帯で、各種
農産物が生産されるが、近年は農産物の種類が変わってきている(#産業参照)。県西部は温帯林と田畑が交互に連なり、各地域の特徴にあわせたさまざまな産業形態が見られる。
県南部の多良岳が活動していない火山であるほかは、県内に
火山はない。しかし、各地に多数の
温泉が点在し、保養地・観光地となっている。
地震の被害を受けることは比較的少ないが、梅雨などの大雨による
洪水、
台風の被害は多い。
韓国など
アジア地域に比較的近いが、海上輸送は旅客では
博多港や
北九州港、
長崎港などに押されてほとんど発展していない。貨物は伊万里港が九州3位のコンテナ取扱量となっている。陸上輸送については鳥栖市など県東部は
高速道路網・
鉄道網の分岐点となっており、九州での陸上輸送の要となっているが、
有明海沿岸や玄界灘沿岸などは長距離輸送や都市間交通がやや不十分である。空中輸送では1998年に開港した
佐賀空港が使用されているが、旅客では便数の面などから近隣の
福岡空港や
長崎空港のほうが利用頻度が高い。
- 県の領域
- 北端 唐津市加唐島エヌオノ鼻 - 北緯33度36分57秒
- 東端 鳥栖市飯田町 - 東経130度32分31秒
- 南端 太良町大浦甲(竹崎) - 北緯32度57分1秒
- 西端 唐津市馬渡島大瀬 - 東経129度44分12秒
地形
- 平野
- 山
-
脊振山地(筑紫山地)、多良岳山地
-
経ヶ岳(県内最高地点・1,076m)、脊振山(1,056m)、天山(1,046m)、多良岳(996m)、井原山(982m)、金山(967m)、雷山(955m)、羽金山(900m)
- 丘陵地
- 河川・湖沼
- 海
- 半島
- 島
- 玄界灘側 : 高島(たかしま)、神集島(かしわじま)、小川島(おがわじま)、加唐島(かからじま)、松島(まつしま)、馬渡島(まだらじま)、加部島(かべしま)、向島(むくしま)
- 有明海側 : 沖ノ島(おきのしま)
-
自然公園
-
国立・国定公園としては、県内では唯一、玄界灘沿岸が玄海国定公園に指定されている。
-
県立自然公園では、黒髪山県立自然公園、多良岳県立自然公園、天山県立自然公園、八幡岳県立自然公園、脊振・北山県立自然公園、川上・金立県立自然公園の6か所が指定されている。
気候
佐賀県は、
日本の中では比較的
気候が温暖である。日本を広域的に見た場合、県内全域が
太平洋側気候に入るが、北部の玄界灘沿岸部は
日本海側気候にも近い。台風の通過・被害が多いが、九州のほかの県と比べると少ない方である。
山地と
平野が入り組んでいるため、県内の気候は大きく3つに分かれる。
-
佐賀市を中心とした南部の平野部
夏に降水量が多く、冬は少ない。年間を通しても降水量1800mm程度である。気温は
熊本市などの
盆地に近い傾向で、1日の気温差が大きい傾向にあり、夏は最高気温が35℃を超えることもある。海抜が低いため水害(洪水)が多いほか、有明海から吹き付ける塩分を含んだしぶきが塩害を発生させることも多い。また、内陸のため冬季を中心に乾燥しやすい。
-
唐津市、伊万里市などの北部の玄界灘沿岸
夏も降水量が多いが、冬も季節風の影響で降水量が比較的多く雪も年に数回記録される。海洋性気候を呈し、1日の気温差が小さい傾向にあり、夏の最高気温が35度を超えるようなことはほとんどない。
-
嬉野市嬉野町、佐賀市三瀬村などの山間部
三瀬村で年間降水量約2400mmとなっており、全体的に降水量は多く、特に夏に多い。1年の気温差、1日の気温差が共に大きい。冬は県内では特に低温となり、雪や霜の日数も多い。平年の
天山の初冠雪は
12月4日。
土地利用
- 総面積 2439.31 km² のうち、
-
森林・荒地 49.2% - 全国平均より3割ほど少ないが、少ない分が耕地になっている。
- 森林面積 1096.9 km² - 2000年、全国第42位。人口、面積と同じ順位。
-
耕地 39.1% - 全国平均の2倍で、耕地として使用できる土地が広く農業が盛んといえる。
-
住宅地 6.8% - 全国平均の1.4倍である。一軒あたりの用地が広く、住宅が密集していないといえる。
-
その他 4.9% - 全国平均とほぼ同程度。
- 可住地面積割合 54.9% - 2002年、全国第9位。住宅を立てやすい平らな土地が多いといえる。
歴史
県名の由来
県名である「佐賀」は
佐賀郡からとったものだが、古来は「佐嘉」の表記も使われており、
明治維新の時に「佐賀」に統一された。「佐嘉郡」は、
風土記の一つである
肥前国風土記に記された、以下の記述に由来すると言われている。
これは、「日本武尊が御巡幸の時、楠樹の栄え繁る有様を見られ、この国は『栄の国』と呼ぶがよかろう、と申され、その後『栄の都』といい、改めて佐嘉郡と呼ぶようになった。」といった意味である。
また、「佐嘉郡」の由来としては、もう1つ説があり、同じく肥前国風土記の以下の記述に由来する。
これは、「郡の西にある佐嘉川(現在の
嘉瀬川にあたる。)という川があり、「荒ぶる神」によって川が氾濫し多くの人々が亡くなっていた。これを鎮めるために、土蜘蛛(天皇に恭順しない土着の豪傑を意味する蔑称。)の2人の賢女(さかしめ)が「下田の村の土で人形や馬形を作り、神を祀れば、鎮まるでしょう。」と言い、大荒田がその通りにしたところ、氾濫が鎮められた。大荒田はこの2人の賢女を讃え、この地域を「賢女の群(さかしめのこおり)」と呼ぶようにした。現在はこれが訛って佐嘉の郡(さかのこおり)と呼んでいる」といった意味になる。
古代
古代から稲作文化が栄え、稲作の痕跡が見られる
菜畑遺跡、弥生時代最大級の環濠集落である
吉野ヶ里遺跡などの
遺跡がある。『
魏志倭人伝』にみえる「末廬国(まつらのくに)」が現在の唐津地方にあったとされている。また、
前方後円墳をはじめとした
古墳が数多く残り、統治者の影がうかがえる。また弥生時代に最も栄えた九州北部地方に見られる
甕棺墓がある。
中世・近世・近代
鎌倉時代から室町時代にかけて、百以上の一族が地頭として配置されていたと考えられている。その中でも規模が大きかったのが、
九州千葉氏、高木氏、綾部氏、
松浦氏、
少弐氏、
波多氏、
後藤氏などであった。また、玄界灘沿岸は
松浦党の影響力も強かった。戦国時代に入って、
龍造寺氏が一気に勢力を伸ばし、肥前・肥後北部・筑後・筑前南部まで領地を広げた。
龍造寺隆信の死後
鍋島直茂が国政の代行を行うようになり、
1607年には龍造寺氏の支配領をほぼすべて
鍋島氏が継承することとなった。しかし、この前後に両一族の確執があり、
鍋島藩の化け猫騒動の話を生み出したともいわれている。一方、唐津藩では波多氏が
改易されて寺沢氏に換わり、唐津藩の初代藩主となった。
江戸時代は、
佐賀藩そして支藩の
蓮池藩、
鹿島藩、
小城藩の3藩、
唐津藩が置かれたほか、現在の鳥栖市・基山町付近に
対馬府中藩の田代領、唐津市浜玉町付近に同藩浜崎領があり、それぞれ対馬府中藩の飛地となっていた。また、現在の唐津市浜玉町海岸部や唐津市南東部などが
幕府直轄領となっていた。
佐賀藩およびその支藩は鍋島氏とその庶流家、龍造寺氏の分家などによる支配が続き、政治的には比較的安定していた。しかし、
長崎の警備費用がかさむなどして財政は当初から厳しく、
享保の大飢饉や
1828年のシーボルト台風による甚大な被害はそれに拍車をかけた。ただ、広大な
有明海の
干拓によって農地を拡大できるという地の利もあり、江戸時代初期から盛んに干拓が行われたことで、1840年代には約67万石と、200年前の2倍近くにまで石高を伸ばすことに成功している。また、19世紀中ごろに入って
鍋島直正は財政の建て直しに努め、役人の削減、
有田焼や
茶・
石炭といった特産品の保護育成に努めた。また、地理的に長崎に近いため入手が比較的容易であった海外の情報を手に入れ、
反射炉や
蒸気機関車模型といった先進的な科学技術の研究も進めた。
佐賀藩は
戊辰戦争以降、
明治維新に尽力する人物を多く輩出した。
明治時代には杵島郡や東松浦郡などの炭鉱の近代化が進み、鉄道の建設がそれを後押しした。しかし、労働環境の問題なども生じるようになった。農村では近代化は顕著ではなかったが、1930年代の「佐賀段階」による増産で技術が一新された。
現代
県内の都市は比較的規模が小さかったため、
太平洋戦争末期の空襲の被害は近県に比べて少なかったが、戦後の発展も著しいものではなかった。商業の発展はある程度あったものの、従事者や生産額ともに
第一次産業の比率が比較的高かった。1960年代の「新佐賀段階」により農業は発展を見たものの、
減反が進んだことに加えて炭鉱の閉鎖が加速し、過疎化が進んだ。
沿革
人口
年齢構成
総人口の推移
政治
行政
- 知事
- 現職:古川康平成15年(2003年)4月23日~(2007年再選、第55代・56代)
- これ以前の歴代知事については佐賀県知事一覧を参照。
- 佐賀県組織構成の概要
- 統括本部
- くらし環境本部
- 健康福祉本部
- 農林水産商工本部
- 県土づくり本部
- 経営支援本部
- 出納局
- 東部工業用水道局
- 議会事務局
- 選挙管理委員会事務局
- 教育委員会事務局
- 人事委員会事務局
- 労働委員会事務局
- 監査委員事務局
- 海区漁業調整委員会
県議会
- 詳細は佐賀県議会を参照。
- 定数41、2007年4月8日改選(投票率66.55%)。任期は2007年4月30日から2011年4月29日まで。
- 選挙区区分と議席配分
- 佐賀市(10)、唐津市・東松浦郡(7)、鳥栖市(3)、伊万里市(3)、三養基郡(3)、鹿島市・藤津郡(2)、神埼市・神埼郡(2)、佐賀郡(2)、杵島郡(2)、武雄市(2)、小城市(2)、西松浦郡(1)、多久市(1)、嬉野市(1)
- 委員会
- 常任委員会
- 総務常任委員会(10人)、文教厚生常任委員会(11人)、産業常任委員会(10人)、県土整備常任委員会(10人)
- 特別委員会
- 議会運営委員会(11人)
- 会派別議員
国会
- 参議院
- 佐賀県選挙区:岩永浩美 (自民、2004年改選)、川崎稔(民主、2007年改選)
財政
概要
平成18年度
- 標準財政規模 2229億3500万円
-
財政力指数 0.31631 ( 都道府県平均 0.46 )
- 佐賀県は財政力指数が0.3~0.4のⅢグループ(11自治体)に分類されている
- 経常収支比率 90.9% ( 都道府県平均 92.6 )
- 実質収支比率 1.5
- 実質公債費比率 17.3% ( 都道府県平均 14.7 )
- 債務負担行為に基づく借金返済分を含んでいる。(含めていない自治体もある) この要因を除くと同指標は14.2%となる
- 人口100,000人当たりの職員数 1,574.56人 ( 都道府県平均 1,173.11人 )
- 平成17年4月1日から平成22年4月1日までの削減見込みは純減数278名、純減率6.1%を見込んでいる (事実上団塊世代の職員退職に対して、新規採用を絞っていくものと予測される)
-
ラスパイレス指数 99.5 ( 都道府県平均 99.6 )
- ラスパイレス指数は国家公務員の給料部分のみの比較で、すべての職員手当を除外してある指数である(民間のボーナスに相当する期末・勤勉手当も除外した指数)
- 人口一人当たり地方債現在高 (普通会計分の債務のみ) 72万6369円 ( 都道府県平均 62万2416円 )
地方債残高
- 普通会計分の地方債現在高 6308億9600万円
- 上記以外の特別会計分の地方債(企業債)現在高 117億0700万円
平成17年度
-
一般会計予算総額 4270億3000万円 (平成17年度当初予算)
- 歳入のうちの自主財源割合 34.1%、1456億0700万円 (平成17年度当初予算)
- 歳入のうちの県税収入割合 16.7%、727億5500万円 (平成17年度当初予算)
- 歳入のうちの依存財源割合 65.9%、2814億2300万円 (平成17年度当初予算)
- 歳入のうちの地方交付税割合 31.9%、1360億8200万円 (平成17年度当初予算)
- 県債残高 6258億円 (平成17年度)
治安・防衛
- 自衛隊
- 海上保安庁
- 警察
-
佐賀県警察
- 交通機動隊(佐賀市)
- 高速道路交通警察隊(佐賀市)
- 鉄道警察隊(佐賀市)
- 機動隊(佐賀市)
- 航空隊(佐賀市)
- 有明海機動警ら隊(白石町)
- 警察学校(佐賀市)
- 運転免許試験場(佐賀市)
- 運転免許センター(佐賀市)
- 警察署:佐賀、諸富、神埼、鳥栖、小城、唐津、伊万里、武雄、白石、鹿島
- 消防
- 各市町村や広域連合等が消防局・広域消防局を置いている。
県政の課題・主な政策
- ネットモニタリング - 危機管理・広報課が「佐賀」や「古川康」などのワードを含む書き込みについてチェックを行い、内容によってお礼や説明などの対応をとっている。一部からは「ネット監視」との強い批判もある。http://www.saga-chiji.jp/kaiken/06-11-1/shitsumon14.html
- 城原川ダム建設問題 -建設賛成派と反対派に別れ対立が続き、計画策定後28年経過した現在まで着工に至っていない。→詳しくは城原川ダム参照。
- 玄海原発プルサーマル問題 - 玄海原子力発電所へのプルサーマル導入について、全国に先駆けて地元と県が了承したものの、安全性などへの不安を理由とした政治問題となっている。→詳しくは玄海原子力発電所参照。
- 九州新幹線長崎(西九州)ルート問題 - 九州新幹線長崎(県は西九州の呼称を用いる)ルートの武雄温泉 - 諫早間の建設をめぐり、JRより経営分離される並行在来線と指定された長崎本線沿線の鹿島市・江北町が反対していたため、着工できない状態が続いていた。2007年12月のいわゆる「三者合意」によりこの2市町の反対の意思をいわば「無視」する形で着工が決まった。『県民だより』の建設推進ありきの広報活動に対する批判も起きた。また、県も建設に疑問を持つ県民が多いことを認めており、今後理解を求める活動を行う、としている。→詳しくは九州新幹線長崎ルート参照。
経済・産業
県内総生産は
2005年時点で名目が2兆9,399億円、実質が3兆1,929億円。ちなみに
2000年時点では名目で2兆9070億円、
2003年時点では名目で2兆8,223億円となっており、1990年代後半以降は2兆9千億円前後で推移している。
産業別就業者数(2005年)では、
第一次産業が11.0%、
第二次産業が24.8%、
第三次産業63.8%と、ほかの都道府県に比べて第一次産業の割合が多い。
統計
- 所得・生活
- 1世帯あたり人員 2.94人(2005年、全国3位の多さ)
- 一人当たり県民所得 245万3000円(2004年度)
- 常用労働者の一人当たり月間給与額 32万5863円(2002年度)
- 1人1日当たりごみ排出量 884g(2004年、全国最少)
- ようかんの合計購買金額が全国1位。(2005年、佐賀市、全国49都市中)
- 産業
- 農業産出額 1342億円(2002年)
- 製造品出荷額等 1兆3971億1800万円(2002年)
- 商業年間商品販売額 1兆8750億円(2002年度)
- 年間観光客数 3032万1千人(2005年)
- その他
- 耕地利用率 132.6%(2004年、全国1位の高さ)
- 道路舗装率 94.8%(2002年4月)
- 年間総労働時間 1,956 時間(2002年、全国最長)
- 人口10万人当たり薬局数 58.8(2005年、全国最多)
- 人口1,000人あたり消防団員数 23.8人(2003年、全国最多)
- 詳しくは佐賀県 統計のページを参照。
第一次産業
- 農業
佐賀県は、県の面積に対する耕地の割合(耕地率)が24%、耕地面積に対する作付面積の割合(耕地利用率)が133%と、ともに日本全国の中でも高く、農業が盛んな県である。主要農産物の
米は特に力が入れられており、1930年代、1960年代には1反当たりの収量が日本一となり、その原動力となった効率的な農業手法の改良は「
佐賀段階」と呼ばれた。
高度経済成長期前には佐賀県の農業生産額の半分を米が占めていたが、
減反などの影響で25%程度に減少した。その代わりに、野菜、果実、畜産物の占める割合が約6割に上昇している。
また、米の生産額の割合は減っているが、依然佐賀県の耕地の4分の3は
水田であり、米作りは盛んである。品種別では
ヒノヒカリ、
コシヒカリ、
夢しずくなどが多い。また、ヒヨクモチを中心とした
もち米の生産は非常に多く、生産量では全国1位(2002年)となっている。
穀物では、冬も温暖な気候ということもあり、米を表作とした
二毛作を行っており、裏作に当たる
小麦や
大麦などの生産が多い。
二条大麦の年間収穫量は34,000トン(2006年)で全国最多。
大豆の年間収穫量は14,200トン(2005年)で全国4位。
野菜では、
タマネギ、
レンコン、
大豆の生産が多い。
塩害に強いため
干拓地で多く栽培されるたまねぎの年間収穫量は162,400トン(2006年)で全国2位。
脊振山地(
筑紫山地)では、標高が高いため降水量が多く冷涼な気候を生かして小規模ながら高原野菜の栽培も行われている。
果実では、
イチゴ(主要品種は、さがほのか、とよのかなど)、
ミカン、
ナシなどの生産が多い。ミカンの収穫量は年々減少傾向にあるが、
ハウスみかんの年間収穫量は11,200トン(2005年)で全国1位、シェア約22%となっている。
畜産では、九州の他県と同じように、
鶏、
肉牛、
豚の飼育頭数は多い。
伊万里市などでは、「
佐賀牛」(「伊万里牛」)というブランド名での肉牛の飼育が盛んである。
国内の農産物消費の頭打ちなどを考慮し、米や果実、牛肉などを「佐賀ブランド」で輸出する試みも行われている。
- 漁業
佐賀県では、県北部の
日本海(玄界灘)を『松浦海区』、県南部の有明海を『有明海区』と区別しており、特徴も違う。
南部の有明海では、
海苔の生産が特に多く、貝類の漁獲量も多い。板のりの年間収穫量は21億8,570万枚(2005年)で全国1位、シェア約22%である。逆に
魚類や
イカ、
タコ、
エビなどの漁獲量は極端に少ない。近年は漁獲量の変動が激しくなっており、就業者の減少も加わり、水産業の衰退が進んでいる。有明海では1990年代以降、海苔の不作や
タイラギなどの不漁が増加しており、
諫早湾干拓事業の影響とみた漁業者が反対運動を起こしている。
北部の玄界灘では、
アジ、
サバなどの魚類や
イカ、
タコ、
エビなどの漁獲量が多い。以上の水産物で佐賀県の松浦海区(日本海)での漁獲量の9割以上を占めている。呼子漁港、仮屋漁港、
唐津港などで水揚げ量が多い。
第二次産業
- 鉱業
県内では明治時代から本格的な
石炭の採掘が始まった。杵島炭鉱や古賀山炭鉱、唐津炭田の諸炭鉱など、炭鉱は県中部や北西部に集中しており、最盛期には賑わいを見せた。しかし1950年代以降、埋蔵量・採掘量の減少やエネルギー政策の転換により規模は縮小し、1970年代までにすべての炭鉱は閉山した。
- 製造業
佐賀県では、日本全体の特徴でもある
重化学工業の出荷額の多さも持っているが、特に食品の出荷額が多い。また、
窯業の出荷額が占める割合が大きい(下の項目参照)。工業出荷額自体は、
1960年代から
1980年代にかけて大きく伸びている。
地域的には九州の交通の要衝である
鳥栖市や、県庁所在地の
佐賀市周辺で工業が盛ん。鳥栖市には、特に多くの企業の工場が進出しており、周辺の
福岡県久留米市などとともに一大工業地帯を作っている。また、
伊万里湾では、
造船も盛んである。
自動車部品、機械、半導体部品などの製造は比較的盛んであり、
シリコンウェハーについては年間生産額が全国最多の769億8,700万円(2003年)となっている。
雇用創出や税収増加、人口流出の抑制を狙って、1980年代ごろから工場団地への工場誘致が盛んになった。現在も市町村や県が中心となって工場誘致を行っている。
- 窯業
有田町など佐賀県西部では、
陶磁器関係の産業が特に盛んで、
有田焼、
伊万里焼、
唐津焼などのブランドも多い。特に有田町は佐賀県の陶磁器生産量の6割を生産しているなど、窯業が盛んである。陶磁器の年間出荷額は、有田町の200億円~300億円を始め、伊万里市などで多い。
- その他
全国でも有数の米どころであることもあり
清酒の醸造が盛んで、
鎌倉時代には「肥前酒」として幕府に献上していた。製造、消費共に清酒より
焼酎が多い傾向が強い九州においては異色となっている。
第三次産業
- 商業
佐賀県の商業は、盛んではないが、最近では大規模な
ショッピングセンターの建設が増加している。また郊外の商業施設の発展による市街地の商店街の荒廃が各地で進んでいる。
福岡市や
久留米市など、周辺の県内よりも大規模な商業街への客の流出も問題となっている。
- サービス業
サービス業人口は多いが、他県と比べて大きな特徴は見られない。
観光業については、観光資源は多数あるものの、その活用やPRがうまく進んでいないとされている。2005年からは知事が「ファミリーツーリズム」という考え方を提唱し、親・子・孫の三世代旅行を誘致する施策を展開している。
http://www.welcome-saga.jp/
- 運輸・通信業
福岡や長崎といった運輸・貿易の集中地帯の中継地としての役割もあり、
鳥栖ジャンクションを中心として高速道路沿いや幹線道路沿いに、運輸業や倉庫業の事業所が多い。
佐賀県内に本社を置く企業
卸・小売業
製造業
建設業
サービス(その他)
金融業
情報通信業
旅館業
テーマパーク業
県内に拠点事業所を置く企業
- 工場
地域
市町村
市町村合併により2005年1月から市町村数は減少し(2004年12月時点では7市8郡38町4村〔49市町村〕だった)、
2007年10月1日現在、以下の10市6郡10町(計20市町)がある。なお、2006年3月20日に脊振村が神埼市になったのを最後に、佐賀県内の村は全て消滅した。佐賀県では、江北町が「まち」としている他は、「町」はすべて「ちょう」と読む。
- 広域市町村圏
- 佐賀地区広域市町村圏 - 佐賀市、多久市、小城市、神埼市
- 唐津・東松浦広域市町村圏 - 唐津市、玄海町
- 鳥栖地区広域市町村圏 - 鳥栖市、上峰町、基山町、吉野ヶ里町、みやき町
- 伊万里・北松地域広域市町村圏 - 伊万里市、有田町
- 杵藤地区広域市町村圏 - 武雄市、鹿島市、嬉野市、白石町、大町町、江北町、太良町
- 地方拠点都市地域
- 佐賀地方拠点都市地域 - 佐賀市、多久市、小城市、神埼市
- 唐津・東松浦地方拠点都市地域 - 唐津市、玄海町
主要社会基盤
-
上水道事業者
- 佐賀東部水道企業団 - 神埼市、川副町、東与賀町、吉野ヶ里町、基山町、上峰町、みやき町に供給
- 佐賀西部広域水道企業団 - 多久市、武雄市、小城市、嬉野市、大町町、江北町、白石町、久保田町に供給
- 西佐賀水道企業団 - 小城市南東部、久保田町、白石町東部に供給
- 佐賀市、鳥栖市、唐津市、伊万里市、玄海町、鹿島市、太良町は各市町の水道局等が供給。
-
都市ガス事業者
- 佐賀ガス(13A) - 佐賀市に供給
- 唐津ガス(13A) - 唐津市に供給
- 鳥栖ガス(13A) - 鳥栖市に供給
- 伊万里ガス(13A) - 伊万里市に供給
教育
大学・短期大学
- : 佐賀県の大学進学率は37.4%。(2003年高校卒業者)
専修学校
高校
特別支援学校
学校教育以外の施設
健康・福祉
- 人口構成・健康に関する指標
- 平均年齢 42.1歳(2002年)
- 年少人口割合 15.8%(2002年) - 全国3位。
- 生産年齢人口割合 62.8%(2002年) - 全国38位。
- 老年人口割合 21.4%(2002年) - 全国21位。
-
合計特殊出生率 1.56(2002年) - 全国4位。
- 人口1000人当たり死亡率 9.0(2002年) - 全国18位。
-
平均寿命(厚生労働省『都道府県別生命表』より)
- 男性 76.95歳(2000年) - 全国44位。
- 女性 85.07歳(2000年) - 全国13位。
- 障害者の更生・療護・授産施設
- 希望の家
- 佐賀春光園
- 長光園
- かささぎの里
- 鹿島療育園
- るりこう苑
- 佐賀整肢学園・オークス
- 聖華園
交通
佐賀県は、昔から地理的に重要な交通拠点であった。
江戸時代ごろまでは、
長崎街道や鹿児島街道など
運輸・
防衛・
産業の面で重要な道を中心に交通が発達していた。また、南東部の
佐賀平野では、
運河や
クリークを利用した
水運が盛んであった。
明治に入って、鳥栖-佐賀-長崎の間に順次
鉄道が開通。また、福岡-唐津-多久-佐賀のルートに
石炭輸送目的の鉄道が開通した。これらにより輸送速度が飛躍的に伸びた。しかし、このころはまだ周辺の
農村への交通はほとんど発達していなかった。周辺交通が整備されだしたのは、
戦後の復興期、産業建て直しのためだった。しかしその後の
高度経済成長により、県の人口が減少し始めると同時に石炭産業が終わりを迎え、石炭輸送目的中心の交通網整備は方向転換を余儀なくされた。
空港
鉄道
- 県内の主要な駅は、佐賀駅、鳥栖駅、唐津駅、伊万里駅などである。
バス
- 県内の主なターミナルは佐賀駅バスセンター、大手口バスセンター、伊万里バスセンター、鹿島バスセンター、嬉野温泉駅など
道路
船舶
- 旅客
- 唐津東~印通寺(九州郵船)
- 唐津~高島(唐津市漁業協同組合高島支所)
- 湊~神集島(唐津市漁業協同組合神集島支所・ユージングボート宇野)
- 呼子~印通寺(壱岐・対馬フェリー)
- 呼子~小川島(川口汽船)
- 呼子~加唐島(加唐島汽船)
- 呼子~馬渡島(郵正丸)
- 呼子~松島 (新栄)
- 浦ノ崎~福島(金子廻漕店)
- 星賀~鷹島(松尾フェリー)
- 星賀~向島(向島丸)
-
有明海側では特に就航している航路はない。
- 貨物
- 伊万里港(重要港湾)
- 釜山航路(韓国・興亜海運株式会社)
- 大連・青島航路(中国・民生輪船有限公司)
- 上海航路(日本・神原汽船株式会社)
- 華南ラウンド航路(韓国・興亜海運株式会社)
-
唐津港(重要港湾)
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
-
城跡・史跡
-
寺社
- 主な文化施設・観光施設
-
祭り
- その他の催事
- 自然
- 温泉
- 焼き物関連
- 窯元、店、陶磁器文化施設や、有田焼最大のイベント有田陶器市など (有田町、伊万里市、唐津市)
- その他
- 炭鉱跡やボタ山 (多久市周辺)
- 呼子の朝市 (唐津市呼子町)
- 見帰りの滝や鵜殿石仏群 (相知町)
有形文化財建造物
-
重要伝統的建造物群保存地区
- 浜庄津町浜金屋町 (鹿島市)
- 浜中町八本木宿 (鹿島市)
- 塩田津 (嬉野市)
- 有田内山 (有田町)
文化財
-
有形文化財
-
史跡
- 丸山遺跡(佐賀市)
- 東名遺跡(佐賀市)
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銚子塚古墳(佐賀市)
-
吉野ヶ里遺跡(神埼市)
-
菜畑遺跡(唐津市)
- 中原遺跡(唐津市)
-
久里双水古墳(唐津市)
-
名勝
- 主な天然記念物
- 川古、白角折神社、佐賀城址、与賀神社、稲佐神社、海童神社、青幡神社などのクスノキ
-
カササギ生息地
- 屋形石の七ツ釜
- エヒメアヤメ自生南限地帯
- 千石山サザンカ自生北限地帯
- 高串のアコウ北限地帯
- 嬉野の大チャノキ
- 加部島暖地性植物群落
- 黒髪山カネコシダ自生地
文化
方言
伝統産業・特産品
-
鳥栖市の医薬品産業、佐賀市諸富町の家具産業は伝統産業が現代経済に取り入れられ成長した産業である。
-
有田焼、唐津焼、志田焼、黒牟田焼、多々良焼、肥前吉田焼など、西部には歴史ある焼き物が多い。ただし、東部にも肥前尾崎焼や白石焼といった伝統的な焼き物が存続している。有田焼は特産品や地場産業、そのほかは伝統産業となっているところが多い。
- 佐賀錦(鹿島錦)や鍋島緞通、肥前ビードロなどは伝統的な工芸品として継承されている。
- 玄界灘沿岸での捕鯨は安土・桃山時代に始まり江戸時代中期に最盛期を迎えたが、近代以降は行われなくなった。
-
有明海沿岸は日本一の海苔産地として知られ、贈答品向けの高級品が多い。また、同沿岸ではムツゴロウ、ワラスボ、シオマネキなどの生物が棲息しているが、同時に古くから郷土料理に用いられてきた。
- 神埼市神埼町の神埼そうめん、小城市小城町の小城羊羹などは、古くからの伝統産業を受け継いだ特産品である。
- 郷土料理には、嬉野茶、松露饅頭、丸ぼうろ、逸口香、けえらん、サルボウ、クチゾコなどがある。
マスメディア
新聞
地方紙
全国紙
-
読売新聞、毎日新聞は鳥栖市に印刷工場がある(福岡都市圏や九州各県へ輸送する新聞を印刷)。
テレビ放送局
地上デジタル放送は、サガテレビ以外に、熊本4局が佐賀市を含む県内南部で直接受信可能であり、福岡5局も県内の東部や南部の大部分で視聴可能である(ケーブルテレビでも地上デジタル放送再送信により視聴が可能となった)。
ラジオ放送局
-
RKBラジオ、KBCラジオ、熊本放送も県内の大半で受信可能である。
-
エフエム福岡、CROSS FM、九州国際エフエム(Love FM)、エフエム熊本、エフエム長崎、エフエム大分、ドリームスエフエム(久留米市コミュニティFM)も県内の一部の地域で受信可能である。
スポーツ
プロスポーツチーム・社会人スポーツチーム
スポーツ施設
佐賀県を舞台にした作品
- 映画(※は県内ロケあり)
- * 怪猫佐賀の夜桜(1936年)
- * 次郎物語(1941年)
- * 海の花火(1951年・松竹)※
- * 怪談佐賀屋敷(1953年・大映)
- * 次郎物語(1955年・新東宝)
- * 柳生武芸帳(1957年・東宝)
- * 張込み(1958年・松竹)※
- * にあんちゃん(1959年・日活)※
- * 人間の壁(1959年・新東宝)※
- * 次郎物語(1960年・松竹)
- * 次郎物語(1987年・東宝)※
- * 男はつらいよ ぼくの伯父さん(1989年・松竹)※
- * 水の旅人 侍KIDS(1993年・東宝)※
- * 月光の夏(1993年・ヘラルド=ヘラルド・エース=映画「月光の夏」全国配給)※
- * 人間の翼 最後のキャッチボール(1995年)
- * いのちの海 -Closed Ward-(1999年・イーハーフィルムズ)※
- * 地雷を踏んだらサヨウナラ(1999年・シネカノン配給)※
- * 親分はイエス様(2001年・グルーヴコーポレーション)※
- * 白神渡海(2002年・日韓新世紀交流委員会)※
- * 佐賀のがばいばあちゃん(2006年・ティ・ジョイ)※
- * 春よこい(2008年公開予定・東映)
- ドラマ(※は県内ロケあり)
- * 取調室シリーズ ※
- * おしん(1983-84年)※
- 小説
- * 新本格魔法少女りすか(西尾維新)
- * 歳月(司馬遼太郎)
- * アームストロング砲(司馬遼太郎)
- * 寝台特急あかつき殺人事件(西村京太郎)
- * 落日の鷹(滝口康彦)
- * 謀殺(滝口康彦)
- * 消えた春(牛島秀彦)
- ゲーム
- * 電車でGO! プロフェッショナル2(タイトー・プレイステーション2版、Windows版)=長崎・佐世保線収録、佐賀はけやき台駅~有田駅間でプレイ可能
その他
- 佐賀県は地域区分局にあたる郵便局が県内に存在しない唯一の都道府県である。県内全域をさす郵便番号84(上2桁)の地域区分局は、福岡県の久留米東郵便局(郵便事業久留米東支店)となっている。
関連項目
外部リンク
さかけん
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