テレビドラマ(
TV drama)は、フィクション(
架空)の世界を描いた動画作品のうち、主に
テレビを媒体とするもの。
テレビ番組の1つである。この項目では、日本におけるテレビドラマについて述べる。
概要
1日を通してテレビドラマは放映されている。中でも、午後8時から10時台に放送されるテレビドラマは視聴率が高く、予算も高額で、他の時間帯に比べ質も高いとされる。時の人気
俳優や人気
タレントも多く出演し、時の流行や
ファッション等、多方面に渡って社会に大きな影響を及ぼす作品も少なくない。
子供番組としての30分程度のドラマ(子供向けドラマ)も、1980年代までは比較的多く製作されていた。現在では、
NHK教育テレビにおいて、道徳教育ドラマを就学年齢の
児童、
生徒向けの
学校放送や、『
中学生日記』の時間枠として放送している。また
テレビ朝日では、日曜朝7時半から8時半までの1時間枠を「
SUPERヒーロータイム」と称し、未就学児童をコア・ターゲットとしたいわゆる「
特撮」ドラマを放送している。ほかに『
まるまるちびまる子ちゃん』、『
週刊赤川次郎』、『
チョコミミ』といったドラマが製作された。
古くから続いているテレビドラマでは、
NHK大河ドラマがある。歴史ドラマを恒常的に毎週放映するのはNHKだけであり、民放は主にトレンディドラマを放映する傾向がある。
なお、ラストに「このドラマはフィクションです」の字幕が出ることも多い。完全な実録以外の作品では、何らかの形でこの種の字幕が表示される。ただし、その対象は現代もしくは近過去(高度成長期以降)を扱った作品が主となり、時代劇でこの字幕が出ることは少ない。また、NHKの場合、ストーリーがフィクションである場合を含め、この字幕は表示されない傾向にある。
歴史
撮影機材・放送形態
1940年4月、テレビの実験放送で放送された『
夕餉前』(脚本:
伊馬鵜平)が、日本初のテレビドラマとされている。当時のスタジオは非常に狭く、俳優は照明から発せられる高熱に耐えなければならないなど、技術的制約が多い状況だった。同年10月には実験放送第2作『謡と代用品』が放送され、戦争のために実験放送が十数年中断した後、
1952年にテレビドラマの実験放送が再開。
1953年にテレビの本放送が始まるが、当時は実用的な録画手段がなく、しばらくテレビドラマは生放送の形態であった。これはいわば、テレビ局のスタジオの一角で行なわれる小規模な芝居の劇場中継である。
ビデオは、
1956年に
アメリカ合衆国で
2インチVTRが開発され、2年後の
1958年には、
日本に初輸入され、国産のビデオも開発された。同年6月、大阪テレビ放送(OTV、現・
朝日放送)の『ちんどん屋の天使』において、日本で初めてテレビドラマにビデオテープが使用された。そして同年10月、ラジオ東京テレビ(KRT、現・
TBS)の『
私は貝になりたい』(主演:
フランキー堺)では、本格的にビデオ録画が実用化され、技術的な先駈けとなった。また、その年の芸術祭賞を受賞し、それまで「電気紙芝居」と酷評されたテレビドラマが初めて人を感動させたとして、テレビドラマ史上に残る名作と位置付けられている。当初はビデオ機材もビデオテープも高価だったが、やがて普及していき、ドラマも生放送から収録する形態へと変わっていった。
1970年代までにビデオテープで収録されたテレビドラマの中には、原盤ビデオテープが別の番組撮影に使われて上書きされたことにより、映像が失われたものも少なくない。また、当初は撮影機材の大きさと、カメラの感度の低くさから、照明を煌々と照らしたスタジオ内で演技するより他なく、屋外の情景はスタジオ内でのセットで再現していた。どうしても屋外でのロケが必要な場合は、ビデオでの撮影を諦めて、映画フィルムで撮影することもあった。かつて多く制作された、いわゆる
ホームドラマはこうした技術的制約の苦肉の産物でもあった。
NHKのドラマはNHKですべて制作していたのに対して、民放では
1950年代から外部の制作会社が制作したテレビドラマを放送した。それらは当初「
テレビ映画」とも称され、劇場映画を作ってきたスタッフが制作にあたり、撮影もフィルムで行なわれた。大手では、
1959年に
東映が出資したテレビ局
NET(現・テレビ朝日)で、さらに
1962年には
新東宝を前身とする
国際放映がTBSで、テレビ映画の制作に進出している。特撮ものは、合成などのノウハウが蓄積されているフィルムでの撮影が主となっていた。詳しくは
テレビ映画を参照。
1970年代も半ばを過ぎると、これまでのビデオカメラのコストと技術的制約もなくなり、フィルムからビデオでの撮影に徐々に移行することとなった。フィルムが必要とする現像の手間以外だけでなく、ビデオ編集用の機材の発達と何よりもコストの問題で、映画会社系の制作会社もビデオ撮影を採用し始め、
1990年代後半からフィルムで撮影されたドラマは激減。
2000年代初頭には、
刑事ドラマや
時代劇もビデオ撮影に移行して、フィルム撮影はほぼ姿を消した。
(日本と違ってフィルムへのこだわりが強い欧米では大型テレビドラマの場合35ミリ
映画用カメラを使ったフィルム撮影の方が主流である。)
2005年現在、
地上デジタル放送への移行期を迎えて、ビデオでの撮影も
NTSCから
ハイビジョンで収録するものが増えつつある。そのため、最近ではアナログ放送で放送する場合、NHKのドラマ全般(2005年4月 - )やテレビ朝日の木曜9時のドラマと「金曜ナイトドラマ」は、上下に少し黒帯の付く13:9のワイド画面で放送したりする。また、日本テレビ(2005年7月 - )とTBS(2004年10月 - )やフジテレビ(2004年1月 - )などでは、上下に若干黒帯が付く(ブラウン管テレビでは見えない)。テレビ朝日の木曜9時ドラマと「金曜ナイトドラマ」以外については、両端をカットして放送しているため、アナログ放送の画角4:3画面いっぱいで放送される。またフジテレビでは、アナログ向けとデジタル向けで別の収録テープに分けて放送している(画角に合わせてエンドロール等のテロップの位置を変えてある)ため、地方局での再放送や他系列放送の場合、機材の都合上アナログ向けとデジタル向けの2択を迫られることになる。前者の場合、デジタル放送でも標準画質でしか放送できないが、後者の場合、デジタル放送ではフルサイズ、アナログ放送ではレターボックスでの放送となる。
地上波民放系のドラマ番組で、唯一
BSデジタルでの先行放送が行われていた「
女と愛とミステリー」(
テレビ東京系)は、2001年1月の番組発足以来、一貫して16:9のハイビジョン放送を実施していた
BSジャパンと技術的な制約で、デジタル放送開始後も4:3の標準画質で収録されたテープをアップコンバートせざるを得なかったテレビ東京(とその系列局)では、テロップ(サブタイトル・エンドロールなど)の挿入位置及びレイアウトが異なっていた。しかし、後継番組である「
水曜ミステリー9(BSミステリー)」に関しては、2005年4月の開始時点でハイビジョン放送(デジタル帯)とサイドカット処理(アナログ帯)を同時進行させるために必要な送出マスターの更新が完了していたこともあり、テープの「作り分け」は行われていない。差し替えタイトル(→「BSミステリー」)が入るBSジャパンのサイマル放送(ハイビジョン画質)でも、地上波と同じ仕様で収録されたテープが基本的には使われているが、他系列向けに納品されているテープはその限りではなく、前番組同様複数の収録方式(ハイビジョン・SDサイドカット・SDレターボックスなど)が混在している。
出演者とスタッフ
- ラジオ放送を行なっていたNHKと民放テレビ局は、ラジオドラマを制作するために自前の放送劇団を組織して専属の俳優を持っていた。テレビの草創期は芸能プロダクションが未発達だったこともあり、その初期はラジオ時代と同様にNHKが自前でタレントを養成して、ドラマやバラエティに出演させた。また、五社協定により映画会社所属の俳優のテレビ出演に制限があったため、新劇の俳優を多く使ってきた。その後は、芸能プロダクションが隆盛。養成機関で演技の訓練を受けていないタレントがドラマに出演したり、人気俳優を抱えるプロダクションが、配役に影響力を及ぼすことも多い。
- 1990年代後半から、出演する俳優・タレントは徐々に低年齢化する傾向にあり、ことにゴールデンタイムのドラマにおける主力女優は20歳前後が中心になっている。そのために演技力に疑問符のつく作品も見られるようになった。無理な脚本や現実にはありえない設定などから、作品そのものの評価が低いケースもある。視聴者も若年層に偏る傾向にあり、かつてのように国民的な人気を博すドラマは出にくくなっている。
- 一連の柴門ふみ原作ドラマに見られるように、人気コミックのドラマ化は以前から行われ、好評を博すケースもあった。近年はことにその比率やヒット作の割合が多く、存在感を増している。人気漫画を原作にすれば、小説と比べても数の多い漫画のファン層の確実な視聴を望めるうえ、コミックの販売部数の増加も期待できるなどの相乗効果が指摘されている。その一方で、オリジナルドラマを軽視する傾向は、若手脚本家の育成につながらないとの指摘もあり、安易なコミック原作への依存には批判も多い。
- 原作をドラマ化するにあたって、原作の登場人物の名前や性別を変更することがあるが、原作を軽視しているとして原作ファンからの批判が多い。
- 最近では、制作局のアナウンサーが出演することが多くなってきている。本業であるニュースキャスターやレポーターで本人役というケースもあれば、まったく違う役柄で出演することもある。この場合の大半は、出演するアナウンサーがレギュラーを受け持つ情報番組でドラマ宣伝する意図もある。
- 近年では、放送日当日(週末なら金曜日)の朝の情報ワイドショー番組から夕方の報道番組にゲスト出演をはしごして、番組宣伝をするケースが多い。
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アメリカ人プロデューサーであるデーブ・スペクターは、日本のテレビドラマについて「演技も良くないし、物語に工夫がない」とし、その理由として「力のあるプロフェッショナルが売り込む俳優を使わざるを得ない業界構造がある」と述べている
「日本のドラマは論外」 希薄なテレビ業界の意識
ITmedia News 2007/03/16。
制作会社
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ドリマックス・テレビジョン - 松竹の映画監督木下惠介が、1964年に「木下惠介プロダクション」として創立。
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テレビマンユニオン - TBS出身者が1970年に創立。
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国際放映 - 前身は映画会社新東宝。現在は東宝の傍系。同じく世田谷区にスタジオを構える。
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東映 - テレビ部門を持つ。テレビ朝日の大株主で開局時より関係密接だが、他局とも積極的に提携。京都撮影所では時代劇やサスペンス、東京撮影所では特撮、刑事ドラマを得意とする。
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共同テレビ - フジテレビの子会社。元はニュース専門制作会社だったが、バラエティやドラマにも進出した。
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東宝 - 映画会社であるが、日本テレビの土曜ドラマの製作を行っている(『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』など)。世田谷区に日本最大の撮影所を持ち、70年代まではたとえ閑古鳥が鳴いても原則ここを映画にしか使わせなかった(TV映画を東宝で受注しても国際放映などに孫受けさせた)が、近年は一転してバラエティでさえ使用可となっている。
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C.A.L. - 時代劇を主とする。代表作は『水戸黄門』。東映京都撮影所に孫受けさせる例が多い。
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大映テレビ - 1970年にTBS系列で放送した「赤いシリーズ」や、1980年にTBS系列、フジテレビ系列で放送した「少女シリーズ」(『スチュワーデス物語』、『ヤヌスの鏡』など)といった代表作を生み出した。現在はほとんど、フジテレビとテレビ朝日の2時間ドラマなどで製作に関わっている。
日本で放送されたテレビドラマ
脚注
関連項目
- テレビドラマの一覧
- テレビドラマの形態と種類
- その他
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