ネクタイ(
necktie)とは
首の回りに
装飾として巻く
布のことである。
概要
ビジネスマンの
服装としてほぼ必須の装飾である。またそのため、
父の日の
プレゼントとしてよく用いられる。ネクタイ(necktie)は米語、タイ(tie)は英語で、その他の国では一般的に
クラバット(
cravat)という呼び方をする。
ノット
ネクタイの結びを「ノット」(knot)と呼ぶ。
結び目が小さくなるプレーンノットやスモールノットは太いネクタイに、また逆にウィンザーノットは細いネクタイに適しており、また体格によっても似合うノットは変わってくる。儀礼用のノットやくだけた場にふさわしいノットもある。
結ぶのが苦手な人のため、また制服
警察官が相手から危害を加えられる(細い方を引くと締まる)のを防ぐ為などにすでに結び目が成形され紐やフックで
ワイシャツに固定するワンタッチネクタイ、ファスナーのスライド方式による着脱装置を備えたスマートネクタイがある。
主なノット
- プレーンノット:別名をフォア・イン・ハンド。この形のネクタイの呼び名から来ているが、ネクタイの結び目からの長さを手4つ分に、とのことでこう呼ぶと説明する者もいる。
- シェルビーノット(Shelby Knot,Pratt Knot)
- ウィンザーノット:ウィンザー公(エドワード8世)が流行させたとする風説が今でも根強いが、ウィンザー公自身が回想録「家族のアルバム」でこの説を否定。ボリュームのある結び目ができる。
- セミウィンザーノット:ウィンザーノットより少し小さい結び目ができる(結びを1回省く)。ハーフウインザーノットあるいはエスカイアノット(esquire knot)とも呼ばれる。きれいな逆三角形の結び目となるため人気のあるノットである。
柄
- ストライプ
- レジメンタル
- ソリッド(無地)
- 小紋
- ドット
- チェック
種類
- 通常のフォア・イン・ハンド・タイの変形
- 先端が水平にカットされたもの。ニットのものが多い。
- エッフェル塔のような形をしたもの。結び目の部分は小さく先に向かって塔のように広がっている。
- 剣先まで幅が同じもの。
- 細めのもの
- リボンタイ
- ポーラー・タイ(ポロタイ・ボロタイ・ループタイ)
- ボトルシェープドタイ
- ワインボトルのような形のもの。真ん中あたりからボトル形に膨らんだもの。
- 太目のもの
- その他
- アスコットタイ
- モーニングタイ
- クロスタイ
- ストリングタイ
- 蝶ネクタイ
- 蝶が羽を広げたような形のもの。フォーマル用。
- 結んだ時に両翼が一直線になるもの。
- クラブボウタイの幅が3cm以下のもの。
- クラブボウタイの非常に小ぶりなもの。
- 先端が三角にとがった形のもの。パーティー用。
- 自分のサイズに合わせて、ハサミで切って結ぶもの。
ネクタイを掴まれた時、首を絞められるという危険性がある。このため、制服警察官や軍人用向けのネクタイでは結び目は形だけで、首周りは後ろでベルクロによって留める・または襟に金属クリップで引っ掛けるといった様式がとられることが多い。
作り方
フォア・イン・ハンド・タイの主な構成要素は表地、芯地、裏地からなる。通常はそのほかに小剣通しという小さな長方形の布を用いる。これらのセットも販売されている。縫うために、穴糸という太い糸も用いる。構造は表地を筒状に縫い、両端を剣状にして裏地を張り、芯地を閉じ込めた形になっている。表地も芯地も平織りの生地から正
バイアス(45°斜め)に採り、締めたときに伸びるようになっている。少数生産の場合の表地は長方形の生地を1つの対角線から少しずらして斜めに2等分してできた片方の台形を用いる。切断した側から順に斜めに、大剣部、小剣部、中はぎ部を採る。
- 表地の大剣部、中はぎ部、小剣部をこの順にはぎ合わせて、直線状の表を作る。
- 芯地も同様に、大剣部、中はぎ部、小剣部をはぎ合わせる。
- 表の両端を剣の先端状に整形し、裏側に少し折り込んで、角を縫って止め、小さな裏地を付ける。
- 芯を表でくるみ、端から端まで1本の穴糸で縫い合わせる。
- 穴糸の両端付近に、別の穴糸で「かんぬき止め」をする。
- 大剣中央に小剣通しを付ける。
歴史
一説によると、
2世紀頃の
ローマ帝国では
兵士が防寒を兼ねて
羊毛の布を首の回りに巻いていたのが起源といわれている。また
弁士は
フォーカルと呼ばれる布を
のどの保護のために巻いていたといわれている。
ルイ14世の見たクラバット
一説には
ルイ13世を守るために
クロアチアの兵士が
フランスを訪れた際、彼らが出征兵士の無事帰還を祈るために妻や恋人から贈られたスカーフを首に巻いており、それを見た
ルイ14世が興味を示して「あれは何だ?」と側近の者に尋ねた。クロアチアの兵士について尋ねられたと勘違いした側近の者が「クロアチア兵(クラバット)です」と答えたため、クラバット(cravat)と呼ばれた、というものがある。
なおこの説への批判的な意見として、「
14世紀にはすでにフランスでcravateという語は使われていた」とも言われている。
現在でも
フランス語などではネクタイを「cravate」と呼ぶ。またこれから
18世紀にかけて、クラバットに限らず首に布を巻くスタイルは兵装としても用いられ、一般に広まった。この形のクラバットは
第一次世界大戦頃までの一般的な男性の正装となる。
イギリスでのクラバット
19世紀後半に
イギリスでクラバットの結び目のみを残したものが作られた。これが
蝶ネクタイである。
アスコット競馬場に集まる際の服装としてアスコットタイ、ダービー・タイが生まれ、
正装になったのもこの頃である。
同時期に、現在の主流となるネクタイと同じ形である「フォア・イン・ハンド・タイ」が生まれる。プレーンノットを別名「フォア・イン・ハンド」(four-in-hand)というのはここから来ている。
発祥については諸説ある。
- 本来は4頭立ての馬車の呼称であるため、御者の間でこのネクタイが使われたことから広まったという説。
-
オスカー・ワイルドがこのネクタイを考案したという説。
日本
ジョン万次郎が日本で初めてネクタイをした者であるとされる。これは
米国から帰国した際の所持品にネクタイがあったためである。
維新後の
明治政府は洋装を積極的に推進し、
官僚を中心にしてネクタイ着用が広まっていった。
ノーネクタイ運動
関東以南の日本においては夏の期間中は熱帯以上に暑いこともあるため、ネクタイに背広を着用して働くのは過剰冷房を招く。また、エネルギー浪費や健康を害するなどのマイナス要因が強いとして、ノーネクタイ・ノージャケットで過ごそうという動きがある。(なお、公共交通機関には盛夏期、運転士に脱帽・半袖ワイシャツ姿での乗務を認めている社が多い)。その一環として
2005年より小泉内閣の呼びかけで
クール・ビズ運動が始まった。しかし、ネクタイ業界からは「ネクタイのイメージダウン、売り上げ減につながる」としてこれに反発する声もある。
2007年、民主党からクール・ビズ廃止案が出され、再び物議を呼んでいる。
ネクタイの日
小山梅吉が
1884年10月1日に初めてネクタイを生産したことを記念して、業界は毎年10月1日を「ネクタイの日」として定めている。日本ネクタイ組合連合会が
1971年に制定した。
関連項目
外部リンク