概要
アドルフ・ヒトラーは、民族社会主義ドイツ労働者党(
Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei, NSDAP)の総統(党首)として権力を掌握した。この時代の
ドイツは
ナチス・ドイツと呼ばれ、同党の支持者はナチと呼ばれた。ナチズムは現在のドイツ国内では非合法化され、現在の同党の支持者は
ネオナチと呼ばれドイツ国内および
外国で活動しているが、一部には本来のナチズムから逸脱する傾向を含むことから、別の理念に基いた活動と見なされるケースもある。(ネオナチの項を参照されたい)
ナチズムは、ファシズムに共通の性格を持ち、反
個人主義、反
自由主義、反
民主主義、反議会主義、反
社会主義、反
共産主義などを標榜すると共に、国家すなわちファシズム政権が政治・経済のあらゆる面にわたってコントロールすること、また国益が私益に絶対的に優位する事を主張する。しかし、ナチズムの特色は、特にその民族の概念にみられる。ナチ党の「
血と大地」「血の純潔」「
ゲルマン民族の優秀性」という民族概念は、国内的には
ユダヤ人排撃の思想となり、対外的には他民族を侵略してその支配下に置かんとする
軍国主義を正当化する思想となった。
象徴色は
褐色である。ヒトラーや
ゲッベルスらナチ党幹部の正装は褐色である。ナチ党の
突撃隊は、褐色の制服を用いた事から「褐色シャツ」とも言われた。
一般にナチスの象徴としてのイメージが強い
ナチス親衛隊の黒色の制服や
トーテンコップ(髑髏マーク)の帽章は、元々
プロイセン王国の近衛兵や軽騎兵が採用していたドイツの伝統的なものであり、ドイツ民族主義の高揚を目的に採用したものと思われる。
なお、ナチズムは一般に国家社会主義と訳されるが、旧
ソビエト連邦のような強い国家権力を表す国家社会主義Staatssozialismusの概念と区別しなくてはならない。歴史的経緯からして
民族的差異に関わらぬ国民よりも民族(社会主義)と訳すほうが適当であるので、ここでは「
民族社会主義」の訳語を用いている。
イデオロギー
このイデオロギーの主要な点は、次のとおり。
- ドイツ貧困の原因はユダヤ人資本家による搾取であり、あらゆる企業を国有化または準国有化し、ユダヤ人をドイツから絶滅させ、ドイツ人労働者が暮らしていけるようにする
- 国際資本の手先である共産主義者を排除し、ユダヤ人マルクスの共産主義からドイツとドイツ国民を守る
- ユダヤ人は、世界の文化を破壊する最も劣悪な民族であり、社会に害悪をもたらすので徹底的に絶滅しなければならない
- ドイツ人は、世界全ての人種の中で最も優れるアーリア人種の子孫であり、世界で最も美しく優秀な民族である
- ドイツ民族には、世界の文化発展を指導する使命がある
ナチズムといってもあらゆるものの寄せ集めと評されており、よく関連づけられる
ファシズムだけでなく、「わが闘争」でヒトラー自身が「私は
ボルシェヴィズムから最も多く学んだ。」と言っているように
左翼からの影響も多く見られる。
ヒトラーが、いつ・どのように
ユダヤ人に憎悪を抱くようになったか、
精神分析学の対象にもなっている。
出典
関連項目
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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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