中島飛行機 [Nakajima Aircraft Company] [被リンク数: 128]

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中島飛行機(なかじまひこうき)は、1917年から1950年まで存在した日本航空機エンジンのメーカー。創業者は元海軍機関将校であった中島知久平。エンジンや機体の開発を独自に行う能力を持ち、自社での一貫生産を可能とする高い技術力を備え、太平洋戦争終戦までは三菱航空機を凌ぐ東洋最大、世界有数の航空機メーカーであった。

中島飛行機の沿革

  • 1917年大正6年) - 中島知久平が海軍を退官後、群馬県尾島町(現太田市)に「飛行機研究所」を設立。
  • 1918年(大正7年) - 川西清兵衛が経営に参画、「日本飛行機製作所」に商号変更。
  • 1919年(大正8年) - 川西から買取り、川西が経営から撤退。「中島飛行機製作所」に商号変更。陸軍から20機を受注。
  • 1925年(大正14年) - 東京工場完成。
  • 1931年昭和6年) - 中島飛行機株式会社(資本金600万円)と改称。
  • 1937年(昭和12年) - 九七式戦闘機が陸軍に正式採用。
  • 1938年(昭和13年) - 武蔵製作所完成。
  • 1940年(昭和15年) - 海軍機専用組み立て工場の中島飛行機小泉製作所を開設。
  • 1941年(昭和16年) - 一式戦闘機「隼」が陸軍に正式採用。
  • 1944年(昭和19年)1月 - 陸軍機専用組み立て工場の中島飛行機宇都宮製作所を開設、正式採用された四式戦闘機「疾風」の生産を開始。
  • 1945年(昭和20年)4月 - 第一軍需工廠となり事実上国営化。中島飛行機は営業休止しつつ存続。
  • 1945年(昭和20年)8月 - 太平洋戦争敗戦により全工場返還を受け、社名を富士産業に改称。
  • 1950年(昭和25年)5月 - 解散。
こうして日本の軍事力の強化とともに急速に発展を遂げるが、米軍による戦略爆撃の主要な攻撃目標とされ各地の工場は灰燼に帰した。敗戦でGHQによって航空機の生産を禁止され、二度と軍需産業に進出できないように12社に解体された。
三鷹研究所跡地大半は国際基督教大学(ICU)となった。武蔵製作所はNTT武蔵野研究開発センタ、武蔵野中央公園武蔵野陸上競技場武蔵野総合体育館を併設)などになっている。
その後、技術者の多くは自動車産業へ転進。日本の自動車産業の発展に多大な貢献をした。

解体後12社の沿革

中島飛行機から解体された会社は多くが現在でも存続しており、
  • 富士重工業 (SUBARU)
  • : 以下の会社が共同で設立し、後に合併して出来た。
    • 東京富士産業(本社→)
    • 富士工業(中島飛行機太田工場と武蔵野工場→)
    • 富士自動車工業(中島飛行機伊勢崎工場→)
    • 大宮冨士工業(中島飛行機大宮工場→)
    • 宇都宮車両(中島飛行機宇都宮工場→)
  • リズム(中島飛行機浜松工場→富士精密工業→プリンス自動車工業→分離独立・リズムフレンド製造→リズム自動車部品製造→リズム)
  • 富士機械(中島飛行機前橋工場→富士機器→富士機械)
  • 輸送機工業(中島飛行機半田製作所→愛知富士産業→輸送機工業)
  • マキタ沼津(中島飛行機三島工場→富士機械工業→富士発動機→富士ロビン→マキタ沼津)
  • GKNドライブライントルクテクノロジー(中島飛行機栃木工場→栃木富士産業→GKNドライブライントルクテクノロジー)
  • イワフジ工業(中島飛行機黒沢尻工場→岩手富士産業→イワフジ工業)
がある。
日産自動車へ吸収合併された富士精密工業(中島飛行機東京工場→富士精密工業→プリンス自動車工業→吸収合併・日産自動車)は存続会社が日産自動車であるので、法律的には消滅している。
富士重工業は、1966年に東邦化学株式会社と合併し、存続会社を東邦化学株式会社とした。この存続会社の東邦化学株式会社は1965年に商号を富士重工業株式会社と改めた上で合併しているため、一貫して継続した同一名称ではあるが、法律的には従来の富士重工業は1965年に一旦消滅している。これは株式額面金額変更が目的の事務的なものである。

自動車開発

戦後自動車製造に挑戦したメーカーは多くあったが、戦前からの自動車メーカーであったトヨタや日産でさえも独自開発が難しく、海外メーカーの模倣や、ノックダウン生産方式と呼ばれるライセンス生産で凌いでいた時代において、中島飛行機を前身とする富士重工業とプリンス自動車工業の2社のみが、技術提携に頼らず自力開発を行う素地を有していた。

航空宇宙・ロケット開発

中島飛行機は終戦直前にはドイツからの技術情報等に基づき、ジェットエンジンロケットエンジンの独自開発にも着手していた。この技術は戦後、富士精密工業、後のプリンス自動車工業に継承されたが、日本政府は、経営破綻が時間の問題であったプリンスにロケット開発を担わせることに危機感を抱き、トヨタにプリンスを吸収合併させるべく画策した。しかし、トヨタは自動車製造に専念したいという理由(政府のヒモ付きになることを恐れた)からこの話は破談となり、当時、業界2位であった日産が引き受けることになり、日本の宇宙ロケット技術の途絶という最悪の事態は回避された。
ルノーとの提携に前後して、日産の宇宙開発部門は分離され、石川島播磨重工業傘下でアイ・エイチ・アイ・エアロスペースが誕生した。ロケットエンジンの開発メーカーは世界でも少数に限られ、日本の国策にもかかわるので、ルノーの資本参入が決定される際に水面下で様々な駆け引きがあったと言われている。

富士重工業

富士重工業はもともと中島飛行機出身の有志が国産航空機開発の再開を目指して設立した会社であり、戦後の航空機生産解禁後は航空機分野への参入に挑戦している。
  • 1945年昭和20年)8月 - 敗戦後、定款を変更し富士産業株式会社と改称
  • 1948年(昭和23年) - 東京富士産業株式会社設立(富士重工業の前身)
  • 1950年(昭和25年) - 富士精密工業設立(プリンス自動車工業の前身)
  • 1952年(昭和27年) - 富士精密工業がプリンス自動車工業を吸収合併
  • 1953年(昭和28年) - 富士重工業株式会社設立
  • 1961年(昭和36年) - 富士精密工業がプリンス自動車工業と改称
  • 1966年(昭和41年) - 日産自動車がプリンス自動車工業を吸収合併

代表的な航空機

日本陸軍向け

  • 特殊攻撃機
    • 1945年(昭和20年) - キ115 特殊攻撃機 「

日本海軍向け

  • 偵察機
    • 1936年(昭和11年) - 九五式水上偵察機
    • 1944年(昭和19年) - 艦上偵察機「彩雲
  • 輸送機
  • 特殊攻撃機
    • 1945年(昭和20年) - 特殊攻撃機「橘花」(試作)

民間向け

代表的な航空エンジン

  • 寿: 空冷式単列星型9気筒、陸軍名称ハ1
  • : 空冷式複列星型14気筒、陸軍名称ハ25/ハ115、統一名称ハ35
  • : 空冷式複列星型18気筒、統一名称ハ45
画像:Nakajima Sakae.jpg|栄: 複列星型14気筒 画像:Nakajima_Homare.jpg|誉: 複列星型18気筒

本社

1934年太田新工場→1938年有楽館ビル(経理部明治生命・監査部市政会館)→1943年明治生命→1944年前田邸→1945年9月興銀

製作所など

  • 太田製作所→米軍→1960年富士重工
  • 小泉製作所→米軍→1959年三洋電機
  • 宇都宮製作所→富士重工航空機拠点(飛行場を擁すため)
  • 半田製作所→輸送機工業
  • 武蔵製作所→武蔵野グリーンパーク野球場
  • 大宮製作所
  • 浜松製作所→リズム
  • 大谷製作所
  • 三鷹研究所→国際基督教大学
  • 東京製作所→プリンス自動車工業日産自動車
  • 三島製作所→国立遺伝学研究所
  • 呑龍工場→富士重工
  • 足利工場→→ダイナムヤオコー
  • 桐生工場→富士紡績桐生工場→中島→桐生市民文化会館・地場産業振興センター
  • 亀岡工場→尾島公園など
  • 前橋第一工場→ダイハツ車体けやきウォーク
  • 前橋第二工場→富士機械
  • 堤岡工場
  • 須賀川工場
  • 伊勢崎工場→富士重工
  • 尾島工場→三菱電機
  • 郡山工場
  • 深谷工場
  • 小松工場
  • 岡田工場
  • 大井工場
  • 大井飛行場(水上)
  • 品川出張所
  • 中島倶楽部→米軍(米兵の失火で焼失)→公民館→太田市社教センター
  • 中島青年学校→太田市北中
  • 尾島飛行場
  • 太田飛行場→米軍→ゴルフ場→富士重工
  • 生品飛行場→開拓

グループ会社

多くの中小企業を合併・子会社化・出資していった。その数は諸説ある。

脚注

関連項目

参考文献

  • 高橋泰隆『中島飛行機の研究』(日本経済評論社、1988年) ISBN 4818802336
  • 桂木洋二『歴史のなかの中島飛行機』(グランプリ出版、2002年) ISBN 4876872333
  • 麻島昭一『戦時体制期の中島飛行機 経営史学』第二十巻第三号

外部リンク

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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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