イチイ [Taxus cuspidata] [被リンク数: 95]

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イチイ(一位、櫟、学名Taxus cuspidata)は、イチイ科イチイ属の植物。またはイチイ属の植物の総称。常緑針葉樹。別名をアララギ北海道ではアイヌ語由来のオンコと呼ばれる。
同属にヨーロッパイチイT. baccata)があるが、本稿においては特に注記しない限りは日本に生息するイチイ(T. cuspidata)についての説明である。

分布

日本では北海道から九州にかけて山地に自生する。特に東北から北海道までの寒冷地帯に群生する。庭木としては一般的で沖縄を除いた日本全国で見られる。

特徴

雌雄異株で、高さ20mほどの高木になるが成長は遅い。樹型は円錐形になる。幹の直径は50-100cmほどになり、樹皮には縦に割れ目が走る。
葉は濃緑色で、線形をし、先端は尖っているが柔らかく触ってもそれほど痛くない。枝に二列に並び、先端では螺旋状につく。
4月ごろ小形の花をつけ、初秋に赤い実をつける。種子は球形で、杯状で赤い多汁質の仮種皮の内側におさまっている。外から見れば、赤い湯飲みの中に丸い種が入っているような感じである。 果肉は甘いが、種は苦く、アルカロイドの一種が含まれ、有毒。

用途

]] 耐陰性、耐寒性があり刈り込みにもよく耐えるため、日本では中部地方以北の地域で庭木や生垣に利用される。東北北部と北海道ではサカキヒサカキを産しなかったため、サカキ、ヒサカキの代わりに玉串など神事に用いられ、神社の境内に植えられる。
木材としては年輪の幅が狭く緻密で狂いが生じにくく加工しやすい、光沢があって美しいという特徴をもつ。工芸品や机の天板、天井板、鉛筆材として用いられ、岐阜県飛騨地方の一位一刀彫が知られる。
日本(一説には仁徳天皇の時代)では高官の用いるを造るのにこの木が使われた。和名のイチイ(一位)はこれに由来するという説もある。
果実は甘く、そのまま食用にしたり、焼酎漬けにして果実酒が作られる。しかし種子にはタキシン(taxine)という有毒のアルカロイドが含まれている。種子を誤って飲み込むと中毒を起こし、量によってはけいれんを起こし、呼吸困難で死亡することがあるため注意が必要である。イチイのタキシンは果肉を除く葉や植物全体に含まれる。
葉はかつて糖尿病の民間薬としての利用例があるが、薬効についての根拠はなく、種子と同様有毒であるために絶対に服用してはならない。
心材が赤い為、赤色の染料にも用いられる。

キャラボク

イチイの変種として、キャラボク(伽羅木 Taxus cuspidata var. nana)がある。 常緑低木で高さは50cm〜2m、幹は直立せずに斜に立つ。根元から多くの枝が分かれて横に大きく広がる。 雌雄異株で、花は春(3~5月)に咲き、雌木は秋(9~10月)になると赤い実をつけ、味はわずかに甘い。
本州日本海側の秋田県真昼岳鳥取県伯耆大山の高山など多雪地帯に自生する。 鳥取県伯耆大山の8合目近辺にあるキャラボクの群生地は天然記念物のダイセンキャラボクとして知られる。 また朝鮮半島にも分布する。
名の由来は、キャラボクの材が、キャラ(伽羅)という名の香木に似ていることによるが全くの別種である。
キャラボクとイチイを比べた場合。全体的にはイチイの方が葉が明らかに大きい。 イチイとの最大の違いは、イチイのように葉が2列に並ばず、不規則に螺旋状に並ぶ点である。ただし、イチイも側枝以外では螺旋状につくので注意が必要である。

雑学

ル=グウィン著の「ゲド戦記」で、当初ハイタカが愛用していた杖は「イチイの木」でできた杖であった。同書では、イチイの木は人を叩いても、傷つけない特殊な木として扱われている。

地方公共団体の木に指定している自治体

市町村の木に指定している自治体

保全状態評価

国際自然保護連合は本種の保全の現状を軽度懸念(LOWER RISK - Least Concern)と評価している。本種はワシントン条約の附属書II類に指定されている。

関連項目

抗癌剤でヨーロッパイチイ(T. baccata)に含まれる物質より合成される。

参考文献

外部リンク

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出典:「フリー百科辞典ウィキペディア」(2009-01-01)
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