カレー(英:
Curry カリー)は、複数の
香辛料を使って
野菜や
肉などを味付けした
アジア料理のひとつ。もともと
インドおよび周辺
アジア諸国で作られていた料理だが、現在では国際的に人気のある料理のひとつとなっている。
日本では、
明治時代に
イギリス経由で伝わり独自の進化をとげた
カレーライスが
国民食と呼ばれるほどの人気を獲得しており、カレーといえばカレーライスをさす場合が多い。
カレー粉
カレー粉は、ミックス
スパイスの一種。インド発祥ではなく、
18世紀後半のイギリスで発明され、同じころ
クロス・アンド・ブラックウェル(C&B)社によってはじめて商品化されたと考えられている<ref>森枝卓士『カレーライスと日本人』(講談社新書) 講談社、1989年7月 ISBN 4061489372</ref>。
カレー粉の原型はインドのミックススパイス、
マサラであるといわれている。しかしマサラはインドにおいて、日本の
醤油や
味噌のようにあらゆる料理において調味料として使われるものであり、「カレー料理」のために存在する訳ではない。
現在はインドの
スーパーマーケットにも「カレー粉」が並んでいるが、インスタント食品のような感覚で使われ、けっして主流にはなっていない。
世界各地のカレー
日本のカレー
カレーライスの他、下記のようなカレー粉、カレーソースを使った料理がある。
この他にもご当地カレーとして、
札幌の
スープカレー、
富良野市の
オムカレー・
ホワイトカレー、
金沢カレー、などが知られる。また、カレー味の
スナック菓子が各社から発売されている。
また
蕎麦屋では、カレー粉を
カツオだしで溶き、
片栗粉でとろみを付けた和風カレーが定番のメニューである。
画像:Curry and rice.jpg|カレーライス
画像:kare-udon111.jpg|カレーうどん
画像:Curry bread.jpg|カレーパン
画像:Soupcurry-hareruya.jpg|スープカレー
インドのカレー
インドでは香辛料(スパイス)を混合した
マサラを幅広い料理に使うため、ほとんどの
インド料理が「カレー」であるように思われがちである。しかしそれは誤った認識と言える。インド人は、身の回りにあるスパイスを毎日の料理に使っているに過ぎず、彼ら自身は「カレー」なるものを作っているつもりはない。インド料理全般を「カレー」と呼ぶのは、日本料理に例えるなら、
醤油や
味噌を使った煮物や汁物、和え物に全て同一の名前を当てはめるような乱暴な呼び方である。ただ、旧宗主国である英国人が、彼らの料理を「curry(カレー)」と呼んでいたことから、現在では一部の料理名の英語表記に「curry」が使用されることも多い。
インド固有の言語には「curry(カレー)」という言葉はない。ただしタミル語とカンナダ語に共通で「野菜や肉」、「食事」、「おかず」を意味する「カリ」がある。それが
英語のcurryとなり、マサラを使った多くの料理がその名で呼ばれるようになったとされる。
主食も地域によって異なり、北インドでは小麦粉を使った
ナン・
チャパーティー・
ドーサなどの
パン類、南インドでは
米である。一口に米と言っても、地域によって米の種類や炊き方が異なる。
インドにとって「カレー」という言葉は
外来語である。正確な理解は
インド料理の項を参照のこと。
東南アジアのカレー
カレー]]
インド以外に、
東南アジア周辺の類似の料理も、日本では「タイカレー」、「ジャワカレー」などと「カレー」の名で呼ばれることがある。しかし香辛料の使い方などに大きな違いがあり、いわゆる一般的な「カレー粉」で作られる味とは異なっている。
たとえば
タイでは
唐辛子と
ココナッツミルクを基本としたものが主流で、具も
海老や
鶏肉などを使い、使用するスパイス(ハーブ)・材料によって
レッドカレー、
グリーンカレー、
イエローカレーに大別される。ココナッツミルクの使用でまったりとした味の物が多い。タイの伝統食文化のケーン(ゲーン)と呼ばれる様々な汁物の中で、香辛料を利かせた料理を外国人が便宜上からタイカレー(Thai curry)と呼んでいる。本来はインド周辺地域のカレー料理と直接の関連性はない。
逆にタイにおいて「カレー」と呼ばれているのは、日本でおなじみの食材による「カレーライス」の事である。日本から入ってきた食品であり、既に現地では一般的な食べ物になっている。
また、カレーと呼ばれていなくても日本人が食べればカレーだと思う料理もある。例えば
マカオの「葡國鶏」(
広東語 ポウコクカイ、ポルトガルチキン)は、
クリーム味が加わり、
オーブンで表面を焼いたチキンカレーとも言え、しかも米飯またはパンと共に出される。
イギリスのカレー
発祥の
チキンティッカマサラ]]
インドのカレーは英国でも好評だったが、インド人ほど香辛料に慣れていないイギリス人には、香辛料の調合ができなかった。そこでC&B社は、予め調合した香辛料を「C&Bカレーパウダー」として売り出した。これにより英国では着実に家庭料理として定着していき、
1810年にはオックスフォード大辞典に「カレーパウダー」の語が登場する。
インドのカレーが様々な食材を用いるのに対して、イギリスのカレーはほとんど肉を使ったものである。これはイギリス人が休日には
牛肉を屠って
ローストビーフを食べる習慣があったためである。その時の残りの牛肉を使って平日に食べる料理のバリエーションのひとつとしてカレーが存在した。ただし、カレーを食べるためには、イギリス人にとってあまりなじみの無い米飯をわざわざ炊かなければならず、非常に手間がかかる。そのため、休日にローストビーフを食べる習慣が無くなった現在は、カレーも家庭料理としてはほぼ廃れており、たまに食堂の日替わりのメニューとして供される程度になっている。
ただしイギリスには、植民地時代からの伝統的なインド料理の店はたくさんあり、そこでは本場のインド料理としてのカレーが供されている。逆にこうした状況が、家庭料理としてのカレーが廃れた原因のひとつにもなっている。
その他の地域
ヨーロッパや
北米、
中南米、
アフリカ、
オセアニアなど、あらゆる地域でカレー文化が根付いていることが確認されている。それらは主に各地域の伝統的な料理に香辛料やエスニック要素を加えることでカレーらしくなったものだが、多くのレストランや料理人らが伝播と啓蒙につとめた功績も皆無とはいえない。また、各国の料理をカレー風にアレンジするレシピもインターネット上に多く見られるようになった。
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- 東アジア地方
-
韓国のカレーライス
- ヨーロッパ地方
- イタリア風カレー、カレー・ヴルスト(ドイツ)
- 中東地方
- イラン風カレー、サウジアラビア風カレー
- アフリカ地方
-
ワット(エチオピア)、ソース・アラシッド(コートジボワール)
- オセアニア地方
- ニューカレドニア風カレー
脚注
*