株式会社タカトクトイスは、かつて存在していた
日本の
玩具メーカーである。
概要
母体は1917年創業の高徳商店。創業者の高木得治郎の名前からとったものだが、「高得」では「高く売って得をする」ということになり好ましくないので「高徳」になったとのこと。1953年に法人組織になり高徳玩具株式会社に改める。後に高徳商事、タカトク、タカトクトイスと社名を改める。
日本初の玩具化されたテレビキャラクターとされている
赤胴鈴之助で、既にキャラクター玩具を売り出しており、その後も『
鉄腕アトム』『
鉄人28号』『
ウルトラマン』『
サンダーバード』などヒットキャラクターの商品化を次々に手掛けた。当時、キャラクター玩具はマスコミ玩具と呼ばれており、一時期は「マスコミ玩具のタカトク」と言われていた。現在の日本最大のキャラクター玩具販売会社である
バンダイの二代目社長、
山科誠もキャラクター玩具ではバンダイよりタカトクが「先発メーカー」と認めている。
『
仮面ライダー』でもバンダイの子会社の
ポピーより先に商品化権を取得するが、後の仮面ライダーシリーズではポピーの方が多く商品化していく。そして東映は、仮面ライダーの回転変身ベルトの大ヒットで収益に大きな貢献をしたポピーに、同シリーズの独占商品化権を与えた。これはテレビ局とスポンサーと制作会社との力関係も影響している。テレビ番組においてはテレビ局が頂点であり、番組制作会社や商品化する玩具会社は弱い立場に置かれていた。そこで東映は自社作品の商品化権を独占させる代わりにポピーにスポンサーになってもらった。東映作品に常にスポンサーがいるということがテレビ局に対する東映の地位を大きく引き上げた。またポピーもスポンサーという立場になることで発言力を増した。この東映とポピーの協力関係は後に「運命共同体」と呼ばれるほどになる。
仮面ライダーに限らず以降の東映作品はポピーに優先的に商品化権が与えられるようになる。特撮・アニメの業界で影響力を持つ東映作品を商品化がままならなくなったのはタカトクにとって手痛い損失となった。
さらに当時のタカトク関係者によると、テレビ局が商品化権獲得の必須条件としてスポンサー契約を結んで番組に出資する事を要求するようになったらしく、1970年代半ばからはタカトクが商品化できるキャラクターはスポンサーになった番組のものに限られるようになった。従前は番組が人気になってからでも交渉し商品化権を取得すれば商品化できていたが、売れるか見当の付かない番組に高額の番組提供費をつぎこまなければならなくなった。またこの時期から、番組企画のテレビ局への
プレゼンテーションの段階で、玩具メーカーが玩具の
先行試作品を事前に製作し提出することが事実上必須となり、また、場合によっては具体的な販売プランの作成などもテレビ局側から要求される様になったことで、番組の企画に関与するだけでも単純なスポンサー代以外の初期費用や手間が必要になった。このように玩具ビジネスがハイリスクハイリターンのものと変質していき、タカトクの経営を苦しめる様になる。その代わり、番組のメインスポンサーになるとそのキャラクターの商品化権はほぼ独占でき、ヒットすればその収益もより大きくなるため、それを期待しなければならなくなった。また
第二次ベビーブームを背景とした競争の激化により、スポンサーとしてキャラクター玩具業界に参入する玩具会社が増加。商品化権の独占を巡って番組提供費の競り合いが起き、番組提供費自体も高騰していった。
この様な要因から、たくさんのキャラクターを手掛けて売上を伸ばしても、経営の内実は悪化の一途を辿る。倒産直前もなおキャラクター玩具市場で業界3位の売上規模だったものの、極度に悪化していた利益率の改善ができなかった。最終的には1983年にスポンサーとなった『
超時空世紀オーガス』『
イタダキマン』『
銀河疾風サスライガー』の玩具販売が悉く不振に終わった事が致命傷になった。特に『イタダキマン』『サスライガー』は不振のために放映期間が短縮され、それぞれのアニメシリーズの最終作ともなっている。『イタダキマン』では
制作現場に様々な混乱が発生し、低迷に追い打ちを掛ける事態になってしまったのは、タカトクにとっても不運としか言い様がなかった。
タカトク倒産・解散の際には同社製品の金型が他社へと流出する。またタカトクの商品は100%外注メーカーが製造しており、この内、大手取引先だったマツシロも連鎖倒産するが、マツシロの再建に
バンダイが協力する。マツシロは新会社ユニックスとして再建され、ユニックス商品はバンダイブランドで発売されることになった。
前年のキャラクター玩具中堅の
クローバーの倒産もあり、タカトク解散後のキャラクター玩具市場は1位の
バンダイと2位の
タカラの実質的な一騎打ちとなった。
代表的な商品
Z合金(ゼットごうきん)
タカトクから発売された合金玩具の総称(ただしパッケージには「合金」とだけ記載されることが多い)。当初は「Zシリーズ」と呼ばれた。「Z」とは
亜鉛の元素記号「Zn」から来ている。Z合金で発売されたテレビキャラクター商品を「Zキャラクター」と呼称することもある。
シリーズを通して最大の
スポンサーだった。主人公のメカを中心に商品化された。特に、
ヤッターマンのものは大ヒットを記録した。
-
タイムボカン/ヤッターマン/ゼンダマン
- Z合金ヤッターワンなどメインメカの他、ゾロメカ群も発売。敵側メカとしてはタイムガイコッツが立体化された
-
オタスケマン
- 主要メカ七種は全て発売。サンデー号は大小サイズが存在。
-
ヤットデタマン
- リアルロボットブームに乗り、七頭身ロボが登場。大巨神と大天馬がセットになった「黄金合身・大馬神」がフラッグアイテム。
-
逆転イッパツマン
- 主役メカが交代するが、これはタカトク側の要望だったそうである。「一発合身・逆転王」「マンモス合身・三冠王」「合金ホームベーサー」などが発売。
-
イタダキマン
- 再度動物型メカへ。番組人気が不調だったこともありシリーズ終了。タカトクのタイムボカン玩具展開も終わりとなり、翌年の1984年、会社自体も倒産の憂き目に遭う。「カブトゼミ」「ワンガルー」「ペリキン」などが発売。イタダキマンのアクションフィギュアも発売された。
その他の商品
ホビックシリーズ
亜鉛合金製のZ合金に対して本商品はプラスチック製である。Z合金と比べると大型かつ高額なことが多い。
ウルトラマンレオのMAC基地、
タイムボカンのメカブトンなどが同シリーズで発売された。
安全刀
前述の
赤胴鈴之助絡みで発案されたポリ製の振り回しても安全な刀。1970年代前半までの同社の主力商品。アニメ版
赤胴鈴之助や
変身忍者 嵐などのキャラクターを絡めた物もあった。
ヘルメット
きっかけはウルトラセブンヘルメットからで、
帰ってきたウルトラマンと
仮面ライダーの二大キャラクターのヘルメットが生産が追いつかなくなるほどのヒットになってからシリーズ化される。ただし前述の商品化権の問題からか
仮面ライダーV3以降の仮面ライダーシリーズのヘルメットは
ポピーから発売される。後に売れなくなり
ウルトラマンレオの頃、シリーズは消滅する。(ただしシリーズが消滅した後も『ゼンダマン』などで散発的にヘルメットが発売されることはあった)。
変形ロボット
「
宇宙魔神ダイケンゴー」の頃から合体ロボット玩具に積極的に関節可動を取り入れ、これが後に、変形と関節可動を両立させた「バルキリー」として結実する。
また
アートミックの企画・デザインによる、昆虫から変形するオリジナルのロボットシリーズ『機甲虫隊ビートラス』も存在する(ちなみにプラモデルは
今井科学からの発売)。これらの玩具の金型は、タカトク倒産後に
バンダイに渡り、更にアメリカの
ハズブロに渡って
トランスフォーマーシリーズの一部になったが、日本では版権の関係で、これらの玩具は全て未発売に終わっている。
「バルキリー」のトイは大ヒットとなったが、これに続く「
オーガス」「
サスライガー」等の販売は振るわず、倒産の一因となった。
エアソフトガン
「BSガンシリーズ」、「TMガンシリーズ」、「TMガンSS」から続く、タカトクトイスの「SSシリーズ」は、
エアソフトガンの黎明期を代表するシリーズである。中でも「
SS-9000」ボルトアクションライフルは絶大な人気を誇り、
BB弾の登場やカートレス化など時代に合わせた改良が絶えずなされ、社外品のカスタムパーツも「カスタムパーツだけで1挺組める」と言われるほどの展開を見せた。タカトク倒産後もSS-9000は数々のメーカーを渡り、2007年現在ではマルコシ
UXスーパー9と、エスツーエス
TSR-Xとしてその姿を留めている。ちなみに「TM」とは「タカトクマツシロ」で「SS」とは「スーパースポーツ」の略である。
銃シリーズ
1960年代の頃からタカトクは子供向けの銃玩具を多く発売しており、これらは大人向け
エアソフトガンと比べると安価で、子供のための安全性に配慮し、子供向けのギミックを搭載したものだった。子供向けの
エアソフトガンから光と音が出るだけの光線銃とラインナップは幅広い。既存の銃シリーズを流用してキャラクター商品にした物もあり、それらは流用なので元の作品の銃に似ていないか、作中に存在しない物だった。例えばテキサスイーグルを流用して
ウルトラマンテキサスになったりする。ただし
荒野の少年イサムのテキサスイーグルのように流用しても違和感のないものもあるし、
ウルトラマンAの電動タックガンのように新規に作られ作中の銃に似ているものもある。さらに流用してキャラクターを的にした
ウルトラセブンターゲットゲームなどの射的ゲームも発売された。これらの流用銃玩具はタカトクがスポンサーになり、テレビキャラクターの企画に関与し、作中のアイテムとそっくりな玩具を売るようになった1970年代後半にはなくなった。
ボードゲーム
「
生き残り頭脳ゲーム」「沈没作戦ゲーム」等を発売していた。これらのゲームは
パルボックスからリニューアルされて発売されている。
電子ゲーム
1980年代前半の
電子ゲームブームに乗り、個性あるゲームを生み続けた。「ゲームロボット九」「ゲームロボット5」は、9つの光るボタンと派手なメロディを駆使して、モグラたたきや記憶力ゲーム等9種類(「ゲームロボット5」は5種類)のゲームを楽しむことが出来た。また「ヒステリックママ」「ネコドンドン」「ロボットメーカー」等の名作ゲームを発売している。
ジャンボキャラクター自動販売機
高さ2メートルほどの
仮面ライダーや
ミラーマンなどのキャラクターの形をした自動販売機。100円を入れるとカプセル玩具が出てくる。販売店や遊園地向けの商品で1個30万円。店頭ディスプレイもかねている。
タカトクトイスによる玩具化作品
たかとくといす
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