スピン角運動量(スピンかくうんどうりょう、spin angular momentum)は、
電子や
クォークなどの
素粒子、およびそれらから構成される
ハドロンや
原子核や
原子などの複合粒子が持つ
量子力学的な自由度の 1 つである。単に
スピンと呼ばれることもある。スピン角運動量は、
軌道角運動量とともに、粒子の全
角運動量に寄与する。
スピン角運動量演算子
-
-
-
ここで、
であり、
h は
プランク定数である。ただし
軌道角運動量と異なり、空間座標とその共役運動量との外積として表される必要はなく、したがってその大きさは
を単位として整数値のみでなく半整数値をもとりうる。
スピン角運動量の大きさの自乗を
-
と定義すると、これは各成分
,
,
のいずれとも交換する。一方各成分同士は交換しないので、
と各成分
,
,
のうちいずれか一つとを同時に対角化できる。多くの場合同時対角化する成分を
とする。
の
固有値は
、
の固有値は
となる。
を
スピン磁気量子数という。
s は、0 以上の
整数または
半整数の値をとる。素粒子の場合、
s は素粒子の種類ごとに定まった値をもつ。
スピン 1/2
s = 1/2 の場合を考える。このとき、s2 の固有値は であり、sz の固有値は の 2 つが存在することとなる。従って対応する固有状態も 2 つであり、それぞれ上向きスピン、下向きスピンと言うことが多い。
スピン角運動量の各成分 (
sx,
sy,
sz) は
パウリ行列 (
) を使って以下のように表される。
- s_x = {\hbar \over 2} \sigma_x = {\hbar \over 2} \begin{pmatrix}
0 && 1 \\
1 && 0
\end{pmatrix}
</math>
- s_y = {\hbar \over 2} \sigma_y = {\hbar \over 2} \begin{pmatrix}
0 && -i \\
i && 0
\end{pmatrix}
</math>
- s_z = {\hbar \over 2} \sigma_z = {\hbar \over 2} \begin{pmatrix}
1 && 0 \\
0 && -1
\end{pmatrix}
</math>
以上は、sz に関して対角となるようにしてある。
スピンと統計性
s が半整数の値をもつような粒子は
フェルミ粒子であり、
s が整数値をとる粒子は
ボース粒子であることが知られている。
s の値と統計性の間のこのような関係は、
相対論的な
場の量子論によって説明できる。
関連項目
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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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