ギャンブル(
Gamble、
賭博(とばく)、
博打、
博奕(ばくち)、
賭け事(かけごと))は、
金銭や品物などの財物を賭けて偶然性の要素が含まれる勝負を行い、その勝負の結果によって賭けた財物のやりとりをおこなう行為の総称。
また、技術や道具や
錯誤などを用い、見掛けの
確率、
期待値を変えることなく、相手に気付かれぬよう有利に実際の確率、期待値を変えて行う賭け事、勝負事を
いかさま賭博といい、それらを行う者を
いかさま師、
ゴト師という。
概説
ギャンブルは人の
射倖心をくすぐり、時に
中毒的な
依存状態から
破産や人格崩壊に至り、果てには自殺、
殺人に及ぶ場合もある。また、違法賭博が
暴力団の資金源になるなど社会問題も多く内包する。
日本語において「ギャンブル」「博打、博奕、ばくち」「賭博」の各語は、その意味するところが多少異なっていると一般には考えられている。「博打」(ばくち)という語は博(ばく)と呼ばれたボードゲームのことで、それに金をなげうつこと、「博を打つ」から「博打」と言う語ができた。そのため「博打うち」という語は「博打打」となり二重表現である。
賭博は「賭事」と「博技」の合成語である。「賭事」とは、(賭ける人間が介入し得ない)偶然に賭ける種類のギャンブルで、
公営競技、
サイコロ、
札、
野球、
富くじなどが挙げられる。「博技」とは、賭ける人間の技量が勝敗を決する種類のギャンブルで、賭け
麻雀、賭け
ゴルフなどが挙げられる。
日本において一般に「賭博」は
刑法によって(一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときを除いて)禁止されているが、賭博にはあたらないものの、賭博的な要素を持つ遊技を指して「ギャンブル」と呼ぶことが多い。
また、各種
商品相場の
先物取引や
株式の購入など、通常であれば
商品取引(「相場」)あるいは
株式など
投資の範疇に含まれる行為のうち、手持ちの現金以上の金額を投じることのできる
信用取引や、
投機と呼ばれるハイリスク・ハイリターンな取引(当たれば巨額の利益が得られるが、相場の値下がりなどによる投資額の損失リスクが高いもの)については、広い意味での「ギャンブル」に含むことがある。
世界的には歴史上、
手品のはじまりといわれるCap and Ball(カップアンドボール)が賭け事の対象としてヨーロッパ、中東、地中海地方、遠くは中国まで広がったが、行う者が
手品師と同義であることから、いわゆるいかさま賭博ともいえる。
日本におけるギャンブル
日本では、
地方自治体などによって主催される(いわゆる)公営ギャンブルおよびパチンコなどのギャンブル的な要素を持つ各種遊技が行われている。
それぞれに適用される法律が異なる。
公営競技は20歳以上、
パチンコは18歳以上であれば
学生・生徒でも遊技できる(自主規制で、高校生は遊技できない店もある)。
かつて公営競技は学生・生徒の
投票券の購入・譲受ができなかったが、それぞれの根拠法が改正され現在は学生・生徒でも20歳以上であれば購入・譲受が可能となっている。
公営ギャンブル
日本における公営ギャンブルは、大別して
公営競技と公営くじの2つに分類できる。なお、「公営ギャンブル」といえば広義ではこの2つを指すが、狭義では公営競技のみを指す。それぞれ監督官庁があり、税収の一部となっている。これ以外にも財源難に苦しむ地方自治体を中心に、特別法の制定による公営
カジノの設置を求める動きがみられる。
- それぞれの監督官庁
公営競技
現在開催が許可されている公営競技は以下の4つに限られている。頭文字をとって三競オート(さんけいおうと)と呼ばれる。
これらの公営競技では、
投票券が販売されており、勝利する競走対象を予想した投票券を購入し、予想が的中すれば、
配当金を受け取ることができる。配当金は
パリミュチュエル方式により決定され、公営競技の場合投票券売上のうち75%が配当金として分配される(競馬のみ支持率により18~26.2%まで変動する)。また、当せん者がいない場合には全ての投票券に対して75%(ただし、10円未満は切捨てのため1口100円の投票券に対する実際払い戻しは70円となる)の「特払い」が行われる。この場合、仮に、10万円もった人が1000人やってきて、一日10レース、毎レースで有り金勝負をしたとするなら、10R終了後に胴元の手許には9436万円が残る。
場外発売所があると、来場者の能力によっては、自所だけでの売上で払戻金を賄えないこともありえる。
公営競技は長年にわたり
地方自治体の貴重な財源となってきたが、近年では一般大衆の「ギャンブル離れ」の影響を強く受けて不採算化が著しいため、公営競技事業そのものを廃止する事例が出始めている。
所得税法上、公営競技の配当金は
一時所得に該当するため原則として課税対象となる(2007年現在、特別控除枠50万円が認められているのでその年における払戻金やその他の一時所得の合計額が50万円を超えない場合は課税は生じない)。
爆笑問題の
田中裕二などがこれに該当し、
税金を払うはめになった。
公営くじ
また、2001年より
Jリーグを対象とした
スポーツ振興くじ (toto) も日本で行われ始めた。(地方自治体ではなく、独立行政法人「
日本スポーツ振興センター」によって運営されている)スポーツ振興くじは19歳未満の購入ならびに譲受が禁止されている(ただし、学生生徒も19歳以上なら購入、譲渡可能)。
その他のギャンブル
ギャンブル的な要素を持つ遊技としては
パチンコ、
パチスロが広く知られており、これらはパチンコ店にある。この中で特に
CR機(玉を貸し出すための
プリペイドカードを読み取らせるパチンコ機)の導入以降、1回の大当たり(特賞)の入賞球を増やしたり、確率変動(確変)の導入により、大当たりの確率を高めたりして、代わりに特賞以外の入賞球を減らすなど、射幸心を煽る傾向にある。そのため、確変・特賞が続けば大量の入賞球が獲得できるが、そのための投資も大きい、いわゆるハイリスク・ハイリターンとなり、ギャンブル性が増大しておりパチンコ税の導入の必要性などが議論されるようになっている。今は、一部でしか見られないがパチンコホールに類似するものとして
スマートボールやバンパーゲームなどがある。
また、麻雀店(雀荘)などにおける
麻雀も一般にはギャンブル的な要素を持つ遊技として認識されているが、金品のやりとりを伴わずに純粋に競技として行う場合のほか、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは賭博とはならない。しかし、高額な金品を賭けた場合などには賭博として摘発されることもある。過去に
新潟県警察の警察官が商品券を賭けて麻雀をしていたことが問題になったが、金品ではなく商品券だという主張が通り、お咎めなしとなっている。
このほか、換金できないチップを用いて店内に設置した
ルーレットなどで遊ぶことで
カジノ的な雰囲気を楽しむことができるカジノバーなども存在している。
また、これら合法的なカジノバーを隠れ蓑に、ヤミのカジノが開帳されることもあり、これらは違法賭博として警察から摘発されることもある。
これらの賭博場やカジノバー、一部パチンコ屋や麻雀荘は暴力団の
企業舎弟もしくは暴力団自体が経営にかかわっているケースが多く、暴力団の資金源となっているケースも少なくない。また一部パチンコ屋においては
在日朝鮮人が経営しているケースもあり、利益の大半を
朝鮮総連を経由して
北朝鮮に流しているという。またパチンコ屋や麻雀荘・ゲームセンターなどの風俗営業関連の業界団体には
警察OBも多数おり、持ちつ持たれつの関係だという指摘もある。
古くは、また各地方によって
闘鶏、
闘犬、
闘牛も賭け事の対象とされる。そして射幸心の語源となった
的屋などが行う射的遊技(
射的、
輪投げ、
くじ引き)や
商店街が行う
福引なども広義の意味ではギャンブルである。
また、
スポーツの結果を利用して行われるギャンブルもある。
公営くじである
スポーツ振興くじのほか、
野球の結果を利用した野球賭博、
サッカーの結果を利用したサッカー賭博(トトカルチョ イタリア語でtotoが賭博や籤、calcioがサッカーの意 一時期“
野球トトカルチョ”なる表記があったがこれは誤り)などがある。
特に野球賭博は
高校野球において行なわれることが多い。短期間(
センバツならおおよそ2~3週間、
夏なら4週間程度)で優勝校が決まることと、トーナメント形式で敗退チームが姿を消すことから職場ぐるみで上司など立場が上の者が「胴元」となって高校野球賭博を行なっているケースが少なからずあり、公務員でも盛んに行なわれているという。
スポーツの結果を利用したギャンブルの場合、チーム間の実力の差によっては勝敗結果が容易に予想できるため、ギャンブルとしての面白味に欠け、賭けが成立しない場合がある。そこで、結果にハンディキャップをつけたり、配当に変化を付けるなどの操作が加えられ、より偶然性を高めることがある。また、意図的に賭博で勝たせるために「
八百長試合」が横行することもある。
スポーツの結果を利用したギャンブルが露見した場合、これらの操作が賭博場を開帳し、又は博徒を結合して利益を図ったと認定され、賭博として摘発されることがある。夏に多い会社や公務員の職場での高校野球賭博の摘発のニュースはこれに該当する。
このほか、公営競技の結果と配当を利用して行われる
ノミ行為もあるが、各公営競技の準拠法によって禁止されている
違法行為である。
関連法律
-
刑法 第2編第23章 賭博及び富くじに関する罪
- (賭博)
- 第185条 賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
- (常習賭博及び賭博場開帳等図利)
- 第186条 常習として賭博をした者は、三年以下の懲役に処する。
- 2 賭博場を開帳し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
- (富くじ発売等)
- 第187条 富くじを発売した者は、二年以下の懲役又は百五十万円以下の罰金に処する。
- 2 富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
- 3 前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。
-
競馬法
-
モーターボート競走法
-
自転車競技法
-
小型自動車競走法
-
当せん金付証票法
-
スポーツ振興投票の実施等に関する法律
-
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
日本の賭博の歴史
近代以後、博徒は政府の治安政策の一環として厳しい取締の対象とされたため、表向きは別の職業に偽装する例が増える。
1923年、
名古屋地方裁判所に所属していた
松阪広政検事(後の
司法大臣)が調査したところによれば、当時の博徒の偽装には土木建築請負業者・料理店・
サーカスなどの興行師の3つが典型とされ他の例は皆無とされている。これらは人の出入が激しく、かつ専門的知識を求められない従業員(子分)を多数雇用しやすい環境にあったからである。
一方、
軍馬育成への貢献を名目とした
陸軍の肝いりで
1936年に
日本競馬会が結成され、本格的な政府公認のギャンブルが開始されるようになる。戦後、日本競馬会は国営化されて後に日本競馬協会へと組織変更され、また各種公共ギャンブルが開催されるようになった。
日本以外におけるギャンブル
各地に多種多様なギャンブルが存在し、もっとも有名なものは
カジノである。また
イギリスや
オーストラリア、
ドイツ等には
ブックメーカー(bookmaker)なども存在し、殆どあらゆる事をギャンブルの対象にしている。日本にも存在する
パリミュチュエル方式(parimutuel)でも、日本より種類が豊富である。競馬はその日の全レースや、5着までの順位を全て当てる非常に難易度の高い物も存在し、
サッカーもフットボールプールやトトカルチョとして親しまれている。
一方で
イスラム教圏では
宗教上、ギャンブルを行うことは
戒律違反であるため、ギャンブルはギャンブルではないゲームとして行われる場合も多い。
競馬などは存在するが、勝ち馬の予想を当てると賞品がもらえるものの、単なる競技であり、お金はもらえない。(かわりにゲームカードという当てれば粗品が貰えるカードがある)これはギャンブルではないとする言い逃れができるようにするためである。無論脱宗教化の進んだ国ではギャンブルも行われている。
中国においては三千年の歴史を持ち、映画
ラストエンペラーのオープニングでも描かれていたが、「
蟋蟀(
コオロギ)」を使った、「闘蟋」が賭博の対象として盛んであり、特に経済開放後、莫大な金額がやりとりされ
骨董価値のある
虫かごが数千万円相当で取引されたり、コオロギも数百万円で取引されることも珍しくなく、当局による摘発が相次いでいる。
ギャンブルに関するその他の情報
作家、ライター
映画
漫画
ブロードウェイミュージカル
ギャンブラー
ギャンブルなしでは生きていけなくなった人のこと。自己の生活基盤、
価値観、仕事や学業、家族や友人などの人間関係を犠牲にしてもギャンブルを続けてしまう。
ギャンブル依存症は進行性で完治することはない精神的な病気。しかし適切な
専門職の介入と自助グループや、各種
心理療法によって回復することは出来る。ここで言う回復とは、再びギャンブルに手を出してしまったら元の依存状態になってしまうので、一生ギャンブルに手を出さない、新しい生き方を学ぶ必要があると言うことである。
職業
地名
おもな賭博事件
身内での賭博
身内では、金ではなく物を賭けることが多い。
関連項目
外部リンク
*
*きやんふる